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ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

昨日 TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』21:30 ゲスト:荒川 静香氏(プロフィギュアスケーター)音源掲載

 

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昨日のTBSラジオ嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)はプロフィギュアスケーター荒川静香氏をお招きしました。音源がradikoに掲載され、日曜までお聞きいただけます。

2004年の世界選手権で優勝を遂げ、憧れのアイスショーへの転向も考える中。世界女王として臨んだ翌年の世界選手権は9位、日本人で最下位だったため、目標を見失い、どこに進んでいるかも分からなかったという当時の心の葛藤などについて 伺いました。


荒川氏の書籍やご出演されたDVDの一部をご紹介いたします。



放送内でも話題に上がりました「プリンスアイスワールド」のチケットが先行発売中です。5/1~5/5の開催で一般発売は27日からです。詳細は以下を参照ください。

 

荒川氏が東⽇本⼤震災10年「スポーツのちからで未来にひかりを」に寄せたメッセージが公開されておりますので合わせてご紹介いたします。

 

次週も引き続き、荒川氏をお迎えし、目標を見失っていたにも関わらず2006年のトリノ五輪出場を決めた経緯やショートプログラム3位から逆転し金メダルに輝いた時の心境。プロ転向後、競技とは全く違うアイスショーの世界にひかれていった理由、その魅力などについてお伺いする予定です。

 

家族形態の変化~社会からの孤立をどう防ぐか~

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 ここ10~20年で日本の家族のあり方が大きく変化している。少子高齢化の急速な進展で親2人子供2人の4人家族が減少し、一人暮らしの高齢者や無職のままひきこもる中高年の増加などが目立ち始めて、かつての典型的な家族形態も変化している。家族の抱える問題が多様化、複雑化してきているのだ。介護、子育て、生活困窮だけでなく、社会から孤立する家族が増大しており、これからの社会福祉は家族の変容と社会との関係など幅広い視点から対応することが迫られている。

 私が小学校、中学校時代を過ごした1950~60年代の家族構成は子供3人の5人家族が多かった。私の家も両親に長男の私と妹2人の5人家族だった。今日の物の豊かさがまだ各家庭に及んでいない時代で、家族の大きな課題は衣・食・住をそろえること、特に日常的な食の充実だった。なかでも子供の食と栄養の問題は、日本全体の社会的課題で学校給食は大きな役割を果たしていたと思う。

 60年代半ばを過ぎ日本が高度経済成長の70年代の時代に入ると、家族の問題は徐々に変質し、それまでの衣・食・住という生活の基盤的問題から家族のあり方や隣・近所との関係、社会との付き合い方など、“生きる問題”から家族と社会生活の課題に比重が移っていった。たとえば女性が外で働くようになると、家族構成は子供3人から2人~1人が当たり前になり、標準世帯は親子5人から4人で数えるようになった。離婚が増えて親一人、子供一人の世帯が増えてきたし、女性が外で働くようになると子供を祖父母に預けたり、保育園や幼稚園で夕方まで預かってもらう家族も当たり前になってきた。

 また家族のひきこもりも重大な家庭問題になりつつある。子供のひきこもりだけでなく、最近は中高年の“8050問題”が表面化してきた。80歳代の親と、ひきこもってしまった50歳代の親子が社会や地域から孤立し、生活苦に陥る実態が増えてきたというのである。内閣府の調査によると、40~64歳の中高年のひきこもりは61万人を超えて、半数以上が5年以上の長期にわたり、20年以上の人が20%に及ぶという。全国に75ヵ所あるひきこもり相談所への相談件数はこの5年間で3倍に増えて2017年度は10万2000件を超した。80歳の親はいずれ病気や要介護状態となり子供の面倒をみられなくなるので中高年のひきこもり問題は極めて深刻だ。しかし、若い人のひきこもりを親だけにまかせ放置しておくと、いずれ“8050問題”に発展する可能性が強いので、中高年になる前に手を打たないと悲劇を引き起こしかねない。ひきこもったまま自立できなかった長男の先を案じ、思い余って刺殺してしまった元高級官僚の親の事件はまだ記憶に生々しい。

 ただ、今後の国民生活の大きな課題は、やはり高齢者の一人暮らし対策だろう。一人暮らしをする65歳以上の日本人高齢者は十数年後の2040年に896万3000人となり、15年より43.4%も増え、全世帯数に対する割合は17.7%に達する。東京だと116万7000人と人口の3割に上る。

 世帯数の推計は5年に一度実施されるが、2015年の国勢調査を使って40年までの世帯類型をみると、40年の全世帯数は5075万7000世帯で、そのうち一人暮らしが39.3%で最も多く、夫婦と子23.3%、夫婦のみ21.1%。ひとり親と子9.7%、その他6.6%となる。高齢者世帯主は2242万3000世帯で全世帯に占める割合は何と44.2%となる。45道府県で4割を超え、秋田や青森など10県では5割超となる。高齢者世帯のうち一人暮らしは40.0%に上る推計となっている。一人暮らしの高齢者は体の衰えや認知症などに伴う介護サービス、買い物や通院といった日常生活の支援への需要が高まってくる。15年の国勢調査で最も多いのは1840万の単身世帯で、全体の35%を占める。晩婚化や生涯独身の人も増えているのでさらに高齢者の一人暮らしが増える可能性が高い。大和総研によると、17年は「単身、無職」が最多になっており、全体の17%に上昇したとしている。この傾向が伸びると高齢者の一人暮らしは止まらず、5世帯のうち一世帯は「働いていない人の一人暮らし」が大きな比重を占めるという。

 こうした傾向を考えると、これからの社会では高齢者の一人暮らしに対する社会保障のあり方や生き甲斐への支援、コミュニティの活動などが大きな課題になってくるという。

TSR情報 2021年3月2日】

 

画像:ぱくたそ(”しーくん”さん、お出かけ中の家族連れと伸びる影の写真素材

昨日 TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』21:30 ゲスト:川上恵莉子氏(アートディレクター)二夜目音源掲載

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昨日のTBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)はアートディレクターの川上恵莉子氏をお迎えした二夜目をお届けしました。

独立後、ドイツに住んでいたパートナーと出会ったことで、住まいをベルリンに移して感じること、場所を選ばない仕事の魅力や、世界で生きていくために心がけていることなどについて伺います。世界を股に掛け、数多くのデザイン賞を受賞された川上さんが、いま改めて思うこととは?
radikoにて日曜までお聞きいただけます。

前回は、お店や企業のコンセプト、商品開発、売り方に関わり、ロゴ・パッケージ・ポスター・WEB、クリエイティブディレクター、営業、デザインなど・・・多岐にわたる実際の仕事について伺いました。

前回の放送内で川上氏が手掛けられた側面に詩の入ったチョコレート「ルルメリー」のパッケージはこちらです。メリーが手掛けているブランドの一つ。食べ終わった後に、裁縫箱にしたり箱も活用したくなるパッケージで、中に入っているチョコもおいしくいただきました。東京は、東京駅前のKITTE(キッテ)の一階などにお店があります。

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川上氏のサイトにこれまで手掛けられた作品が掲載されておりますので、合わせて参照ください。

今回の放送内容を時事通信にてご紹介いただきました。 


2月1日に発売された、クリエイターを目指す学生の方が特に参考になりそうな『クリ活2 クリエイターの就活本 ~アートディレクション・デザイン編』にも川上氏のインタビューが掲載されています。

 
次回は、プロフィギュアスケーター荒川静香氏をお迎えする予定です。

首相の長男が官僚幹部を接待 総務省は「そんたく」したのか?

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総務省の幹部らが放送関連企業「東北新社」から約40回にわたり接待されていた問題の行方に霞が関の官僚たちは異様な関心を示している。接待側の東北新社の中に菅義偉首相の長男が参加しており、総務省は衛星放送などの許認可権限を持っているからだ。接待を受けた総務省の役人は国家公務員倫理規定に違反するとされ、これまでに接待を受けた幹部ら11人が処分された。

東北新社は東京に本社を置き、映画、テレビ番組、CMなどを制作する放送関連企業で売上高は約6億円。従業員は1632人で、海外の作品などの輸入も手掛けている。総務省の調査によると、接待を受けていたのは、局長級など幹部4人と課長級など計13人。一回一人あたりの飲食費は5千~4万7千円台で約40回の接待の合計額は60万円超。ただ内閣広報官の山田真貴子氏は総務審議官時代の19年11月に1回7万4千円超の接待を受けており飛びぬけて高額だったという。

 

続きは、本日配信のメールマガジンまぐまぐ」”虫の目、鳥の目、歴史の目”にてご覧ください。(初月無料)

画像:wikimediacommons

 

【補足情報】

・野党、接待との関連追及 東北新社社長、週明け招致 3月12日時事通信

 与野党は12日、総務省外資規制に違反したとして放送関連会社「東北新社」の衛星放送事業の認定取り消し手続きを開始することを受け、同社の中島信也社長を15日に参院、16日に衆院予算委員会参考人として招致することで合意した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2021031200908&g=pol

 

総務省東北新社の放送事業の認定取消しへ。外資規制違反 3月12日 AVウォッチ

 武田総務大臣は12日、放送法外資規制に違反していたとし、「ザ・シネマ」「ファミリー劇場」などのチャンネルを運営する東北新社メディアサービスに対し、衛星基幹放送事業社としての認定を取消す方針を明らかにした。対象となるチャンネルは「ザ・シネマ4K」(BS203)。取消しに当たっての聴聞は、17日に非公開で行なわれる。

https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1311626.html

 

総務省 谷脇総務審議官を事実上更迭 NTT社長らとも会食で  3月8日 NHK

 衛星放送関連会社からの接待問題で懲戒処分を受けた総務省の谷脇総務審議官について、武田総務大臣は、総務省の調査でNTTの社長らとも会食していた事実が確認され、国家公務員の倫理規程に違反した可能性が高いとして、大臣官房付に異動させたと発表。事実上の更迭とみられる。

 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210308/k10012902971000.html

日曜(14日) TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』21:30 ゲスト:川上恵莉子氏(アートディレクター)二夜目

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次回日曜(14日)のTBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)はアートディレクターの川上恵莉子氏をお迎えする二夜目をお届けします。

独立後、ドイツに住んでいたパートナーと出会ったことで、住まいをベルリンに移して感じること、場所を選ばない仕事の魅力や、世界で生きていくために心がけていることなどについて伺います。世界を股に掛け、数多くのデザイン賞を受賞された川上さんが、いま改めて思うこととは?

 前回は、お店や企業のコンセプト、商品開発、売り方に関わり、ロゴ・パッケージ・ポスター・WEB、クリエイティブディレクター、営業、デザインなど・・・多岐にわたる実際の仕事について伺いました。

radikoにて日曜までお聞きいただけます。

前回の放送内で川上氏が手掛けられた側面に詩の入ったチョコレート「ルルメリー」のパッケージはこちらです。メリーが手掛けているブランドの一つ。食べ終わった後に、裁縫箱にしたり箱も活用したくなるパッケージで、中に入っているチョコもおいしくいただきました。東京は、東京駅前のKITTE(キッテ)の一階などにお店があります。

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川上氏のサイトにこれまで手掛けられた作品が掲載されておりますので、合わせて参照ください。

今回の放送内容を時事通信にてご紹介いただきました。 


2月1日に発売された、クリエイターを目指す学生の方が特に参考になりそうな『クリ活2 クリエイターの就活本 ~アートディレクション・デザイン編』にも川上氏のインタビューが掲載されています。

 

7日 TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』21:30 ゲスト:川上恵莉子氏(アートディレクター)一夜目 音源掲載

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7日のTBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)はアートディレクターの川上恵莉子氏をお迎えしました。

お店や企業のコンセプト、商品開発、売り方に関わり、ロゴ・パッケージ・ポスター・WEB、クリエイティブディレクター、営業、デザインなど・・・多岐にわたる実際の仕事について伺いました。

radikoにて日曜までお聞きいただけます。

放送内で川上氏が手掛けられた側面に詩の入ったチョコレート「ルルメリー」のパッケージはこちらです。メリーが手掛けているブランドの一つ。食べ終わった後に、裁縫箱にしたり箱も活用したくなるパッケージで、中に入っているチョコもおいしくいただきました。東京は、東京駅前のKITTE(キッテ)の一階などにお店があります。

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川上氏のサイトにこれまで手掛けられた作品が掲載されておりますので、合わせて参照ください。

今回の放送内容を時事通信にてご紹介いただきました。 


2月1日に発売された、クリエイターを目指す学生の方が特に参考になりそうな『クリ活2 クリエイターの就活本 ~アートディレクション・デザイン編』にも川上氏のインタビューが掲載されています。


次週も引き続き川上氏をお迎えし、独立後ドイツに住んでいたパートナーと出会ったことで住まいをベルリンに移して感じることや、場所を選ばない仕事の魅力、世界で生きていくために心がけていることなどについてお伺いします。 次回もぜひお聞きいただけると幸いです。

サミットと共に消えたジスカールデスタン

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 サミット(先進国首脳会議)生みの親ジスカールデスタン・元仏大統領が年末に94歳で亡くなった。
 
 48歳で大統領に就任し欧州連合EU)の政治統合を進めるなどヨーロッパのリーダーとして活躍してきたが、特筆すべき功績は何といってもサミットの創設に尽力したことだろう。
 
 ベトナム戦争と石油危機で世界経済が激しく揺さぶられた後、通貨が厳しく揺れ動き各国の協調精神も消えつつあった1975年に世界の指導者に問題を提起したのがジスカールデスタンだった。

「資本主義国はいまや嵐の中に突入しつつある。しかし主要国の指導者たちが真剣な対話をする機会を一度ももったことがない。私達は早急に新世界秩序を構築することを迫られている」と講演(75年10月、パリ工科大学の〝新世界経済秩序〟)したのである。このまま突き進むと第一次、第二次大戦のように戦争の時代を迎える可能性があると危機感を持ち、西独のシュミット首相にまず相談を持ち掛けた。仏・独は二つの大戦で戦った国だったが、戦後は両国の現代化と欧州復興に取り組む協力国となっていた。

 ジスカールデスタンは仏・独に英・米を加えた4ヵ国協議を提案したがシュミットは、第二次大戦で同盟国だった日本を加えるように説得し、イタリアも参加を望み第一回サミットはG6でスタートした。第二回から米国の要望でカナダも入ることになり今日のG7サミットが形成されたのである。

 サミットは当初、経済問題を中心に話し合う会議だったが、次第に対ソ連問題や途上国問題、中東・エネルギー問題など世界の重要課題を協議する首脳会議となり国連の安全保障理事会をしのぐほど影響力を持つようになっていった。

 私はこのサミットに第一回東京サミット(79年)から約30回にわたってサミット現場を取材してきた。現場でサミットを取材していると各国首脳の人柄や駆け引き、首脳間の相性などもわかって興奮したものだ。

 ジスカールデスタンは、サッチャー英首相を好ましく思っておらず、「彼女の念頭には仏独の連帯をぐらつかせることがあり、英国を率いていることにとてつもない誇りを抱いていることがわかった」(ジスカールデスタン「エリゼ宮の決断」)と指摘し、サッチャーもまた「仏大統領が私に親しみを感じていなかったことをわかっていたし、私も好意を持てなかった」(サッチャー回顧録)とあからさまに表明している。

 サミットは「アメリカ第一主義」を唱えるトランプの登場で開催されず、ジスカールデスタンの死と共に雲散霧消していった。

【財界 2021年1月27日号 第534回】

■参考情報
・G7多国間主義へ転換、首脳声明 ワクチン支援7900億円 2021年2月20日日経新聞
 日米欧の主要7カ国(G7)は19日、オンライン首脳会議(サミット)を開いた。会議後の首脳声明では「21年を多国間主義のための転換点とする」と明記した。トランプ前米大統領の下で深まったG7の亀裂を修復し、新型コロナウイルス危機や気候変動問題に協調して対応する決意を明確にした。 


画像:エリゼ宮 wikimedia commons Remi Mathis - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=20483417による

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