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時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

本日のトークファイルの内容~深刻になってきた中国経済~

スタッフです。
本日の「森本毅郎・スタンバイ」のトークファイルの音源が掲載されました。要約は以下の通りです。

テーマ:深刻になってきた中国経済

中国経済というと外貨世界一、貿易も世界一、自動車も2千万を超える生産台数などいい話がいっぱいあるが、実態はかなり深刻化してきている。

習近平は「ニューノーマル」と安定成長に入るんだと言ってきているが、本当に安定成長できるのかという声が急速に増加している。

中国の株価を見ると2007年の北京オリンピック時の上海総合指数は6092(ポイント)だったが、リーマンショックで2000(ポイント)まで下落。その後株価を支える政策により5000(ポイント)まで戻ったが、今年7月の株価は3500(ポイント)まで下落している。この株価暴落は、このひと月だけの推移を見ても3割も下落している。

中国政府は昨年より4回も追加利下げを実施し、株価を支える政策をとっている。その他にもIPO(新規上場)を延期、証券21社に対して約2.4兆円のEFT(上場投資信託)を買入れ。更に決定的なのは大量保有株主の売却を制限した。中国では企業に重大な影響を及ぼすと判断した場合に株式の取引停止を申請できるが、7月8日時点で中国全土の上場企業の3分の1に相当する1000社で取引が取引停止となった。株価がどんどん下落するということで取引停止になったのだが、この影響は東南アジアや日本に出ている。これらのことから、中国経済が深刻な状況になってきているという声があちこちから出ている。

背景にある理由をみると、1つ目は資源依存の崩落。石炭、石油、鉄鋼などの産業が低迷。一時期、中国がレアメタルを日本に販売してもらえないということがあったが、現在レアメタルの市況が悪い。このあおりを受け、中国東北地区の特区に誘致した韓国造船大手が倒産。これによって6万人の従業員が失業した。2つ目はシャドーバンキングが裏の銀行として投資。莫大な負債を抱え、土地・不動産市況が下落によって金融崩壊を起こしつつある。3つ目は習近平政権の腐敗撲滅により、国内ムードが低下。人権派の弁護士が100人事情逮捕された。また、胡錦濤の懐刀ともいわれた令計画・前共産党中央統一戦線工作部長(前人民政治協商会議副主席)が逮捕されるというようなこともあり社会全体が沈滞し暗いムード。腐敗撲滅は庶民にとってはよかったが、株価の下落、シャドーバンキングの問題、地下下落、さまざまな人の逮捕によって社会全体が暗くなってきたというように思える。

習近平は「中国の夢」ということを盛んに言い、新たなシルクロードを作り、海と陸の両方を整備。AIIB(アジアインフラ投資銀行)を作り、さらにBRICs銀行(新開発銀行)の開業、新経済圏構想を出すと言っているが表向きの話であって、これらが本当にきちんと実現するかどうか誰もわかっていない。外向けにはいろいろアドバルーンをあげているが、本当にこれでうまくいくかどうかわからない。

中国在住のエコノミスト(外国人も含む)は、16、17年の成長率は6%台、この先10年後は5.3%、2025年は4%まで低下するという予測を出し、安定成長どころか低成長になると発表した。そういう意味でいうと、ギリシャの次は中国だ。ギリシャのボリュームは小さいが中国はリアルリスクになってくると。中国が世界的に深刻な状況になってきたことをわれわれは気を付けておかなくてはならない。中国の経済成長率は7%だったが、その陰には相当ひどいことが出てきていると認識しておく必要があると語っております。