時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

コラム(財界)

外国人が狙うビジネスホテル

ビジネスホテルが好調だという。事実、東京の稼働率(全客室のうち利用されている部屋の割合)は83.9%。大阪でも78%に達している(14年4〜6月)。リゾートホテルが48%、旅館が35%というからその好調さがわかる。 ビジネスホテル好調の背景にあるのは、…

東洋医学の谷先生を悼む

私が30年近く体調を見て頂いている東洋医学の先生がおられる。元々は長崎大学医学部を卒業(医学博士)、西洋医学を修めてきたが、母親の病気をきっかけに東洋医学に関心をもち、東洋医学の権威とされた間中喜雄博士に師事。以来東洋医学と西洋医学の両方の…

さよならグロナビ

BS放送開始以来、足かけ15年にわたって毎週土曜日午前に放映してきた「グローバルナビ フロント」が3月末(3月28日)で終了することになった。私が司会を行い、榊原英資元大蔵省財務官(通称ミスター円)がコメンテーターで、アシスタントは初代の中井亜希さ…

蒲田中小企業の戦後

ことしは日本の敗戦から70年目となる。そのせいか〝戦後70年特集〟が雑誌やテレビで大はやりだ。そんな中で戦争直後の大田区の中小企業とその後の歴史をまとめた資料が目を引いた。 中小企業の街といえば、東の大田区蒲田、西の東大阪が両横綱だろう。戦時中…

わかりにくい 農協改革論争

最近、わかりにくい政策論争が多い。そのひとつが農協改革だ。 自民党の農協改革検討チームが全国約700の地域農協を統括する全国農業協同組合中央会(JA全中、万歳章会長)に対し、JA全中の監査権を廃止すべしと要求している問題である。監査権とはJ…

東京五輪後の日本の進路 どんな国をめざすのか

1964年(昭和39年)の東京オリンピック当時、私は大学生だった。詳しい記憶はほとんどないのだが、先日、50年前の東京五輪当時の日本をふり返る映像特集を見た。当時の白黒映像を見ていると、日本はあの頃に高度成長への社会的・経済的基盤を整えたのだな、…

覚悟が見られない野党再生 世代交代を阻む比例復活

今回の総選挙で一番みっともなかったのは、小選挙区で敗北しながら、比例で復活した議員たちだろう。特に民主党の菅直人元首相は小選挙区で敗北、比例の惜敗率で最後の最後に助けられ投票日の翌日午前7時頃に救済された。比例復活の〝最後〟の人となったこ…

50議席減なら自公の敗北 30減なら引分け判定か

降って湧いたような突然の解散・総選挙である。なぜこの暮れの忙しい時に総選挙なのか──日がたつにつれて様々な謎の裏がみえてきた。 まず安倍首相がいつ総選挙を決断したのか。誰に最初に打ち明けたのか。安倍首相は北京で習近平国家主席が議長をつとめる第…

アベノミクスは正しいか 総選挙で野党は対案を

「いま消費増税を決めると不況になる懸念がある。不況になると増税しても税収はふえない。よって増税予定を延期するが、賛成ですか」と聞かれれば、大半の人は賛成、と答えるだろう。今度の衆院解散・総選挙の大義名分は「増税延期」だという。増税を喜ぶ人…

キャッチコピーから解く中国

中国はキャッチコピーの作り方がなかなかうまい。特に政権の交代期や重要大会があると、政策や外交方針などについて気の利いた造語や〝何だろう?〟と注目させる新しい言葉を作るのだ。 旧くは「改革開放路線」「文化大革命」、最近では「和諧社会」「新常態…

どこまで頑張る香港学生

香港の学生や一般市民も加わった数万人のデモの光景は圧巻だった。特に香港中心部の幹線道路を埋め尽くし、その先頭に高校生や大学生が立って演説する姿は、50〜60年代の日本の学生運動を思い起こさせ、個人的にも懐かしさを感じた。当時は、日本だけでなく…

悪い円安が心配に? 米国は金融緩和終了

そろそろ円安の功罪をきちんと分析してもらいたいものだ。日銀、財務省、金融庁などだけでなく、民間の大、中小企業、生活者なども含めて〝いい円安〟〝悪い円安〟の評価をすべき時期だろう。 1㌦=70円台に円・ドル相場が突入した時、日本企業は悲鳴をあげ…

欧米の戦後レジーム 変更迫るイスラム国

アメリカやEUでイスラム国への脅威が高まっている。オバマ米大統領やキャメロン英首相らは、口々に「イスラム国の脅威はこれまでより重大かつ深刻だ」と述べ、ビン・ラディンが率いていたアル・カイダ以上に警戒を強め、有志連合づくりを目ざすとしている。 …

首脳から〝面〟の外交へ

外務省は2015年度予算の概算要求で、中央アジアやアフリカ、中南米諸国に新しく15在外公館の開設を要求する方針という。安倍首相は〝地球外交〟をとなえて、すでに40カ国以上、百数十回の首脳会談を実施してきた。 日本が現在、大使館を開設している国は139…

BRICS銀行創設へ 危うい協調と思惑

ことし7月中旬、ブラジルで開かれた新興5カ国の首脳会議で途上国支援のための「新開発銀行=BRICS銀行」の設立が合意された。戦後の国際金融世界を牛耳ってきたIMF(国際通貨基金)、世界銀行などのIMF・ブレトンウッズ体制への〝挑戦〟ともみられているが、…

孤立化するロシア アジアの空、海は?

マレーシア航空機の撃墜事件は、民間機の撃墜自体が言語道断の行為であるうえ、その後の遺体の取り扱いや事故調査を巡る親ロシア派武装集団の行動はあまりにもひどく、非人道的だ。ロシアはまだ武装集団をかばう姿勢を崩していないが、一刻も早く、欧州安保…

中国・制服トップも拘束 昨年の幹部処分は4万人?

中国の腐敗・汚職追及の手は、遂に人民解放軍のトップにまで及んできた。6月30日に行われた中国共産党中央政治局の会議で習近平総書記(軍事委員会主席)が、徐才厚・前党中央軍事委員会副主席の党籍を剥奪すると発表したのだ。 新華社通信などによると、部…

司法改革で遅れが目立つ 市民・国際関連の民事分野

日本女性でアメリカに住む友人がいる。アメリカ人と結婚し、やがて一人息子をもうけ、家庭も仕事も順調だった。絵に描いたような国際結婚の成功例だと思っていた。ところが10年ほどすると離婚へ。こじれたのは子供の親権や離婚後に子供と会う日数、養育費な…

天安門とノルマンディー 歴史の重みと外交舞台を

6月4日は天安門事件から25周年、7日はアメリカのノルマンディー上陸作戦から70年の記念日だった。両方とも過去のこととはいえ、歴史の重みが今に引き継がれていることを改めて実感される。 天安門事件は、1989年6月に起きた。半年後に東独やハンガリー、チェ…

したたかなベトナムの根性 日本も国際的アピールを

さすがにベトナムはしたたかだ。大国・中国を相手に国際社会を味方に引き入れる作戦に出た。南シナ海の西沙諸島近海で衝突を繰り返している中国船とベトナム船の緊張状態について、国際的に実情をみてもらおうと外国メディアをベトナムの用意した船に乗って…

5、6、7極化する中国  IT化の現代を泳ぐエリート

GWの休みを利用して数年ぶりに北京へ行ってきた。北京、上海などは1、2年も行かないと様変わりしているよ、と言われ続けてきたが、久しぶりの北京は本当に大変貌を遂げていた。今回は、中国人が良く行く場所やライフスタイルがわかるような所へ行きたいと思…

戦後レジーム改革論の危うさ ナショナリズム流行で良いのか

「安倍さんは、オバマ大統領と必ずしも相性があっていないみたいだな。むしろロシアのプーチン大統領の方に親近感があるんじゃないだろうか」──安倍首相の側近がふともらした感想だ。 互いに何を言っても後味の悪さを残さず〝良い個人的関係〟を作るのが首脳…

取り合いになる外国人労働者 新興国に日本センター設置を

「日本の労働就業者は今後約20年で3%、167万人減少する」 「建設業で働く人はピーク時の4分の3にあたる500万人に減った」 「団塊世代が75歳以上になる25年後には、介護サービスの働き手は100万人以上不足する」 「今後、移民を20万人以上受け入れ、出生率を2…

複雑怪奇な世界の潮流 日・韓は置いてけぼり?

日・米・韓か、米・中・韓か。G7対ロシアで中国はどう立ち回る? ウクライナの未来は? 台湾と中国の貿易協定で反対の台湾学生が議会を占拠、エジプトでイスラム原理主義組織ムスリム同胞団をテロ組織とみなし約530人に死刑判決、マレーシア航空機の謎の行方…

アベノミクスで沸いた 日本株相場は終わったのか?

震災倒産は阪神の4倍以上 景気は春以降も大丈夫なのか。資材、輸送関連、建設業者などは「手持ち注文でいっぱい。むしろ人手が足りず約束の期日に間に合うかが心配。オリンピック需要もあり、2020年まで大丈夫だ」と楽観的である。しかし被災地から未だ復興…

中国〝三反運動〟で思わぬ客 再び日本のブランド品が脚光

中国のぜいたく禁止、腐敗撲滅宣言で中国国内はピリピリしているようだ。「高級時計はしない」「高級レストランには行かない」「外車で出かけない」──などの雰囲気が高級幹部の間では暗黙の了解になっているらしい。 高級時計をしていると写真にとられたり、…

シラけていた都知事選 ガッツあるミドルはどこ?

日本の40〜50歳代は、どうしてしまっているんだろうか。40〜50代といえば、家族、企業の中心にいる働き盛り。日本の社会、政治、地域などにおいても中核的存在を占めているはずだ。過去の歴史も知っているし、幅広く物事を見て判断する教養もあり、分厚いミ…

バーナンキの最後っ屁? 世界の金融・経済の波乱に

ことしの世界経済の台風の目は、どうやらアメリカになりそうだ。1月下旬から世界の株式市場や為替市場が大荒れになっているのもアメリカの量的金融緩和縮小の影響だ。1月24日の世界の株価下落率は、日本が1.94%、アメリカ1.96%、ドイツ2.48%、フランス2.7…

『日本人の覚悟』を出版  成熟期を超える見本を

宣伝になって恐縮だが、1月下旬に『日本人の覚悟―成熟経済を超える』という本を実業之日本社から出版する。この欄でも何度か記してきたが、私はここ数年「日本人は覚悟が足りなくなってきた」と記し〝覚悟〟というキーワードをよく使うようになった。 それは…

活況景気は嬉しいが熟練人材に悩む企業

12月中旬に発表された日銀の12月短観(全国企業短期経済観測調査)は、大企業の業況判断指数がプラス16、中小企業がプラス1と景況感は軒並よくなってきた。前回調査(9月)に比べ大企業は4ポイント、中小は10ポイントと大幅に改善している。新聞各紙はどこ…

男一代の夢とその果ては?

堤清二/辻井喬さんが亡くなった。86歳だった。最後まで経済、日中関係、政治、文芸・文化などについて発信していた稀有な知識人・経営者だった。経営者としては、1954年に入社した西武百貨店を若者にアピールする最先端デパートのイメージに変え、ファ…

オンカロ── 10万年後の安全

オンカロ──フィンランドは、世界で初めて高レベル放射性廃棄物の最終処分場を決め、いまその建設を行っている。オンカロ(ONKALO)とは、フィンランド語で「洞窟、空洞、穴、渓谷」などの意味があるそうだが、いまやオンカロは放射性廃棄物の最終処分場の別…

独仏米の3人の女性トップ 世界経済・政治の命運握る

ドイツ首相のメルケルが本気で怒った。キリスト教民主同盟(CDU)の初の女性党首を務めること14年、首相になって8年がたち、つい最近3選目をはたして今や世界中が認める欧州・EUのリーダーだ。怒りをぶつけた相手はオバマ大統領率いるアメリカ。オバマ大統…

モンロー主義に戻る? 弱まるオバマの統治力

アメリカの債務不履行は土壇場の10月17日、期限ギリギリで民主党と共和党の妥協が成立し、回避された。最終的には決着すると誰もが予測していたから〝ホッと胸をなでおろす〟といった大仰な反応はなかった。 しかし、もし本当に不履行に陥っていたら世界の金…

私が体験したアメリカの入院  医療保険改革でオバマ立往生

今から30年ほど前、私が毎日新聞のワシントン特派員をしていた時、自宅に救急車を呼んだことがある。妻の持病だったぜん息が急にひどくなり呼吸も苦しそうだったからだ。 救急車はすぐにやって来てくれた。ただ、車に乗せて直ちに病院へ運ぶと思っていたら、…

世界と日本を読み解くシンポジウム 一流パネリストが語る〝日本の覚悟〟

シリア問題を巡りアメリカのイメージは、大きく変わってきた。アメリカはもはや、中東でアメリカ人の血を流してまで統治する気はないことを示したようだ。無人のミサイル、戦闘機でシリアのアサド大統領を狙い内部崩壊をもくろむ。リビアのカダフィ大佐襲撃…

ゴマ塩頭目立つオバマ 統治力衰弱で孤立化

オバマ大統領の頭にやたらと白いものが目立ってきた。シリアへの軍事攻撃を表明したものの、最大の同盟国イギリスに攻撃参加を拒絶されたし、ポーランドなどかつてのイラク戦争に参加した同盟軍国も今回は不支持。それどころかアメリカ議会も武力攻撃に消極…

この夏は妖怪ブーム世紀末現象の反映か

いま日本は妖怪ブームだという。そこで先日、三井記念美術館で開かれていた「大妖怪展─鬼と妖怪そしてゲゲゲ─」展を見に行った。 夏休みでもあり、小・中学生などがつめかけていると思いきや、何と来ている人の大半は中年以上の人たちばかり。展覧会場は静か…

出てゆくばかりが能ではない 対日投資の魅力を世界に売ろう

タイ・バンコク近郊のマハチャイは、水産業の中心地として知られる。タイ湾近辺の河口にある漁港には魚介類が水揚げされ、工場で加工されて国の内外に送られるのだ。日系の工場も少なくない。 マハチャイの漁船員は約3万人にのぼるとされるが、9割近くはミャ…

サヨナラ、ヘレンさん 女性記者の先駆者だった

アメリカのホワイトハウス詰めの名物記者だったヘレン・トーマスさんが7月20日に亡くなった。ヘレンさんはアメリカにおける女性ジャーナリストの最長老で2010年6月に89歳で引退するまで、ホワイトハウス記者クラブの主のような存在だった。 ヘレンさんは1943…

アラブ民主化政権はなぜ安定しない?

中東の大国・エジプトが再び動乱の兆しをみせてきた。選挙で選ばれた大統領を軍の介入によって軟禁し、軍が推すマンスール氏を暫定大統領に据えた。これは完全に軍事クーデターだ。 中東では、2010年のチュニジア・ジャスミン革命の反独裁民主化運動が引き金…

落ちぶれたサミット もう世界を引っ張れず

「落ちぶれたな」というのが、ことしのサミットを終えた時の実感だ。いまや1970年代~2000年頃までの世界を引っ張ってきた先進国首脳会議(G7)の面影は、まったくみられない。レーガン米大統領、ミッテラン仏大統領、シュミット、コール西独首相ら第二次世…

穏健イスラム・トルコの安定を望む

トルコが騒々しい。2020年夏のオリンピック最有力都市で、東京のライバルとみられているイスタンブールを中心としたデモの拡大に、日本の一部では「東京にチャンスが巡ってきたか」と早トチリする人もいるようだ。しかしもしトルコの混乱が深まるようだと、…

くすぶる沖縄〝独立〟論

最近、〝琉球独立論〟という小論やニュースをよく見かけるようになった。琉球とは、日本に編入される前の「沖縄」のことである。仕掛けているのは、尖閣諸島の領有権を主張する中国とみられるが、沖縄の人の中にも「琉球の独立」という言葉に心動かされる人…

大相場は終盤へ? 気になる海外でつぶやかれる円安批判

「リーマン・ショック」以前の利益水準に迫る──。3月期決算の発表で、このところメディアは連日にぎわっている。と同時に安倍首相・黒田日銀総裁の〝アベクロミックス〟をはやす声が多い。懸念もあるのだが、いまケチをつけると折角の株高・円安効果を冷やし…

アベクロミックスと外人投資の行方

「満天の星は見ていてきれいだが、その星の点をつなぎあわせて牡羊座、牡牛座、天びん座などを見つけると、満天の星が〝点〟でなく、様々な図に見えるだろう。そのうえ、その星座の物語を知れば、星空は絵になりストーリーも知ることができて、さらに宇宙へ…

サーベラスは魔獣か? 公益事業の買収可否

サーベラスが日本の企業社会に不気味な影を落としている。西武鉄道、プリンスホテルなどをもつ西武HD(後藤高志代表)の筆頭大株主で32.4%の株を所有するアメリカの投資ファンドだ。日本には98年に進出、あおぞら銀行や国際興業、米クライスラー、エア・カナ…

キプロス騒動にひそむ影は? 投機か、ロシアへの嫌がらせか

エーゲ海の美しい島・キプロスが世界の注目の的となっている。トルコとギリシャがかつて領有権を主張しあい、今も島はトルコ系とギリシャ系に分かれ境界線がもうけられている。〝エーゲ海に浮かぶ島〟と聞いただけで、何か豊かな気分になれるし、実際、世界…

一時の円安・株価に浮かれるな 日本の本物のDNAで勝負だ

他人の力を借りることは恥ではないし、時にはきわめて重要な立ち直りのきっかけになる。しかし、最終的には「自分の力で復活する」という覚悟と意志がなければ失敗しよう、3月に入り日本経済は好調で、回復に力強く進んでいるようにみえる。たしかに株価は一…

新たなスター?〝ミスター日銀〟

派手ではなく地味な人物だが、決して安易に妥協したり、軸がぶれることのない人、というのが黒田東彦(68)・新日銀総裁の印象だ。大蔵省で国際金融のトップとなる財務官の座についていたのは1999年から2003年。それ以前は国際金融局長として97年のタイや韓…