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時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

【本日発売】新著ノンフィクション「日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた」

スタッフです。

本日に嶌の新著ノンフィクション「日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた」角川書店様より発売となりました。担当編集は、若手実力編集者の岸山征寛氏が務めてくださいました。

本書は、大戦後、満州からシベリア抑留として中央アジアウズベキスタンタシケント(当時はソ連領)に派遣された450人余の日本人捕虜が現地のウズベク人と共に旧ソ連の4大オペラハウスの一つとなるビザンチン様式のオペラハウス「ナボイ劇場」を完成させ、帰国するまでの秘話を描いたノンフィクションです。

1966年4月の大地震タシケント市が全壊した時、ナボイ劇場だけは凛として悠然と建ち続け大地震でもビクともしなかったことから、いまなお、ウズベキスタンの誇りとなり、親日の象徴としても良く知られています。

実際にナボイ劇場建設に携わられ、本書にも登場する故渡辺豊氏が撮影されたナボイ劇場内部の美しい彫刻が撮影された写真をご遺族よりお借りしたものを使用しております。

今回装丁は、多数の話題作を手がけられている鈴木正道氏によって美しいカバーが完成しました。(左が帯あり、右が帯なしの画像です)

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表紙の画像は以下の通りで、表紙がカバーのサイズまであり織り込まれたものを広げる事が出来るようになっており、ナボイ劇場内部がデザインされております。この写真もカバー同様故渡辺豊氏が撮影された写真を使用しておりますのでぜひカバーを外して表紙も楽しんでいただけるように工夫頂きました。

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嶌が本書を出版するにあたってに寄せた文章をご紹介します。

戦後70年にあたる今年は、様々な戦後史ものが出版されてきました。なかでも多かったのがシベリア抑留の悲劇です。本作はシベリア抑留の悲劇とは違ったソ連での抑留生活を描きました。中央アジアの収容所ですごした457人の日本人捕虜が旧ソ連の4大オペラハウスの一つとなるビザンチン様式の「ナボイ劇場」をロシア革命30年にあたる1947年10月に完成させました。

厳しい収容所生活にありながら「後世に日本の恥となるような建築は作らない。その上で、全員が元気に帰国する」ことを使命として永田行夫隊長以下10~20代の捕虜たちがウズベク人と協力して建築したものです。1966年の大地震タシケント市が全壊した時、ナボイ劇場だけは凛として悠然と建ち続け、中央アジアの人たちを驚かせました。そのことが91年のソ連からの独立以来、日本をモデルにした国づくりをしようという動きになったのです。

シベリア抑留の悲劇に隠れ、ウズベクのオペラハウス建設の秘話はこれまで日本人にほとんど知られていませんでした。ナボイ劇場の裏手に行くと「この劇場は日本人が建設し、完成に貢献した」という碑文があり、これを読んだ日本人は皆涙します。またウズベクの方々が毎週日本人墓地を掃除してくれています。

ぜひ若き日本の抑留者たちの労苦と協力・和の精神が中央アジア全体に多くの親日国を作ったことにつながったことを知って頂き、満州抑留兵のもうひとつの秘話を広めて欲しいと思っております。