時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

コラム(TSR情報)

経営に魂が入っていない ―相次ぐ大手企業の不祥事―

大手企業の不正、不祥事が名門金融機関にまで広がっていた。デフレ脱却の名目で作られた国の低金利融資制度「危機対応業務」を巡り、商工中金が書類改ざんなどの不正をほぼ全店で行なっていたというのだ。商工中金の約22万件の危機対応融資のうち、約5万9,00…

EV車への大革命 ―ガソリンエンジンは時代遅れに!?―

日本はまだ圧倒的にガソリン自動車が主流で、電気自動車(EV)へ大転換する気配は見えていない。しかし世界は違う。着々とEV車へと動いており、自動車産業に革命的変化を起こす可能性すらささやかれている。日本と世界のEV車への動きはあまりにも違っている。…

―日本は戦後の第二創業に挑戦を―  中小・零細企業に期待

今年1月、私は「目指せ!第二の創業時代」というコラムを書いた(オフィシャルHPに掲載※)。第二次大戦で敗戦した直後の日本は、当時の中小・零細企業が廃墟の中から立ち上がって今日の経済大国の礎を築いた。ソニー、シャープ、松下電器(パナソニック)…

波乱含み習政権第2期 ――劉暁波氏 獄中死に批判――

秋の中国共産党大会を前に習近平政権がピリピリと神経をとがらせている。特にノーベル平和賞を受賞した人権活動家の劉暁波氏(61)が、7月13日に政府に監禁されたまま亡くなったことについて、国際社会からの批判が高まり外交問題となることに強い警戒心を抱…

ウルトラマン50年の人気と秘密 ―円谷プロの特撮の努力と歴史―

【ゴジラが1954年にスタート】 怪獣映画「ゴジラ」は、今も多くのファンをもつ。当初は日本の街を歩きながら踏み潰す大怪獣だった。しかし第5作「三大怪獣 地球最大の決戦」で、ゴジラは人類の味方として戦ったため、単なる恐怖の対象ではなくなっていきエン…

ネット通販が変える小売・物流 働き方、社会を変える

ここ10年で商品の流通、広告、販売の流れが大きく変わり、小売業界や物流業界に大変動が起きている。その先頭を走っているのが「アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)」だろう。 書籍を買いたいとき、アマゾンにアクセスすれば、たちどころに買いたい本の価…

トルクメニスタン訪問記 天然ガス輸出で潤う国

先日、国際交流基金の要請で中央アジアのトルクメニスタンを訪問した。文化交流の名目で市内を見学するとともに、美術学校、美術館、科学アカデミー、絨毯博物館、ミニファッションショーなどを見学させてもらった。 そのほか、日本との外交関係樹立25周年の…

東芝の凋落に何を学ぶか M&A経営の落とし穴

東芝の凋落は、産業界だけでなく世間一般にも大きな衝撃を与えている。折り紙つきの超優良企業とみられていても、経営判断のミスからあっという間に転落してしまう事実をまざまざと見せつけたからだ。 東芝といえば、テレビや半導体、重電機、軍事・防衛関連…

解体的運命となった東芝 今後の収益を何に見出すか

東芝が重篤な危機に陥ることがあるなどと、一体誰が予想し得ただろうか。1875年(明治8年)7月に創業され、資本金2000億円、連結売上高5兆7,000億円、従業員数約18万8,000人(単体では3万6,601人)の巨大重電企業である。 ――カラクリ技術の歴史をもつ名門企…

日・露外交の失敗 ――甘い見通しがあだに・・・――

安倍首相が今年の最大の外交課題、交渉として力を入れてきたのが日露問題だった。北方領土の返還(歯舞、色丹の2島先行返還)、日露平和条約の締結が目標だった。一時は安倍政権も好感触を得ていたようで、国民に期待を抱かせるような言動をみせていたが、結…

アメリカのTPP離脱の衝撃 ~中国寄り協定で妥協するのか~

ゴール直前でTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が座礁した。アメリカの新大統領ドナルド・トランプ氏が当選直後にTPP離脱方針を明言したからだ。トランプ氏の大統領就任は来年の1月20日。オバマ大統領としては残る2ヶ月余の任期中に議会から承認を得たいと…

日本は解散が多すぎる ―国会で重要課題をゆっくり議論されない―

日本では国政選挙(衆院と参院)が多すぎないだろうか。先日も東京と福岡で補欠選挙があったし、年末・年始あたりにかけ総選挙実施の噂も飛びかっている。選挙は国民の「民意」を問うことになるので決して悪いことではないが、最近の日本の選挙を見ていると…

世界で相次ぐ強権政治の登場

――ポピュリズムで支持率は高騰―― 世界のさまざまな地域で“強権支配”が広がりつつある。ロシアのプーチン政権、中国の習近平政権、トルコのエルドアン政権、フィリピンのドゥテルテ政権、あるいは日本の安倍政権もその中に入りつつあるのかもしれない。しかし…

日本は1000年ぶりの地質大変動時代に! ―2030年代に再び巨大地震か―

先日、火山地質学や地球変動学の権威である京都大学大学院教授・鎌田浩毅氏にお会いして最近の地震や火山爆発などの話を伺った。 まず、鎌田教授の服装にびっくりさせられた。カーキ色のジャンパーのような上着に火山を思わすような真っ赤な図柄が描かれ、上…

国の成熟度試されるパラリンピック ―20年五輪は何をめざすのか―

Paralympics Closing Ceremony Fireworks / carlbob 2020年の東京オリンピックをめぐる相次ぐ不祥事が次々と明るみに出ている。しかし、パラリンピックの話題は活躍しそうな一部の選手のことが時々報道されるだけだ。たが、近年は“オリンピック・パラリンピ…

中央アジアに注がれる熱視線 近く人口1億人の市場に

紀元前の時代に、古代ローマと中国の長安などを結ぶ東西の交易路がシルクロードだった。中国で産出される絹は、ヨーロッパでは手に入らない貴重な製品だったので、“絹の道”と呼ばれたのである。後年、三蔵法師(玄奘)がインドからこの絹の道を通って仏典を…

東南アジアで急伸するネット通販―日本は完全に出遅れ―

中国人訪日客の“爆買い”をきっかけに、日本商品の中国通販サイトのビジネスも急速に伸びている。日本に来た中国人買い物客が日本の品物の品質、安全性、価格などを知って、帰国した後も通販を通じて日本商品を買う人が急増しているのだ。来日して日本商品の…

中国経済の実態と今後 ―第13次5カ年計画を読む―

中国の経済は本当に大丈夫なのか?一党独裁で市場経済に参入している国なので、謎が多く、本当のところがよくわかりにくい。しかし今や中国の経済動向が世界経済を左右しているのも現実なのだ。そこで今回は、さまざまな数字や証言から今の中国経済にできる…

中東・石油の焦点はサウジからイランへ

――サウジも減産で自らのクビをしめた―― 原油安がまだ止まらない。2008年に1バレル=150ドル近辺まで上昇していた原油価格は、現在5分の1、約30ドルまで落ち込み、直近では29ドル台まで落ちた。原油安は消費国にとって朗報だが、急落と先の見通しがつかない場…

カタストロフィーの予感!?

――世界の各地で起きているさまざまな事件―― 今年に入って、本格的に“中国リスク”が世界でささやかれ始めた。世界の資源、商品などをガブ飲みしてきた中国が、ここにきて急に「もうお腹はいっぱい」とばかりに“輸入力”を急速に落とし始めているのだ。その影響…

消費税は鬼門ではない

――公平、公正、簡素、赤字解消の基本に戻れ―― 税金――とりわけ消費税は国民一人一人の毎日の生活にかかわってくる税金だけに国民の関心はどこでも高い。それだけに、税金に対する基本的な哲学、考え方を国民が共有しておくことが重要になってくる。 税の基本…

アメリカ企業を抜く時は要注意  国益も絡むVW問題

「あのフォルクスワーゲン(以下VW)が不正か」と報道されたとき、世界中の誰もが耳を疑った。VWと言えば、ドイツを代表する自動車大手で世界でも人気車種だ。かぶと虫を連想させる初代タイプのビートルのほかゴルフ、パサートなどに加えて近年はアウディや…

TSR情報で「日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた」が紹介されました

スタッフです。 東京商工リサーチ社が発行する「TSR情報」の10月20日号で嶌の新刊ノンフィクション「日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた」(9月30日角川書店より発売)が紹介されました。 「TSR情報」は1952年(昭和27年)3月5日に創刊された日…

「戦後70年の日本」は転換期 強引な安倍政治に不安漂う

戦後70年で燃えた暑い夏も、結局安倍内閣が安保法制を強行採決にもっていき可決してしまった。国民の60~80%が「法案内容の議論はよく理解できないし、今回の安保法制の改定には賛成できない」と世論調査の結果として出ていたが、自公与党は聞く耳を持たなか…

貧困層ビジネスの可能性

――インド財閥系企業の高成長―― 1日200円以下で暮らす人々の層のことを低所得層、貧困層と呼んでいる。人口ピラミッドの底辺にあたることからBase Of Pyramid(BOP)とも呼ばれている。その数は世界人口の7割を超え40億人とされる。考えてみれば、所得は低い…

中国経済は大丈夫か 株価、住宅、消費――下支え効かず?

中国経済が変調をきたしている。そのシンボリックな経済の動きが、まず株価の下落だ。上海総合指数は、7月上旬までに1カ月間で約30%安となり、日本を含むアジア周辺国まで株安に巻き込まれた。あわてた中国政府は、株価下落を支えるため昨年から4回の追加利…

~LCC活用の地方観光政策を~ ――海外LCCが続々地方空港利用――

――来日客が増加―― 日本が“失われた10年”と言われた90年代末頃から、私は「日本はもっと観光に力を入れて外国人訪問客を迎え入れ、外貨を稼ぐべきだ」と、この欄でも何度か提言してきた。 日本の観光客は海外にどんどん出かけ、買い物を楽しんでくるが、海外…

~大学とベンチャーキャンピタルの結合を!~ ―日本のイノベーションの鍵握る―

――アメリカのベンチャー―― 日本の経済にいま一番求められているのは、新しい産業をおこすイノベーションの力だ。アメリカは冷戦終結後、軍事技術の開放などからIT、バイオ、エネルギーなどの分野で次々と新しい産業がおこり、アップルやグーグル、シェールガ…

~松下幸之助の「不況克服の知恵」を読む~ ―“心得10カ条”を再録―

先日、書棚を整理していたら松下幸之助氏の「不況克服の知恵」というPHPビジネスレビュー特別版が出てきた。発行日をみたら2009年2月だから、2008年のリーマン・ショック不況に世界中が悩んでいた真っ最中の頃だ。 幸之助は1894年(明治27年)生まれで、1989…

国内回帰ブームを作ろう

――人件費コストだけではない競争条件―― 私は以前から主張してきたが、技術開発志向、高品質生産、職場環境や従業員を大事にしたい日本企業や外資系企業は、もっと国内回帰、対日投資をすべきだろう。最近、円高是正で国内へ生産を戻す企業が増えてきたが、も…