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世界と日本を読み解くシンポジウム 一流パネリストが語る〝日本の覚悟〟

 シリア問題を巡りアメリカのイメージは、大きく変わってきた。アメリカはもはや、中東でアメリカ人の血を流してまで統治する気はないことを示したようだ。無人のミサイル、戦闘機でシリアのアサド大統領を狙い内部崩壊をもくろむ。リビアのカダフィ大佐襲撃、イラクのフセイン大統領の捕縛、アル・カイーダのビンラディンの殺害──など、これまでアメリカは長引く戦いを終わらせるためには、いつも政権、テロ組織の中枢人物を狙って組織崩壊をめざしていた。

 

 しかしシリアでは、イギリスなど頼りにしていたアメリカの有志連合がまとまらず、同盟国とみた日本もG20の途中でオリンピック誘致の方を優先して途中退席。孤立化したアメリカにロシアが妥協策を提示したため、アメリカ国内の嫌戦気分も重荷になっていたオバマ大統領はこれに乗った。しかし化学兵器の使用はなくなっても通常兵器の戦争は続くことになる。アメリカはもはや〝世界の警察官〟から手を引きたいのだろう、と世界の人々は推測している。アメリカ一極支配の崩れた世界の行方は混沌としそうだ。

 

 中国では薄熙来・元重慶書記の無期懲役が決まった。周永康元政治局常務委員の汚職捜査もウワサされ、すでに周辺の幹部数人が取り調べをうけている。習近平政権発足から半年余ですでに知事、大臣クラスなど幹部10人近くが放逐されている。中国国民がネット上で告発し、次々と炎上するので当局も抑えきれないのだ。

 

 EUだけでなくアメリカ経済の行方がまだパッとしない。日本は尖閣竹島問題を抱え、中国、韓国との首脳会談ができず、消費増税で景気の腰折れに懸念する声も出ている。安倍政権は円、株価の一服とオリンピック誘致成功で依然支持率は高いが、国際社会の中で本当に高く評価されているのかどうか。

 

 こんな問題意識とテーマでまたことしもシンポジウム「アメリカ・中国・アジアそして日本──日本人の覚悟・第二弾」(NPO日本ウズベキスタン協会主催)を1113日(水)午後6時から東京・日比谷公園内の日比谷図書文化館大ホール(旧日比谷図書館)で開催する。パネリストには日本の政治記者の第一人者・倉重篤郎・前毎日新聞論説委員長、アメリカ、アジアなど国際情勢分析では随一の田中均・元外務省外務審議官/日本総研・国際戦略研理事長、ミスター円こと榊原英資元大蔵省財務官、北京特派員を二度つとめ中国ウォッチャーで定評ある藤村幸義・元日経北京支局長・現拓殖大大学院教授と、超一流の論客が世界を読み解き、知的興奮と日本の進む方向を示してくれるだろう。司会はウズベキスタン協会会長をつとめる嶌信彦が行う。

 

 先着200人で満員締切りとなるのでお早目にFAXで03-3593-1406までお申し込み下さい。参加費は会員千円、非会員2千円です。友人、知人、ご家族の参加も大歓迎です。どうか秋の夜をちょっと真面目に世界と日本のことを考え、日頃はバラバラになっている情報をまとめて今後にお役に立てて頂ければ、と思っています。【財界 2013年10月22日号 第361回】

 

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