時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

コラム(Japan In-depth)

日本での首脳会談はリスク大か

1984年のロンドンサミットでの日本の記者会見の模様(Trust House Foete / 第二次中曽根内閣時代)前列左から二番目が安倍晋太郎氏 安倍晋三・元首相が約10メートルの至近距離の背後から銃撃され亡くなってから1週間が過ぎた。つい先日まで日本で最長の現役…

香港つぶれた後、出現するか第二の金融都市

香港行政長官の選挙での演説(李家超氏Facebookより) 香港政府トップの行政長官に7月1日から、警察出身で強硬派として知られる李家超(ジョン・リー)氏(64)が就任する。李氏は中国の習近平政権が唯一立候補を認めた人物で、警察出身者が行政長官に就任す…

台頭する中国式経済競争の脅威

アメリカ合衆国国務省 (United States Department of State) 民主主義サミットページより 民主主義が危機的状況になりつつある?ー 最近アメリカを中心に欧州などの民主国家から「民主主義が警戒すべき挑戦に直面している」という声が強まっている。 民主主…

周辺国の属国化狙うプーチンの異常

ソビエト連邦構成共和国の地図 ウクライナを攻撃しているロシアの大統領・プーチンの異常さが目立ってきた。ウクライナの欧州最大規模のザポロジェ原発を攻撃し制圧。病院、学校、一般住宅を爆撃し死傷者を生み出し、燃料気化爆弾やクラスター爆弾の使用など…

新しい資本主義は感染症に勝てるか

「新しい資本主義」――心地よい響きを持った言葉だ。岸田文雄・新首相は、去年10月の初の首相所信表明演説で「私が目指すのは、新しい資本主義の実現です。日本も新しい資本主義を起動し実現していこうではありませんか。“成長と分配の好循環”と“コロナ後の新…

経済力競争軸の“米中”新時代に突入「2022年を占う!」国際政治

2022年の世界の動きを見る上で、最も気になる国は中国だろう。習近平総書記は、昨年7月の中国共産党結党100周年の演説以来、再三にわたり高圧的態度で中国を誇示し、中国の“強国路線”を強調してきた。 「我々をいじめ服従させ、奴隷にしようとする外国勢力を…

1ドル=360円が変わった日

第二次大戦後の世界の通貨体制は、アメリカのブレトンウッズ会議で合意をみて「ブレトンウッズ体制」と呼ばれていた。アメリカは金1オンスを35ドルとし、35ドルを持ってくれば金1オンスと交換するとしていた。通常の貿易取引などはドルで行なわれていたが、…

放映権料に負けた五輪委員会 期間中に感染者急増

2021年の東京五輪はコロナが世界で蔓延する中で、様々な問題を残しながらも、とにかく閉幕した。過去最多の33競技、339種目が酷暑の季節の中で実施され、感染爆発が起きて医療崩壊寸前という異様な状況の中で強行された。 大会中の7月28日、新型コロナウイル…

混乱アフガン、バイデン米大統領苦境

アフガニスタンの旧支配政権タリバンが、20年ぶりに米英などの後方支援を受けていたガニ大統領率いるアフガン政権を崩壊させてから1週間経った。しかしタリバン新政権も15日に勝利宣言をしたものの統治と新方針が定まらず混乱を極めている。欧米の支援国は次…

それでもオリンピックを強行するのか

「人類が新型コロナウイルス感染症に打ち勝った証として、完全な形で東京五輪・パラリンピックを開催する」――昨年3月24日、大会の一年延期を決めた後、安倍首相はコロナ禍で東京五輪を開く意義を記者団に説明した。この時点では、1年も延期すればその時点で…

菅内閣支持率最低に 短命政権の可能性強まる

菅義偉内閣の支持率が5月にまた急落した。最近発表された6月の支持率もほぼ急落のままだ。昨年9月に政権がスタートしてから支持率は低落を続け、5月の世論調査では政権発足以降で最低となった。また東京オリンピック・パラリンピックについても「中止または…

コロナ拡大でも五輪?橋本聖子会長は英断を!

いまや東京五輪、パラリンピックの7月開催を1日も早く中止すると日本は宣言すべきではないか。すでに日本政府と東京都、大会組織委員会は、今年3月に海外からの一般観客の受け入れ中止を決めている。観客を国内に限定し、観客数の上限も決めるというが、もは…

さらばトランプ主義 バイデン国際協調へ

アメリカのバイデン新大統領(78)が就任してから二ヵ月になる。トランプ前大統領は、アメリカの利益を最優先する“アメリカ第一主義”を掲げ、国際条約や国際機関からの一方的な脱退を宣言した。その結果、アメリカ社会の内側や国際社会との分断が進みアメリ…

ミャンマークーデター、日本の役割は

ヤンゴン旧市街 ミャンマー国軍が2月1日、クーデターを起こし、政権を率いるアウンサンスーチー国家顧問兼外相ら政府与党の幹部を拘束した。国軍最高司令官のミンアウンフライン氏が軍政の最高意思決定機関を設置して自ら議長に就任し、体制作りを進めている…

東南アジア外交重視を【2021年を占う!】日本外交

「アメリカ第一」を唱えたトランプ政権時代は、過去のアメリカが世界をリードしてきた国際条約や国際機関から次々と脱退し、世界の同盟国を困惑させてきた。 特に地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」や世界保健機関(WHO)からの一方的離脱、イランとの…

日対中で緊迫化 東南アジア外交

アメリカの大統領は、1月下旬に共和党のトランプ氏から民主党のバイデン元副大統領に交代することになった。ほぼ時を同じくして日本では、安倍晋三前首相からその安倍氏の下で約8年間にわたり官房長官を務めた菅義偉氏が新首相の座についた。 トランプ大統領…

国家観、自らの言葉で【菅政権に問う】

案の定、菅首相が日本学術会議の新会員6人を任命拒否した問題が大ごとになってきている。菅首相は、「民間出身者や若手が少なく、出身や大学にも偏りが見られることも踏まえ、多様性が大事だということを念頭に私が判断した」(10月28日の衆院本会議)と述べ…

CO2排出問題で出遅れる日本 ―米大統領選で風向きの変化も―                  

気候変動問題が再び世界の大きな争点になってきた。中国は最近、「2060年までに温室効果ガスの実質的排出量をゼロにする」と宣言したのに対し、アメリカのトランプ大統領は温暖化対策を決めた「パリ協定」の国際ルールからの離脱を表明し、真っ向から対立し…

コロナとインフルに対応できるか

細胞表面から新型コロナウイルスが出芽する瞬間の走査型電子顕微鏡写真(東京都健康安全研究センター) 新型コロナウイルスの感染症が収束をみないうちにインフルエンザの季節がやってくる。二つの病気は症状が似ているといわれるが、コロナのワクチンはまだ…

漢字文化圏を盛り立てる日本

外国人にとって「日本語は難しい」という。日本語を学ぶには「読み」「書き」「話す」が必要になるが、外国人は「話す」ことはできるが「読む」「書く」となると、漢字をこなすことができないのでカベにぶつかるらしい。日本語がペラペラのあるヨーロッパ人…

脱炭素に出遅れた日本の苦悩

国際的公益を目指す国際社会の動きに逆らったり、戸惑ったりしていると、後になってそのツケは大きくまわってくるものだ。日本が国際交易の流れを軽視していたため、いま苦しんでいるのが石炭火力発電所の休廃止問題である。 石炭火力発電の国際評価は2007年…

前途多難な日産自動車の再生

「利益を出していくことが難しくなった。拡大路線の失敗を認め、選択と集中を今後の経営の柱とする」 名門・日産自動車は2020年3月期決算で6712億円の最終赤字を出した。カルロス・ゴーン前会長は20年前に大幅なリストラと拡大路線で日産を一時急回復させた…

ウイルス感染症に鈍い政府の反応

安倍首相会見(首相官邸ホームページ) 安倍首相は5月4日、全国を対象とした非常事態宣言の期限を6日から5月31日まで延長すると発表した。予定通り緊急事態を終えられなかったことに対し「1か月で終息する、終えるということを目指しておりましたが、残念な…

新型コロナで独居高齢者孤立

「お年寄りが一番危険。特に持病を持っている方は無理をせずゆったり生活した方が安全です」新型コロナウイルス感染症が発生し始めた当初は、世代的に60代後半以降のお年寄りがウイルスに侵されやすいといわれた。ただ最近は、若者や幼年者にもコロナウイル…

京大総長が説く ゴリラに学べ

京都大学総長の山極壽一さんは、ゴリラ研究の第一人者にして世界的権威だ。大学の学長といえば多くが法学部、経済学部、文学部、工学部などの出身者に限られているが、山極さんは霊長類・人類学などを専門とし40年間にわたりアフリカでゴリラの研究を続けて…

曲がり角に来たコンビニ業界

生活に欠かせないインフラとして成長、発展してきたコンビニが、昨年末に初めて店舗が減少に転じた。少子高齢化、人口減少の進行とともにコンビニの出店も頭打ちとなってきたのだ。コンビニが登場してから50年近くになり、街の風景や人々のライフスタイルま…

真夏五輪「暑さ指数」最悪に

マラソンはオリンピックの花だ。オリンピックの最終日、42.195kmを走り抜いたマラソン選手がゴールの新国立競技場に姿を見せると、観衆は総立ちになって拍手で選手を迎える。特に日本人はマラソンに強く、思い入れが深い。過去にいくつも名勝負があり、忘れ…

信用を無残に砕いた関西電力

関西電力の会長らトップ経営陣20人が、福井県高浜町の元助役(故人)から3億2千万円相当の金品を受け取っていた事実には、唖然として声も出ない。電力会社の企業モラルは一体どうして変貌してしまったのだろうか。賛否の激しい原子力発電を扱う電力会社は、…

【ウズベキスタン協会20周年記念旅行】急成長ウズベキスタン訪問記―皆さん大満足の旅だった!― 

青の都、サマルカンドの美しいモスク 中央アジアのウズベキスタンへ行ってきた。今回は私が会長を務める『NPO法人日本ウズベキスタン協会』の20周年記念旅行で、9月6日から13日までの8日間の訪問だった。会員と一般募集で募った約30人が参加し、和気藹々の実…

日韓関係はなぜこじれるのか

日本は7月に入り韓国向け半導体部品などの輸出規制に踏み切り8月2日に閣議決定した。西村康稔官房副長官は「今回の措置は安全保障を目的とした輸出管理制度の適切な運営のための必要な見直しだ」と延べ、国際ルールに則った輸出管理の適正化だと強調した。 …

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日本人の覚悟

日本人の覚悟―成熟経済を超える

(実業之日本社)
【著】嶌 信彦


日本の「世界商品」力

日本の『世界商品』力

(集英社新書)
【著】嶌 信彦

     
首脳外交

首脳外交-先進国サミットの裏面史

(文春新書)
【著】嶌 信彦


 
嶌信彦の一筆入魂

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(財界研究所)
【著】嶌 信彦


ニュースキャスターたちの24時間

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(講談社)
【著】嶌 信彦
       

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