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時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

さよならグロナビ

 BS放送開始以来、足かけ15年にわたって毎週土曜日午前に放映してきた「グローバルナビ フロント」が3月末(3月28日)で終了することになった。私が司会を行い、榊原英資元大蔵省財務官(通称ミスター円)がコメンテーターで、アシスタントは初代の中井亜希さん、相川梨絵さん、原英里奈さん、山元香里さんと四代目だ。ゲストは企業の社長が中心で、これまでに721人(※)が生放送のゲストとしてご出演頂いた。上場一部の大企業と中堅企業が6〜7割、ベンチャー、中小企業、地域おこしの中心人物、外国人首脳、学者などが3割ぐらいだった。

 この15年は大変動の時代だった。バブル崩壊後から失われた10年が過ぎようとしていた頃にスタートしたので、当初はどの企業も「もう少しよくなってから」と断わる社長が多かった。そこで最初の数回はよくおつきあいをしていたテレビにも慣れている明るい方に頼み込んで、確か第1回はアサヒビールの樋口廣太郎さんだった。

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※グローバルナビフロントサイトより樋口廣太郎氏出演(2000年12月2日)画像

 企業の社長さんを生放送に引っ張り出すのは大変だった。「テレビには出たことないし、生放送ではねえ……」と尻込みされる方が圧倒的だったし、本人がその気になっても秘書や広報が懸念して取り継いでくれないことも多かった。さすがに2、3年もすると「今まで100人以上出演されたが失敗例は一度もないし、終わった後にご本人へ知人、友人から〝偶然見た〟などの反響があって皆さん喜んで下さってますよ」というと、重い腰をあげてくれるようになった。またTV出演が好きになった人もいた。

 グロナビで誇れることは2013、2014年度の優良放送番組推進会議の「青少年に見てもらいたい上位3番組」の報道・情報部門の常連になっている点だろう。大体1位がBSフジ・プライムニュース、2位がBSジャパンBSニュース 日経プラス10、そして3位にグロナビが入っている。1週間1度の番組の中では堂々のトップである。経済番組なので40代以上の男女視聴者が多かった。

 BS放送が開始されたのは2000年の12月1日。グロナビは翌2日から放送が始まったが、当初視聴世帯はアンテナや別器具の取付けがないとみられなかったからせいぜい数万世帯だったろう。その後テレビ受像機にBSも内蔵されたから、今ではほとんど地上波と同じ位の世帯数で視聴可能となっている。それどころか、最近は地上波放送はどこも同じお笑いタレントが登場し楽屋話みたいなトークやクイズが多くなったのでBSをみているという人がふえてきた。〝良質番組はBSで…〟という評判がだんだん定着しつつあるようでうれしい。

 おそらくスタート時から今日まで続いてきた番組はグロナビぐらいだろう。司会をしていても勉強になったし、企業や消費者、世界の潮流もみえて、大変ではあったがエキサイティングな15年間だった。またスタッフやアシスタントに恵まれ、海外取材の多いことで知られていた。閉幕は淋しくもあるが、土曜日が解放され、惜しまれてやめるのが一番いいのかもしれない。毎週の視聴者と、長い間つきあって頂いた良きスポンサーにもお礼を申し上げる。
【財界 2015年3月24日号 第395回】
※出演人数は、原稿記載当時の人数です。
これまで出演頂いたゲスト一覧はこちらからご覧いただけます。