時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

1年で韓国元大統領が2人逮捕とは!

f:id:Nobuhiko_Shima:20180327171138j:plain

 韓国でこの1年に2人の元大統領が逮捕された。80年代以降をみると、4人の元大統領が捕まっており、1人は自殺をしている。多くは地域や人的対立が原因となっているが、経済成長を続けオリンピックまで主催し先進国の仲間入りをしている国が政争を繰り返しているのは異常だ。

 3月22日の深夜、李明博元大統領(08-13年)が逮捕された。昨年3月に拘束された朴槿恵前大統領(13-17年)と合わせると1年間に2人の元大統領が逮捕されたことになる。

 韓国政界ではこの他にも80年代以降、全斗煥(80-88年)、盧泰愚(ノテウ・88-93年)両大統領も逮捕されている。背景には伝統的な地域対立のほか人間的対立があるとみられている。

 李大統領が在任中には、実は前任の盧武鉉ノムヒョン)元大統領が捜査を受け自殺していた。今回の李元大統領逮捕はその政治報復ではないかともいわれている。今回の捜査は文在寅政権の示唆によって始められたともいわれており、依然韓国の政争が後を絶たないことを示している。

 李明博元大統領の容疑は収賄で総額110億ウォン(11億円)を受け取ったほか、秘密資金の350億ウォンを得たとされている。今後は裁判で争うことになるが、今回の逮捕でまだ韓国の政争はケリがつかず続くとみられている。オリンピックを成功させた韓国だが、こうした政争が続いていると経済や企業経営にも影響してこよう。

 韓国は第二次大戦後、北朝鮮のほうが豊かだといわれていた。しかし、1960年代になり朴チョンヒ大統領(朴槿恵氏の父)が軍事政権下で反政府運動を抑圧しながら高度成長を実現し“漢江の奇跡”といわれる実績をあげた。それが飛躍台となって韓国は北朝鮮を追い抜き、先進国入りを果たしてきた。政治が混乱するとそうした経済の成功もご破算になる歴史を各国の例でみてきた。それだけに、文在寅現政権が今後行なう南北朝鮮の首脳会談などで、どんな方針を打ち出し、北朝鮮と付き合ってゆくか注目される。