時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

コラム(電気新聞)

独裁者好みのトランプ大統領 

最近、国際社会でまた独裁的政権が目立ってきた。カンボジアでは7月29日の総選挙でフンセン首相が率いる与党・人民党が全議席を獲得したと発表、完全な一党独裁国家となった。カンボジアは自国民を虐殺したポルポト派の長い支配の末、1993年に国連の下で総選…

五輪の日程変更を! 

全国で猛暑が止まらない。7月23日は埼玉県熊谷市で観測史上最高の41.1度を記録。23日までに熱中症で亡くなった人は少なくても30都道府県で94人(毎日新聞)、救急搬送者は16~22日の1週間で2万2647人に上った。 各紙の見出しも「異次元猛暑 深刻」「気象庁 …

EVによる自動車革命 

電機メーカーのパナソニックが電機自動車(EV)分野に参入することになった。パナソニック(旧松下電器産業)といえば、戦前から家電製品を手掛け、電機業界の雄にのし上がってきた企業だ。戦前の二股ソケットの開発から始まり、戦後はラジオ、電気洗濯機、…

急増する外国人労働者 

日本で働く外国人労働者が昨年過去最高となった。厚生労働省によると、2017年10月末に外国人労働者数が128万人になり、日本の総雇用者総数の約2%を占める水準になったという。特にこの5年間で急増し、60万人に及んでいる。 外国人労働者の受け入れについて…

流通を変えるネット通販 

ネット通販(電子商取引、eコマース)が爆発的に伸びている。日本のネット通販の大手3社(アマゾン・ジャパン、ヤフー、楽天)の販売額は2017年に6兆7千億円に達し、全国百貨店の6兆円を初めて抜いた。拡大は依然続いており、スーパー、コンビニを追い上げ、…

仮想通貨の危うさ

ブームに沸いていた仮想通貨で580億円の資金流出(被害)が出て、一挙に仮想通貨への関心と不信が高まっている。2016年に香港、17年に韓国でもハッキングやサイバー攻撃で100億近い流出事件が起きており、いずれ日本でも狙われるとみられていたが、十数分で5…

日本は環境後進国に?  

かつて環境先進国といわれた日本が、いまや後進国の地位に甘んじている。経済先進国の集まる経済協力開発機構(OECD)35ヵ国の中でも、いまや最下位クラスだし、他の基準をとっても日本は決して上位にはない。 例えばエール大学などが出している環境パフォーマ…

不思議な安倍長期政権

安倍政権は、よく考えてみると奇妙な政権だ。このまま順調に推移すれば10年近くも続く長期政権となり、むろん戦後政治では前代未聞だ。 ではどこが安倍政権の“魅力”なのかと問われると頭を抱えてしまう。経済成長は“いざなぎ”を超えたというが1~2%の低成長…

新産業革命をおこすEV

世界で初めて電気自動車(EV)が走ったのは、何と180年以上前の1830年代とされる。多分、遊園地で走っているゴーカートやゴルフ場のゴルフカートのようなものだったに違いない。電気モーターをのせて動力源にすれば簡単に走れたのだ。ゴーカートやゴルフカー…

進次郎とポスト安倍

安倍首相からすっかりオーラが無くなった。7月の国会閉会中の集中審議審査で、一強体制時代に放っていた自信たっぷりの物言いが完全に影をひそめてしまった。 私は昨年から「安倍政権はピークを過ぎた」と何度か私のコラム(嶌信彦オフィシャルサイト「時代…

カタールの嵐

中東・湾岸地域の情勢は、ちょっと目を離すと複雑化、混迷化し、わけがわからなくなる。最近の注目はカタールだ。 カタールはアラビア半島東部に位置しサウジアラビアからアラビア湾に突き出ている秋田県並みの面積を持つ小国。日本人には1993年のサッカー・…

大企業は日本ベンチャーに注目

日本の大企業が国内のユニークなベンチャー企業に目をつけM&A(買収・吸収合併)に走っている。大企業の海外企業へのM&Aは、ここ10年で急速に拡大しており、最近は海外だけでなく国内の特色を持った将来性のあるベンチャー企業を物色しはじめたのだ。 …

消費不況は企業の怠慢

高成長の足がかりをつかみ始めた1960年代以降、若者も大人も主婦たちにとっても欲しい商品はいくらでもあった。若者はバイクやクルマに目がなかったし、サラリーマンは時計やカバン、靴などのおしゃれに気を使った。主婦たちは電気冷蔵庫、洗濯機、掃除機、…

トランプ登場

アメリカの新大統領にトランプ氏が就任した。政治、軍隊の経験がない不動産王あがりの人物である。ビジネスの駆け引きはうまいとされるが、世界をどう引っ張ろうとしているのか、未知の部分が多く不安定な時代に入りつつある。 大統領選挙に当選した直後から…

環境先進国からの脱落

年々、地球が温暖化に向かっていることは、今や誰もが感じている。今年などは5月頃から真夏日並みの暑さが続き、いやが応にも気候変動の異常さを身に沁みて思い知った。 これまで日本は、一応”環境先進国”として自らを位置づけてきた。現在の地球温暖化対策…

多すぎないか祝祭日

最近、祝日や連休がやたらに増えてきた。働き盛りの頃やサラリーマンにとっては休日の増加は嬉しく感ずるが、現代の中小・零細企業やシニア、主婦層にとってはどうなのだろうか。 先日、ある零細企業主と話していたら「こう休みが多くては商売あがったりだ」…

一体感で生まれる五輪魂

リオのオリンピックが終わり、暑い夏も峠を越えてきた。オリンピックは、熱心に見ていたわけではないが、柔道や女子の卓球、男子体操などの競技に感動するものがあり、そこにはいくつかの共通点を感じた。 オリンピック競技で最初に強烈な印象をもったのは男…

ジョン・ブルの賭けは?   

イギリスは、結局欧州連合(EU)からの離脱を選択した。キャメロン首相や経済界、特に世界の中心的存在であるシティ(金融街)などはEU残留を訴えていただけに、その衝撃はイギリス、EUだけでなく世界を揺るがせた。 経済的損失からみる限り、離脱はイギ…

科学信仰と職人業(わざ)

最近の日本はITやスペース(宇宙)、三次元製造など新しい技術が次々と紹介され、その素晴しさに目の色を変えて追い抜こうとしているようにみえる。その半面で昔ながらの町工場の技術を軽んじる風潮が目につく。 たしかにいま流行の最先端技術は「えっ」と驚…

ベルギーテロと東京

ベルギーの首都・ブリュッセルがテロの標的にされた。ベルギーの人口は約1100万人とヨーロッパの中では小国だし、ブリュッセルも120万人で大都市というほどではない。ただブリュッセルの約7割は移民やその子孫で、約2割がイスラム教徒とされる。移民政策には…

マイナス金利は有効か?

銀行に預金すれば、預金金利分を元本以外にもらえるのが世界の金融の常識だった。ところが預金すると預金者の方が銀行に金利分を支払うというこれまでにない非常識の事態が世界でおこっている。 日銀の黒田総裁は史上初のマイナス金利の導入を発表した1月29…

深みなかった戦後70年論

戦後70年にあたる2015年がまもなく終わる。今年は、いつになく戦後日本を総括する文章が識者によって書かれ、70年の意義と今後の未来を語った。 しかし、どれも消化不良でストンと胸に落ちる論がなかったように思う。世界は一段と混乱を深めてきたし、日本の…

仰天? 英・中原子力協力

イギリス(英)やフランス(仏)が、中国の提唱したアジアインフラ投資銀行(AIIB)の参加にあっという間もなく支持した時には、びっくりした。仏は、かつての共産党幹部の多くが留学していたからまだ中仏の絆は強く残っているのだな、と思ったがドイツ…

魂を吹き込む

先日、文楽の世界で人間国宝の初代・故吉田玉男さんの後を継いだ二代目・吉田玉男さん(襲名前は吉田玉女(たまめ))をインタビューする機会を得た。文楽は気になる存在だったが、実際に見たのは10年以上前に一、二度あるだけだった。歌舞伎と似た演目を人形…

寒々しい五輪風景

画像は槇文彦氏サイト より 槇文彦氏(86)。新国立競技場の計画を白紙に戻させた話題の人だ。政治とほぼ無縁で、建築家として世界的に有名な槇氏が新国立競技場の建設に対し異議申し立てをしたのは2014年だった。その後も一貫した立場を貫いてきただけに、紳…

インフラと安保も

アジアへのインフラ投資競争が過熱してきた。中国が「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」の設立構想を発表し、設立時の資本金は当初予定の2倍となる1000億㌦(約12兆円)。中国の出資比率は参加表明国57ヵ国中最大の約30%を持ち、出資比率に応じた議決権を持…

時には辛口の助言も 

アメリカは時代を引っ張れなくなっただけでなく、遅れ始めたのだろうか。例えば大々的に報じられたオバマ大統領とキューバのラウル・カストロ議長の握手だ。両国の国交断絶から約50年ぶりの首脳会談のニュースに興奮した人々は少なかったのではないか。 レー…

次はクルド人独立か

イラク北部に最大の油田・キルクークがある。私は1980年7月にイラクを訪問した際、有名なキルクーク油田も見学した。遠景ではあったが油田の火がチロチロと燃え上っているのが見えた。キルクークはクルド人居住区にあったが、当時はフセイン元大統領の最盛期…

トルドー加首相の怒り

「カナダが招かれないということはINSULTING(侮辱的)だ」(1月16日付朝日新聞) これは先日公開された外交文書の中のひとつに出てきたものだ。発言者は1975年11月当時のトルドー・カナダ首相である。 トルドー首相が怒ったのは、第1回主要国首脳会議の参加…

首脳会合の裏側

11月前半は、アジア太平洋地域で様々な首脳会合が続いた。APEC、ASEAN、G20首脳会議などで日本の安倍首相はそのすべてに参加していた。 私もこれまでにサミットをはじめIMF、気候変動会議など国際会議の現場を数十回にわたって取材し立ち会ってきたので、い…