時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

コラム(Japan In-depth)

緊迫米・イラン日本は仲裁を

アメリカとイランの戦争が一触即発の状況になっていている。イランがアメリカの無人偵察機を中東・ホルムズ海峡付近で撃墜したことに対し、トランプ大統領は20日にイランの軍事関連施設3ヵ所への攻撃を一旦承認したという。ただ攻撃10分前にトランプ大統領が…

成果無い安倍外交のこれから

安倍政治で注目を浴びるのは、いつも外交である。日本の政治家は言葉の問題もあって外交は不得意という印象が強かった。しかし安倍首相に限っていえば、とにかく訪問や招待を含め、外国首脳との会談は戦後随一だろう。トランプ大統領やプーチン大統領との会…

都市部で拡大ウーバーイーツ

今年のゴールデンウィークは、私達夫婦と娘夫婦、4歳の孫娘と5人で連れ立って都心のホテルに2泊し、のんびりと過ごした。10連休で家に閉じ篭っているのは能がないし、海外や地方の旅行は人がいっぱいで疲れる気持ちが先立ち、結局都内のホテルで休養すること…

新紙幣発行より賃上げが必要

新紙幣が2024年度上半期に一新するという。千円、五千円、一万円の紙幣(日本銀行券)で2004以来20年ぶりのこととなる。最近、世界ではキャッシュレス化が進み、中国などでは日常の買物やタクシーの乗車支払いなどもスマホやカードで行なうようになってきた…

ファーウェイとアリババ ~踊り出た中国企業~

2012年10月開催のCEATEC ファーウェイブースより 最近、中国系企業の名前が連日のようにメディアに登場している。その代表がファーウェイ(華為技術)、アリババ(阿里巴巴)などだろう。 ファーウェイは1987年に中国・深センで起業し、携帯電話に関係した通…

日本はGAFA後追い止めよ ~ぬるい時代だった平成 昭和は熱く生き急いだ時代か~

まもなく「平成」が終わる。そのためか「平成」とは、どんな時代だったのか、という総括、論評が様々なメディアで取り上げられている。私の感想は「“熱さ”やエネルギーの爆発がみられなかった“ぬるい時代”だった」という思いが強い。 平成が始まったのは、19…

官民ファンド崩壊の教訓

安倍政権の新成長戦略の目玉として位置づけていた“官民ファンド”が崩壊寸前だ。民間が手を出しにくい事業に“官”がお金を出し、新産業を育てるという狙いだった。2012年に構想され、現在14ファンドが設立されている。その中心的存在だったのが、前身の産業革…

加速する日本の流通システム改革 ーマテハンで世界一競うダイフク 流通の進化で企業競争力を支えるー

「マテハン」という言葉をご存知だろうか。物流業界で使われている略語で“マテリアル・ハンドリング”の略だ。いまやネットショッピングが当たり前の時代になってきたため、ネットで注文された商品をどのように消費者の手元にいち早く、安く届けるかが物流業…

日本の基礎研究衰退 人材、支援資金、留学減少

日本で初めてノーベル賞を受賞したのは、1949年11月3日(文化の日)の湯川秀樹博士だ。日本が米軍(国連軍)の戦後占領期にあった時期である。まだ敗戦に打ちひしがれている時代だっただけに日本人にとっては、大いに溜飲を下げた受賞だった。私がまだ満7歳…

ドイツ最大の“難題”はトランプ氏

「ドイツ人が恐れる最大の脅威は、アメリカのトランプ大統領だ」――ドイツが毎年行なっている世論調査「ドイツ人の最大の恐怖」の18年版にこんな結果が出て、EUの人々を驚かせている(ニューズウィーク誌9月18日号等)。 2400人を対象にしたR+V Versicherunge…

“アメリカ第一”が壊す自由主義秩序

世界の戦後秩序が大きく崩れようとしている。秩序を壊しているのは、アメリカ・ファーストを唱えるトランプ大統領にみえるが、果たしてトランプ大統領の“政治”と強引なイニシアティブのせいなのか。それともトランプ大統領を取り込むアメリカそのものが変質…

言いたい放題のトランプ外交

7月11日からベルギーで開かれたNATO(北大西洋条約機構)の首脳会議でトランプ大統領は、相変わらず言いたい放題でEUとの溝を深めている。 今回のNATO協議では、「EUの防衛負担はアメリカに比べ少ない。加盟国の国防支出をGDPの2%に増やすよう前倒しすべき…

サミット崩壊の危機 アメリカファーストで世界秩序混乱

1975年から40年余にわたって世界の貿易秩序を支えてきた先進国首脳会議(サミット)が崩壊の危機に直面している。危機に陥れているのは、「アメリカ第一」を唱えるトランプ米大統領である。トランプ大統領はサミットが始まる前からアメリカの巨額な貿易赤字…

なぜまだもめる加計学園問題

モリ・カケ問題が治まらない。これまで「記憶がない」と加計学園関係者らとの面会を認めていなかった柳瀬唯夫・元首相秘書官(56)が参考人招致で一転して官邸で3回にわたり面会したことを認め謝罪した。しかし、加計の「人と会ったことを総理に報告したこと…

中小企業が危ない 迫る中国・新興国

このところ、たて続けに4~5人の中小企業の社長さんに会った。いま残っている人たちはみんな元気だ。むろん資金繰りや後継者難、人材育成などの悩みは抱えているが、これまでに一山も二山も乗り越えてきた人たちばかりのせいか、さほど暗い顔をしていなかっ…

国力落ちた日本、アジア特化目指せ

日本の政治に覇気がみえない。いや、政治だけではない。外交も経済も文化発信などもここ2、3年沈滞したままだ。元気が目立つのはオリンピックで活躍した若いアスリートや最年少で羽生名人に勝った将棋の藤井聡太四段(その後六段に昇進)ぐらいだ。若い人が…

真夏の東京五輪、見直すべき

大成功を収めた1964年の東京オリンピックに次いで、2回目となる東京オリンピックは2年後の2020年7月24日から8月9日までの17日間、パラリンピックが同年8月25日から9月6日までの12日間にわたって行われることになっている。 56年ぶりのオリンピックの主催とあ…

AI、ロボットが中間層直撃

【ベビーブーム時代は年平均250万人】過去に日本でもっとも多く赤ちゃんが生まれた年は、敗戦の混乱が落ち着きだした1949年だった。その数は269万6638人。その前の47、48年も多く、47~49年をベビーブーム時代と呼んでいる。その3年間の平均出生数は約250万…

平成から次の時代は?

宮内庁ホームページ「平成28年天皇陛下お誕生日に際してのご近影」より 再来年の3月31日で“平成時代”が終わる。(※)西暦で見ると1989年1月に平成元年がスタートしているから約30年間続いたこととなる。明治元年(1968年)から150年目でもある。 平成の前の…

北朝鮮と「対話」の糸口探せ

■金正恩委員長の人物と思想北朝鮮の最高指導者・金正恩朝鮮労働党委員長とは一体どんな経歴を持った人物なのだろうか。第2代最高指導者だった金正日総書記の3男で祖父は初代最高指導者だった金日成主席、母は大阪出身の在日朝鮮人の高英姫氏とされる。 1984…

止まぬ北の核開発 米朝もし戦わば?

北朝鮮が核実験を武器に身勝手な行動をとり始めていても、日・米・韓は思い通りに抑制できずにいる。すでに核実験や大陸間弾道弾の日本の上空を通るミサイルの発射は6回に及び、北朝鮮はいつでも米軍基地のあるグアムを攻撃できると息まいている。 アメリカ…

内閣支持率の上昇は一時的?

安倍首相は内閣改造直後の記者会見で、8秒間にわたり頭を下げた。その後、第一声として「国民の声に耳を澄まし、謙虚に丁寧に国民の負担に応えるため全力を尽くす」と語った。 支持率の低下は、側近たちの失言や暴言、誠意のない答弁などに原因があるとされ…

物価目標2%は正しいのか

【まとめ】・政府・日銀は物価上昇率2%の目標達成まで金融緩和続ける意向。 ・日本の実質成長率(GDP)1~3%、景気はそれほど悪くない。 ・政府・日銀は物価目標政策を見直す時期に来ているのではないか。 アメリカ、欧州、カナダなどの中央銀行は金融緩和…

トランプ外交に翻弄されるな

世界を惑わせているトランプ外交の特色とその濃淡が徐々にはっきりしてきた。 ■従来の価値観では測れないトランプ第一に明確化させたのが反TPP(環太平洋パートナーシップ協定)である。オバマ政権時代は、TPPの旗振り役を任じ、アジア・太平洋貿易の新しい…

デパート混迷 伊勢丹社長突然辞任

1967年3月に大学を卒業し、私は最初の赴任地・秋田県に向かった。当時の秋田はコメ所として知られ、八郎潟の拓に手をつけており東北ではコメの産地として比較的豊かな県だった。県庁所在地の秋田市には、「木内」「本金」という二つのデパートがあり秋田市の…

安倍政権の奇妙な安定 受け皿ない自民と野党

安倍政権の奇妙な安定ぶりをどう考えたらよいのだろう。最近の不況、アジアの分断化、トランプ政権の登場、成果の乏しい外交課題などを考えると、安倍政権のヤマ場は過ぎ、下り坂に向かってもおかしくないのだが、支持率は相変わらず高く、むしろ超長期政権…

複雑化する石油価格 大丈夫か、日本の資源外交

2016年の新年が明けてから株式市場、通貨、中国経済、北朝鮮の水爆実験、等々――国際社会は相次ぐ大波乱に見舞われている。なかでも、メディアでは大体二番手扱いだったが、気になったのはイスラム教スンニ派の大国・サウジアラビアとイスラム教シーア派の大…

トランプ思想の軸は? まだ見えない政治哲学

外務省をはじめとする日本の官僚にとっては、来年1月20日のトランプ政権発足までの約1ヶ月は、これまでになく頭の痛い厄介な月日になるだろう。まさかの大逆転で、ヒラリー・クリントン氏が敗北したため、各省庁とも外交チャネルを一から作り直さなければな…

「YKK秘録」にみる政治の活力―YKKの特質―

「YKK秘録」(講談社)を面白く読んだ。著者は元自民党幹事長の山崎拓氏。山崎氏については根っからの党人派で政局を動かすことが好きな策士ともいわれた。一本気な昔型の武闘派自民党議員という印象があり、現役時代はあまり接触がなかった。しかしYKK秘録…

横暴中国、国内は不安定化

中国の国際的横暴が目につく。この8月11日には尖閣諸島付近で転覆した漁船の6人が、駆けつけた日本の海上保安船に救助された。南シナ海などにおける中国船の主権は、国際的な仲裁裁判所の判決で否定されたばかりだが、中国はさらに激しく領海侵入を繰り返し…

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日本人の覚悟

日本人の覚悟―成熟経済を超える

(実業之日本社)
【著】嶌 信彦


日本の「世界商品」力

日本の『世界商品』力

(集英社新書)
【著】嶌 信彦

     
首脳外交

首脳外交-先進国サミットの裏面史

(文春新書)
【著】嶌 信彦


 
嶌信彦の一筆入魂

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(財界研究所)
【著】嶌 信彦


ニュースキャスターたちの24時間

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(講談社)
【著】嶌 信彦
       

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