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時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

本日のトークファイルの内容~首都圏集中リスク~

スタッフです。
本日の「森本毅郎・スタンバイ」のトークファイルの音源が掲載されました。要約は以下の通りです。

テーマ:加速する東京集中社会。リスク高まるにっぽん!

東京集中は常識になっているが、リスクが高まっていることが見過ごされているように思う。先月の日経新聞に「引っ越さなくなった日本人」という記事があった。県をまたいで引っ越した人は1971年に426万人だったが2013年には230万人と1971年のピーク時からほぼ半減した。その大半は東京を中心とした大都市に引越が集中している。

特に千葉、埼玉、神奈川、東京の首都圏では19年間流入超過が続き、出て行く人より入ってくる人のほうが多くなっている。特に東京に来る人が一番多く73200人。しかし、それによって様々なメリット、デメリットが生じてくる。

一番のデメリットはリスクの高まり。ミュンヘンの保険会社が自然災害リスク指数を発表し、世界中の保険会社が地震保険の参考としてどの都市が一番リスクが大きいのかということを参考にしている。ロサンゼルスを100としたとき、ニューヨークが42、ロンドンが30に対し、東京は710で世界で最も高いリスクとなっている。東京は確かに一極集中といわれるが、私たちはそのようにリスクが高いという感覚があまりない。この指数は都市部のビルの密集具合、人口密度、地盤環境などの項目を含み、東京は世界が認める環境リスク都市となっている。

よく考えてみると、50年に一度の水害や70年に一度の噴火いわれ、自分たちが生きている間はこないと思っていたが立て続けにそれらが起り、リスクを身近に感じることが多くなってきた。

東京集中のメリットとしては、都市部の経済が発展、生産性が高まる、輸送確率が高まるということがあるが、デメリットを考えるとそれらのリスクの問題をきちんと考えなくてはならない。どうしてこうなったのかというと、60年代までは住居が地方に分散して農閑期になると東京に出稼ぎに来ていたが、70年代位から出稼ぎに来ていた人たちも東京郊外に家を持ち、その後70年代前半で団塊ジュニアが誕生、そして90年から2010年には団塊ジュニアが都市部に集中していった。国連の予測では、2050年にはシンガポール、香港同様に日本も世界トップクラスの都市集中社会になるといわれる。

今後東京オリンピックなどの要因により都市への人口集中の要素があり、その後2020年過ぎると更に都市部に人口が集中することが見込まれている。政府はこの危機を回避すべく、東京の人口減少5か年計画を発表しているが、あまりインパクトがなくほとんど知られていない。内容としては地方に仕事を作る、地方の子育て支援の充実、地方都市における経済生活圏の形成などで、要するに地方創生だが実態は中味がない。よくよく考えるとアベノミクスも地方創生も上手くいっていない。

東京の集中は確かに便利な面はあるが、われわれの生活リスクは高まっている。特にここ1,2週間の集中豪雨などを見ていると切実にそういうことを考えさせられる。50年、100年に1回だから大丈夫と考えていると、有事の際には本当にとんでもないことになる。今後は、相当強力な地方創生がないと厳しい。安保は一生懸命具体策を出してくるが、地方創生も安保同様に具体策を出す必要があると語っております。