時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

コラム(財界)

”安倍外交” 曲がり角か 正念場のプーチン会談

旧ソ連が崩壊直前の1990年1月、私は当時の急進改革派のリーダーだったエリツィン氏の来日時、日本の学者二人を交えて2回、約6時間にわたり懇談した。ソ連が経済発展するヒントを知りたいようだった。同氏は、その後の旧ソ連崩壊後の91年に初代大統領(91~9…

アメリカ理念の没落か

「トランプはポピュリズムで権力を握ったが、その後の統治手法はポピュリズムではない。今後、上院も下院も最高裁判所も保守一色で染まるだろう。しかしアメリカ社会の分断にも深い傷跡を残した。新大統領選後1週間以上も反トランプの大衆行動が各地でおこ…

経済指標に踊らぬ生活

日本人はケチなのか、心配性が強すぎるのか、それとも政府の発表する数字や日経新聞の論調に乗りたくないのか。 10月28日付の日経新聞夕刊の一面トップに、9月の経済指標として「求人倍率25年ぶりに高水準」「失業率3.0%に低下」「消費者物価0.5%下落」など…

レガシーはハードよりハートで!!

2020年の東京五輪についてまわる言葉は「レガシー(legacy)」だ。1964年のオリンピックはいくつかのレガシー(遺産)を残し、今日も語り継がれているものが少なくない。新幹線、首都高速道路、国立競技場など目に見えるハードのものが多く、当時は高度成長…

世界は女性トップの時代へ?

このところ、新聞やTVニュースのトップに出てくるのは小池百合子都知事だ。2020年の東京オリンピックの予算見直し、築地魚市場の豊洲移転問題、知事給与の半額カット提起、リオ五輪から東京五輪への引き継ぎ式典などニュースに事欠かないからだ。 対応…

リベラル派の重鎮逝く 加藤紘一氏死去

元衆議院議員の加藤紘一さんが肺炎のため亡くなった。77歳。ここ数年は体調を崩していたが、会合では、中国訪問の感想や政局の見通しなどもよく口にしていた。山形県鶴岡市出身だったが、学校は都立日比谷高校、東大出身で都会っ子と田舎風の雰囲気を合わせ…

国民、企業心理に心づかいを

政府・日銀の財政・金融政策は、本当に正しい道を突き進んでいるのだろうか。黒田日銀総裁が登場して大胆な金融緩和策を実行したため、一時は1ドル=80円割れしていた円高は、あっという間に円安に転じた。その後も黒田日銀は大幅な金融緩和を続行、ついに…

"風車のお百合"の次の手は?

”風車のお百合”が、逆風を活用して都知事選で圧勝した。「風車は逆風が吹くとよく回るんですよ」と、選挙後にニッコリ。ただ、投票日間近になると自民党の組織力がフル回転していたから、内心は落ち着かなかっただろう。 それにしても小池氏の戦いぶりは見事…

恥ずかしい政党力

参院選はさっぱり燃えなかったが、都知事選はなかなかエキサイティングだ。火付け役は小池百合子衆院議員の突然の出馬宣言だった。 テレビ東京の番組で人気キャスターの座を突然捨て、細川護熙氏が立ち上げた日本新党の国会議員へ転進。その後、小沢一郎氏の…

よみがえってきた ”ばんえい競馬”

一時は消滅かといわれた”ばんえい競馬”が再び人気を盛り返しているという。妻と娘も北海道へ行くとしょっちゅう立ち寄るようだ。 ばんえい競馬は、カッコヨク走るサラブレッドの競馬レースとはまったく違い、足の太いずんぐりした巨大な農耕馬が700キロ近い…

温暖化対策で航空運賃も?

5月に早くも真夏日を記録するなど日本の気候はますます異常になっている。ムシムシした梅雨の季節の後、今年はどんな夏を迎えるのだろうか。 地球温暖化問題は日本だけの問題ではない。ことしの伊勢志摩サミットでは、主要7カ国(G7)が国際的な地球温暖化対…

離脱すれば一流半国に

イギリスはEU離脱を選択するのだろうか──その国民投票が6月23日に行われる。常識的には離脱はないし、私も「離脱すべきでない」と考える。 産業界や金融界は当然ながらEU残留を支持。最近ロンドン市長に当選したイスラム教徒のサディク・カーン氏も残留派だ…

サミットは実質崩壊へ  安倍訪欧も実らず

安倍首相は5月26~27日の伊勢志摩サミット根回しのためヨーロッパを駆け足でまわった。本当に海外首脳と会うのが好きになったようで、もう趣味といってよいほどだ。日本の首脳はこれまで引っ込み思案だったので足腰軽く1週間弱で数カ国をまわって顔をつきあ…

問われているのは法令違反より〝徳〟

パナマ文書をめぐって各国首脳や大企業、富豪たちがあわてふためいている。日本人や日本の企業名はまだ出てきていないが、租税回避地はパナマだけではない。 たとえばケイマン諸島なども有名だし、ヨーロッパにもタックスヘイブン(租税回避)的な機能、機構…

手玉にとられた? シャープ

3月末、シャープが台湾の鴻海精密工業に正式に買収されるとわかったとき、救済にかかわってきた日本側関係者は肩を落とした。シャープが鴻海に手玉をとられるようにして買いたたかれる結果となったからだ。「鴻海は全く信用できない」と怨嗟の声があがったも…

新潟地震に遭遇して感じた「人と国土」

スタッフです。この度の熊本県を中心とする地震により亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げます。被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げるとともに、皆様の安全と被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。 19日のTBSラジオ「森本…

日本生かせ アイデアはある

「保育園落ちた。日本死ね」「1億総活躍社会じゃねーのかよ」 春の新学期を前に公立の保育園に入れない乳幼児がことしも多い。「子育て支援」「日本人1億人が総活躍できる社会に…」などと政府のスローガンは華々しいが、現実は合格できても家から遠く送迎が…

カタストロフィに備えよ

「メキシコからの移民流入を防ぐため、国境に壁をつくる」──。共和党の大統領候補の最有力者・ドナルド・トランプ氏は激しい主張で有名だが、右の発言はその象徴的なものだろう。ベルリンの壁を想起させることを声高に叫んで、注目を引き人気を高めてゆくア…

都立戸山高校卒、 古稀の人々の戦後70年論

先日、都立戸山高校卒業の友人から『私たちの〝戦争〟体験』と題する約160ページの小冊子をもらった。1962年に高校を卒業し、1943、44年に生まれた世代だから、断片的体験記憶だけで、ほとんどは敗戦直後の荒廃した日本の光景と幼児時代の思い出や親、兄姉な…

面妖な閣僚らの疑惑

千葉県の建設会社が甘利明前経済再生担当相の秘書、事務所に〝口利き〟を頼んだとする事件は〝いまどきこんなことをまだ行っていたのか〟と、あらためて日本の政治土壌のひどさを国民に印象づけた。 建設会社は「独立行政法人都市再生機構(UR)」と道路建設…

「中台関係は現状維持」で存在感も

台湾の総統選で最大野党・民進党の蔡英文主席(59)が、ほぼダブルスコアで8年間政権を握っていた朱立倫・国民党主席(54)を敗り政権を取り戻した。台湾史上、初の女性宰相の誕生だ。ふっくらとした容ぼうで、その笑顔は親しみを感じさせるおばさんだ。台北…

アジア太平洋を巡るグレートゲームの開始

2016年の世界と日本、あるいは国際情勢と日本、天変地異などがどう動くか──何とも読み解き難い年だ。 まずアメリカと中国の太平洋を巡る陣取り合戦。初手は日本がアメリカとうまくTPP(環太平洋経済連携協定)の大筋合意をまとめ上げ、中国が根回しをしてい…

ゴキブリから守ってくれるアースの和風美人研究者

アース製薬の研究所で働く有吉立さんは、ゆったりと物静かにしゃべる30歳代の美人だ。職場は兵庫県赤穂市の生物研究棟。この棟ではハエや蚊、カメムシ、ゴキブリなど何と100種類の虫を飼育している。殺虫剤などの薬を作るための飼育棟6人の1人だ。 なかでも…

爆買いが変える通貨や規制

中国の存在感がまた一段と高まりそうだ。中国の通貨である「元」が、国際主要通貨として認められるためだ。国際通貨基金(IMF)が、加盟国に配る「特別引出し権(SDR)」の構成通貨に人民元を採用、その構成比率は日・英を抜いて第三位となる。 2015年の主要…

尋常でないフランスの怒り

フランスの怒りようがすさまじい。パリ同時多発テロに襲われたフランスは11月19日、「イスラム国」との戦いに各国が立ち上がる決意を示すよう国連安保理の理事会に決議案を提出。さらにフランス国民議会(下院)は同日、非常事態を3カ月延長する法案を可決し…

親日イスラム国カトウタキ

「加藤タキ」が中央アジア5カ国名を覚えるコツだという。カはカザフスタン、トはトルクメニスタン、ウはウズベキスタン、タはタジキスタン、キはキルギス。 その中央アジア5カ国を安倍首相夫妻と関係企業、団体など約50組織が初めて訪問し、「日本もようやく…

信念と地道な努力の二人

祖母は「智、一番大事なことは人のためになること。これは心がけなさいよと、繰り返し言われ続けました」。 ノーベル医学生理学賞を受賞した大村智さん(80)は決して世にいうエリートではない。地方の山梨大学学芸学部を卒業後は都立墨田工業高校の定時制の…

TPP決着で勝つ道探れ

TPP(環太平洋経済連携協定)がやっと大筋合意に達した。これにより国内総生産(GDP)で世界の4割近くを占める大経済圏がアジア太平洋地域に生まれる可能性ができた。中国もTPPとは別に東南アジア、日本、韓国などを含む経済協定をもくろんでいるが、TPPはギ…

ラグビー対南ア戦の興奮

久しぶりに興奮し涙した。ラグビー・ワールドカップ初戦の日本対南アフリカ戦だ。南アフリカは世界ランク3位、日本は12位。その体格の相違と精悍な面魂に「これはやはり勝てないな」と思ってしまう。 スタートは五郎丸のキックでリードして始まった。だがす…

地に落ちた東京五輪評判

2020年・東京オリンピックのイメージが日毎に低落している。新国立競技場建設が白紙に戻っただけでなく、オリンピックのエンブレム(紋章)デザインも盗作疑惑で、再公募することになった。「オモテナシ」のキーワードでお祭り騒ぎとなった東京五輪の招致が…