時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

本日のトークファイルの内容

 テーマ:「ベルリンの壁崩壊から25年。壁は本当になくなったのか」


 今年は東京オリンピックから50年、第一次世界大戦終結から100年と歴史的な年。25年前、冷戦が終結して世界が1つになり、グローバル化が進み、IT化が開始し、今の新たな世の中が始まった。ベルリンの壁の崩壊前日私はちょうど取材で東ドイツを訪れており、深夜ドリルで壁を崩しはじめ、翌朝再び訪れると自由に東と西(ドイツ)を往来が出来るようになっていた。これが起こる数週間前までこの壁を越えようと亡くなられた方もいたので世の中の動きを見ないと命を落としてしまうこともある。この年の6月には天安門事件も起こりまさに歴史の動乱の年だった。

 取材は東欧を回り、その中でチェコスロバキア(当時/現在のチェコ)のハベル氏が大統領になる前日(89年12月28日)に取材することができた。ハベル氏はまだ民主化ができるかわからないとセーターを着たラフな格好で取材に登場したが、翌日は正装しバルコニーで手を振って遠い存在となっていた。当時、日本の安保闘争に関わった人達は東欧に住んでいた人が多かったのでそのネットワークに助けられ様々なインタビューが出来た。ドイツには東西格差がまだ解消していない問題がある。さらに冷戦は崩壊したが、中国は自由化、民主化を実現するあらたな大国になるべきではないかと語っております。

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右:ハベル元チェコ大統領 中央:嶌

嶌がハベル元大統領が亡くなられた際に財界誌(2012年1月24日号)に以下の寄稿を寄せております。

(前略)
2011年末にチェコ民主化運動のリーダーで”ビロード革命”を進めた旧ソ連崩壊後の初大統領だったバツラフ・ハベル大統領が亡くなった。1989年末の東欧革命の真っ最中に私は東ドイツ、ポーランドハンガリーチェコスロバキア(当時)を取材してまわり、大統領に就任する前日に労働組合の書記局のような狭い汚い部屋でセーター姿のハベル氏と単独インタビューを行ったことを思い出す。年末の凍るような寒い日だったが大統領就任式の時に広場を埋め尽くす市民の熱い息が立ちのぼり、革命の熱気をこの目で見て自分の体にも熱いものがこみあげてきたことを今でも忘れない。

 

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