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時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

世界は女性トップの時代へ?

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 このところ、新聞やTVニュースのトップに出てくるのは小池百合子都知事だ。2020年の東京オリンピックの予算見直し、築地魚市場豊洲移転問題、知事給与の半額カット提起、リオ五輪から東京五輪への引き継ぎ式典などニュースに事欠かないからだ。

 対応する軸は、都民ファースト、予算の簡素化、物事の決定過程の透明化、過去の決定の洗い直し──など。なぜ7000億円台の当初予算が3兆円台にまで膨らんでしまったのか。誰が決めたのか、豊洲の安全は保証されるのか、当初の委員会で決定された盛土は誰が、いつ白紙にしたのか──など、謎は一杯あり、都庁は〝伏魔殿〟という実態が次々と明らかになっている。都民も謎解きをみているような気分になる。


 小池知事の勝負勘と度胸は、大したものである。都議会議員や都庁幹部、東京五輪組織委員会会長の森喜朗氏や竹田JOC会長など小池つぶしにかかわる人物は大勢いるが、都民ファースト、透明化、簡素な五輪の原則など、都民もこれを支持しているから誰も表だってつぶしにかかれない。森氏や都議ボスたちの苦虫をかみつぶしたような顔が大写しに出るたびに〝理〟は小池知事にあるようにみえる。


 私は小池氏を知ったのはもう40年近く前になる。エジプトから帰国し、テレビ東京の経済番組のキャスターとして活躍、その絶頂時に突然降板し国会議員に転出。国会議員になってからも細川護熙氏や小沢一郎氏の党を転々とし、自民党に入党。小泉首相刺客候補呼びかけに応じ、地盤の神戸を捨て東京10区へ落下傘で応え見事に当選。環境相時代にはクールビズを定着させ、防衛相になると良からぬウワサのあった防衛事務次官を更迭した。やることなすこと迷いがなく電光石火で実行。徒党を組まず派閥に依存しない生き様は、エジプト留学の賜物か。


 安倍内閣は”一億総活躍” ”働き方改革"などを大きなテーマに掲げ、特に女性を強調しているが、小池知事はシンボル的存在になりつつある。考えてみれば世界を見渡しても”女権”隆盛の時代に来ているような気がする。


 EUではドイツのメルケル首相とイギリスのメイ首相が、今後のイギリスEU離脱問題で激しく火花を散らしそうだし、世界の金融はアメリカのイエレンFRB連邦準備制度理事会)議長とフランスのラガルドIMF専務理事がリードしている。アジアでは緊張の渦中にある韓国の朴槿恵大統領、台湾の新しい蔡英文総統も女性だ。

 もしアメリカの新大統領がヒラリー・クリントンとなれば、主要国首脳会議や新興国のG20会議も女性の存在感が大きく物を言うことになろう。日本の首相に女性が登場するのも遠いことではないかもしれない。
【財界 2016秋季特大号】
※画像は東京都ウェブサイトより