時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

コラム(TSR情報)

ネット通販が変える小売・物流 働き方、社会を変える

ここ10年で商品の流通、広告、販売の流れが大きく変わり、小売業界や物流業界に大変動が起きている。その先頭を走っているのが「アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)」だろう。 書籍を買いたいとき、アマゾンにアクセスすれば、たちどころに買いたい本の価…

トルクメニスタン訪問記 天然ガス輸出で潤う国

先日、国際交流基金の要請で中央アジアのトルクメニスタンを訪問した。文化交流の名目で市内を見学するとともに、美術学校、美術館、科学アカデミー、絨毯博物館、ミニファッションショーなどを見学させてもらった。 そのほか、日本との外交関係樹立25周年の…

東芝の凋落に何を学ぶか M&A経営の落とし穴

東芝の凋落は、産業界だけでなく世間一般にも大きな衝撃を与えている。折り紙つきの超優良企業とみられていても、経営判断のミスからあっという間に転落してしまう事実をまざまざと見せつけたからだ。 東芝といえば、テレビや半導体、重電機、軍事・防衛関連…

解体的運命となった東芝 今後の収益を何に見出すか

東芝が重篤な危機に陥ることがあるなどと、一体誰が予想し得ただろうか。1875年(明治8年)7月に創業され、資本金2000億円、連結売上高5兆7,000億円、従業員数約18万8,000人(単体では3万6,601人)の巨大重電企業である。 ――カラクリ技術の歴史をもつ名門企…

日・露外交の失敗 ――甘い見通しがあだに・・・――

安倍首相が今年の最大の外交課題、交渉として力を入れてきたのが日露問題だった。北方領土の返還(歯舞、色丹の2島先行返還)、日露平和条約の締結が目標だった。一時は安倍政権も好感触を得ていたようで、国民に期待を抱かせるような言動をみせていたが、結…

アメリカのTPP離脱の衝撃 ~中国寄り協定で妥協するのか~

ゴール直前でTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が座礁した。アメリカの新大統領ドナルド・トランプ氏が当選直後にTPP離脱方針を明言したからだ。トランプ氏の大統領就任は来年の1月20日。オバマ大統領としては残る2ヶ月余の任期中に議会から承認を得たいと…

日本は解散が多すぎる ―国会で重要課題をゆっくり議論されない―

日本では国政選挙(衆院と参院)が多すぎないだろうか。先日も東京と福岡で補欠選挙があったし、年末・年始あたりにかけ総選挙実施の噂も飛びかっている。選挙は国民の「民意」を問うことになるので決して悪いことではないが、最近の日本の選挙を見ていると…

世界で相次ぐ強権政治の登場

――ポピュリズムで支持率は高騰―― 世界のさまざまな地域で“強権支配”が広がりつつある。ロシアのプーチン政権、中国の習近平政権、トルコのエルドアン政権、フィリピンのドゥテルテ政権、あるいは日本の安倍政権もその中に入りつつあるのかもしれない。しかし…

日本は1000年ぶりの地質大変動時代に! ―2030年代に再び巨大地震か―

先日、火山地質学や地球変動学の権威である京都大学大学院教授・鎌田浩毅氏にお会いして最近の地震や火山爆発などの話を伺った。 まず、鎌田教授の服装にびっくりさせられた。カーキ色のジャンパーのような上着に火山を思わすような真っ赤な図柄が描かれ、上…

国の成熟度試されるパラリンピック ―20年五輪は何をめざすのか―

Paralympics Closing Ceremony Fireworks / carlbob 2020年の東京オリンピックをめぐる相次ぐ不祥事が次々と明るみに出ている。しかし、パラリンピックの話題は活躍しそうな一部の選手のことが時々報道されるだけだ。たが、近年は“オリンピック・パラリンピ…

中央アジアに注がれる熱視線 近く人口1億人の市場に

紀元前の時代に、古代ローマと中国の長安などを結ぶ東西の交易路がシルクロードだった。中国で産出される絹は、ヨーロッパでは手に入らない貴重な製品だったので、“絹の道”と呼ばれたのである。後年、三蔵法師(玄奘)がインドからこの絹の道を通って仏典を…

東南アジアで急伸するネット通販―日本は完全に出遅れ―

中国人訪日客の“爆買い”をきっかけに、日本商品の中国通販サイトのビジネスも急速に伸びている。日本に来た中国人買い物客が日本の品物の品質、安全性、価格などを知って、帰国した後も通販を通じて日本商品を買う人が急増しているのだ。来日して日本商品の…

中国経済の実態と今後 ―第13次5カ年計画を読む―

中国の経済は本当に大丈夫なのか?一党独裁で市場経済に参入している国なので、謎が多く、本当のところがよくわかりにくい。しかし今や中国の経済動向が世界経済を左右しているのも現実なのだ。そこで今回は、さまざまな数字や証言から今の中国経済にできる…

中東・石油の焦点はサウジからイランへ

――サウジも減産で自らのクビをしめた―― 原油安がまだ止まらない。2008年に1バレル=150ドル近辺まで上昇していた原油価格は、現在5分の1、約30ドルまで落ち込み、直近では29ドル台まで落ちた。原油安は消費国にとって朗報だが、急落と先の見通しがつかない場…

カタストロフィーの予感!?

――世界の各地で起きているさまざまな事件―― 今年に入って、本格的に“中国リスク”が世界でささやかれ始めた。世界の資源、商品などをガブ飲みしてきた中国が、ここにきて急に「もうお腹はいっぱい」とばかりに“輸入力”を急速に落とし始めているのだ。その影響…

消費税は鬼門ではない

――公平、公正、簡素、赤字解消の基本に戻れ―― 税金――とりわけ消費税は国民一人一人の毎日の生活にかかわってくる税金だけに国民の関心はどこでも高い。それだけに、税金に対する基本的な哲学、考え方を国民が共有しておくことが重要になってくる。 税の基本…

アメリカ企業を抜く時は要注意  国益も絡むVW問題

「あのフォルクスワーゲン(以下VW)が不正か」と報道されたとき、世界中の誰もが耳を疑った。VWと言えば、ドイツを代表する自動車大手で世界でも人気車種だ。かぶと虫を連想させる初代タイプのビートルのほかゴルフ、パサートなどに加えて近年はアウディや…

TSR情報で「日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた」が紹介されました

スタッフです。 東京商工リサーチ社が発行する「TSR情報」の10月20日号で嶌の新刊ノンフィクション「日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた」(9月30日角川書店より発売)が紹介されました。 「TSR情報」は1952年(昭和27年)3月5日に創刊された日…

「戦後70年の日本」は転換期 強引な安倍政治に不安漂う

戦後70年で燃えた暑い夏も、結局安倍内閣が安保法制を強行採決にもっていき可決してしまった。国民の60~80%が「法案内容の議論はよく理解できないし、今回の安保法制の改定には賛成できない」と世論調査の結果として出ていたが、自公与党は聞く耳を持たなか…

貧困層ビジネスの可能性

――インド財閥系企業の高成長―― 1日200円以下で暮らす人々の層のことを低所得層、貧困層と呼んでいる。人口ピラミッドの底辺にあたることからBase Of Pyramid(BOP)とも呼ばれている。その数は世界人口の7割を超え40億人とされる。考えてみれば、所得は低い…

中国経済は大丈夫か 株価、住宅、消費――下支え効かず?

中国経済が変調をきたしている。そのシンボリックな経済の動きが、まず株価の下落だ。上海総合指数は、7月上旬までに1カ月間で約30%安となり、日本を含むアジア周辺国まで株安に巻き込まれた。あわてた中国政府は、株価下落を支えるため昨年から4回の追加利…

~LCC活用の地方観光政策を~ ――海外LCCが続々地方空港利用――

――来日客が増加―― 日本が“失われた10年”と言われた90年代末頃から、私は「日本はもっと観光に力を入れて外国人訪問客を迎え入れ、外貨を稼ぐべきだ」と、この欄でも何度か提言してきた。 日本の観光客は海外にどんどん出かけ、買い物を楽しんでくるが、海外…

~大学とベンチャーキャンピタルの結合を!~ ―日本のイノベーションの鍵握る―

――アメリカのベンチャー―― 日本の経済にいま一番求められているのは、新しい産業をおこすイノベーションの力だ。アメリカは冷戦終結後、軍事技術の開放などからIT、バイオ、エネルギーなどの分野で次々と新しい産業がおこり、アップルやグーグル、シェールガ…

~松下幸之助の「不況克服の知恵」を読む~ ―“心得10カ条”を再録―

先日、書棚を整理していたら松下幸之助氏の「不況克服の知恵」というPHPビジネスレビュー特別版が出てきた。発行日をみたら2009年2月だから、2008年のリーマン・ショック不況に世界中が悩んでいた真っ最中の頃だ。 幸之助は1894年(明治27年)生まれで、1989…

国内回帰ブームを作ろう

――人件費コストだけではない競争条件―― 私は以前から主張してきたが、技術開発志向、高品質生産、職場環境や従業員を大事にしたい日本企業や外資系企業は、もっと国内回帰、対日投資をすべきだろう。最近、円高是正で国内へ生産を戻す企業が増えてきたが、も…

百貨店は栄光を取り戻せるか 三越・伊勢丹グループの大西戦略

私のようなシニア世代にとって、デパート・百貨店は、幼少期時代のハレの舞台、店だった。私は、東京・大田区の池上線沿線に住んでいたが、近所のお店といえば八百屋、肉屋、魚屋、米屋、駄菓子屋、牛乳店、文房具店、理髪店、雑貨店、小さな洋服店などだっ…

次世代の工作機・3Dプリンター 金型生産時代に変わる?

3D(スリーディー=三次元)プリンターという言葉が、今メーカーの間で注目されている。今年のアメリカ一般教書の中でオバマ大統領が「ものづくりに革命をもたらすツールになる」と述べたこともあって一層話題になった。 東京ビッグサイトで秋に開催された日…

~銀座を追う日本橋、丸の内~ ――銀座に危機感広がる?――

2020年の東京オリンピックをめがけて、都内、特に日本橋、銀座、丸の内(大手町)の三つの街の競争が激しくなってきた。これまで日本一のにぎわいと憧れの街は“銀座”と相場が決まっていた。しかし、いまやかつての江戸の中心街・日本橋が再び日本一を奪回し…

~2020年には5倍の売上目標~ ―オートキャンプ製品で独自の道開く―

―熱狂的ファンをもつスノーピーク― 今月も時代の流れをつかんで成長している中堅企業を紹介したい。地方の企業ながら海外の売上比率35%、2020年の連結売上目標を5倍から10倍にしたいという大目標を掲げているが、話を聞いていると決して絵空事ではないとい…

~気象情報で世界の中核会社へ~  ――ウェザーニューズ社を支えた理念――

――「海洋気象」からスタート―― 「船乗りの命を守りたい」「いざという時、人の役に立ちたい」――ウェザーニューズ社に今も脈々と受け継がれている創業者 故・石橋博良元社長の言葉であり、創業の精神である。 1970 年1 月31 日、1 万8,000 トンの貨物船「空光…

50年にわたり4800社を育成してきた会社 担保いらず、出資し上場も義務づけない

「中小企業投資育成株式会社(望月晴文社長)」という名前を聞いたことがおありだろうか。長ったらしい名前で何のひねりもなく、いかにもお役所関係と見える会社だ。実はその通りで通産省(現経済産業省)の肝入りで、1963(昭和38)年に設立された公的な出…

~成長するシルクロード経済圏~ ――新興国の人々の明るさ――

5月のG・Wをはさんで2回の海外旅行を行った。一つはシルクロードの中心地にあたり、成長めざましいウズベキスタン、もう一ヵ所が数年ぶりに訪れた北京だ。新興国は一年ごとに街の表情が変わるといわれるがウズベキスタンも中国も様変わりで、日本にはない…

ベンチャーと町工場を結ぶ科学者集団企業 ―博士と修士ばかりが集まるリバネス―

――小保方さんが提起した隠れた問題―― 小保方晴子さんのSTAP細胞問題で、はからずも明るみに出たことは、生物学な科学のことだけでなく“ポスドク”の深刻さだろう。ポスドクとは、ポスト・ドクターつまり博士号をとった後の生き方のことだ。博士号(ドクタ…

ナノテクノロジーの未来と成長 応用無限の21世紀技術の柱

ナノテクノロジー――これからの産業の主役のひとつだし、日本が得意とする技術でもある。しかしナノテクとは何か、何に使われているのか、などの実情は一般にはまだよく知られていない。 言葉だけが先行しているようにみえるナノテクの世界をみてみたい。 ――…

農業で勝てる――自由化のカベ乗り越えて 製造業も保護主義脱して強くなった

いま農業が追い風に乗っている。この機会に国をあげて風をつかみとり“農業大国・日本”の評判を築けるのか、逆にまた国内でモタモタしてチャンスを逃すのか――ここはひとつ腰を据えて“農業の日本”という新しいブランドを国際社会に名乗りあげたらどうだろうか…

西武再上場に向けて発進!? 今後の焦点は上場後の再成長計画へ

浮上してきた旧鉄道を母体とする西武ホールディングス(HD)と、沈んでしまった西武百貨店グループ。前者のオーナーだった堤義明氏は少数株主に転落、百貨店グループの総帥だった堤清二氏は昨年亡くなり、グループもほぼ解体。ともに堤家の手を離れたが、鉄…

大淘汰、M&A時代に入った中小零細企業 ~技術と企業、雇用の継承こそが日本の宝~

メディアに企業の合併、再編の報道がされるのは、いまや日常茶飯事となってきた。大手メディアに出るのは大企業、上場企業の場合がほとんどで、海外企業の動向までかなりフォローされている。 しかし、合併、再編、企業の買収(M&A)は、実は中小企業の分…

廃炉作業とは何か 小泉発言“原発ゼロ”の裏にオンカロ視察

東京電力福島第一原発の本格的廃炉作業が、11月から始まった。福島第一原発には1号機から6号機まであり、今のところ4号機までの廃炉が決まっているが、5号機、6号機も廃炉になる予定だ。今回の作業は4号機から始まった。 4号機は東日本大震災の時に定期検査…

原発問題の今後 開かれた検証、議論、国際化へ

最近また、原子力発電所を巡るニュースが目立って増えている。しかもその内容が多種多様なので国民がとまどうのではないか、と思ってしまう。政府や国会は、この辺で論議を整理して今後の原発問題を考える軸を国民に提起すべきではないか。 ――海に流れ出た汚…

大学発ベンチャーに注目を イノベーション成長戦略の宝庫?

安倍政権は、2020年の東京オリンピック招致にも成功し、今のところ順調に動いている。ただ、今後の日本を成長軌道に乗せられるかどうかは、これからが正念場だろう。 安倍政権の経済政策は“三本の矢”から成っている。第一は異次元の金融緩和方針で、これにつ…

激化しているサイバー空間の戦い ――アメリカ同時多発テロが契機に――

最近、サイバー戦争、サイバー攻撃といった言葉がメディアによく登場するようになった。6月7~8日にアメリカ・カリフォルニア州で行われた異例の米中首脳会議では「新しい大国の関係」を築くことで一致したものの、サイバー攻撃を巡る問題では激しい応酬があっ…