時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

本日のトークファイルの内容~安保法制への反対運動~

スタッフです。
本日の「森本毅郎・スタンバイ」のトークファイルの音源が掲載されました。要約は以下の通りです。

テーマ:急速に盛り上がってきた国民各層の反対運動

かつての60・70年安保闘争の主役は学生自治会労働組合だった。今回の場合、一般の若者、学者、かつて学生運動を経験し孫を持ったシニア層などいろんな人たちが参加し、国民各層に相当拡がってきているようだ。安保法制をみんな深刻に受け止めている。地方の拡がりをみても、各地の参加者は北海道札幌市が6千人以上、富山県富山市1千人、名古屋市4千人、その他埼玉、長崎、沖縄などでも数千人規模での反対運動が起こっている。東京は千代田区の日比谷公園主催者発表で2万人参加した。世界に比べ、運動は沈滞しているようにみえたが、ここにきて急に盛り上がりをみせている。

盛り上がりの中心の一つは学生で、SEALDs(シールズ/Students Emergency Action for Liberal Democracy - s)という団体。今年6月から毎週金曜日に国会前で反対運動をしており、回を増すごとに人が増え、先週金曜日の参加者は1万5千人。主体は昔のような学生自治会主体の運動ではなく、自治会とは関係ない一般の学生というのがこの運動の大きな特色。安倍政権はこの動きを不気味に感じているように思われる。

これまでのネットにおける民意の表現の中心は自民に賛成しているネット右翼のようなものだとみていたが、そうではない動きが出てきた。これらの動きからも安倍政権は安保法制を早く決めれば、どうせいずれ忘れるだろうという思惑をもってすすめているようにみえる。

もう一つ事例を紹介すると、京都で3人の子供を持つお母さんが発起人となり「安保関連法案に反対するママの会」を立ち上げお母さんたちが賛同し立ち上がってきた。

これらの動きから今回の安保法制に対して漠然たる不安を持っている人たちが、各層に拡がり、そういう人たちが立ち上がり、さらに国会議員もその運動に相乗りしている。

その背景には自分たちの子供や孫が、しかしたら戦争に巻き込まれるのではないかという不安感が拡がっていることがある。しかし現状ではこれだけ世論が拡がり、それをテコになにか政権の考えが変わっていくかというと、そうではないところが非常に悲劇である。

先にも述べたが安倍政権も、何十万、百万人もの人に国会を囲まれるようなことがあっては大変だと思って、早く決めよう、どうせ2・3カ月で忘れ去れるという思惑が透けてみえる。また、安倍首相は4月の訪米時に(安保法制を)夏までに決めると言ってきたことが重しにもなっている。

最近の新聞やテレビの政権支持率調査では不支持が支持を上回っていることも、早く決めるんだという動きが出てきたことにつながっているように思う。安保法制を早く決めたはいいが、その先の政権の命運がどうなるのか。参議院の議論でもめる可能性もあり、それを60日で打ち切ることになるとはたしてどうなるのか?安倍政権が衰弱する転換の可能性は多いにあると語っております。

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