コロナ帝国とウイルス兵 ―まだ押されっぱなしの地球軍―
コロナウイルスとの戦いは、小説風にみるとコロナ帝国がウイルス兵を使って地球に襲いかかっているように見えてしまう。当初は持病を持つ年配層が狙われていると言われていたが、いまや乳児から若者、男女を問わずウイルス兵に脅かされている。年配者がウイルスに弱いとされていた当初、若者の間では「自分たちは大丈夫」という風潮があり、3月の3連休ごろまでは若い人たちが繁華街を出歩く姿も目立ったが、最近は休日も場所によっては混雑しているところもあるようだが以前よりはかなり閑散としており、まさに世界中でコロナウイルス兵と人間が戦っている感じだ。
日本政府は16日、従来の7都府県に加え、全国に緊急事態宣言を発出し、いったん閣議決定した補正予算案を組み替え国民一人当たりに10万円を給付するとした。本日(20日)正午現在、感染者は240万人を突破、死者も16万5千人を超えた。日本では1万810人がウイルスに侵され、死者は238人となっており、他の国よりは少ないが、まだピークに達していないとみられているので、まだ増える可能性が強い。
■8割の接触断ちと新薬開発に全力を
防衛策はまだコロナウイルスに対抗できる薬品が開発されていないので、とにかく人との接触を8割減らすしかないようだ。政府は「極力7割、できれば8割減らして欲しい」としているが、あいまいなことは言わず「8割減らせ」と断言すべきだ。今のところ、5月6日までとしているが、闘いに決着がつかなければさらに1~2ヵ月延びることも覚悟せねばなるまい。
私もずっと家に閉じこもった生活を続けているが、正直つらいものがある。かといって、皆が8割の接触禁止を守らなければ、さらにウイルス兵の攻撃が続き、閉じこもり生活が長引くだけになる。これまで政府は常に決断に遅れ事態を悪化させてきている。今は従来の生活スタイルの維持よりも感染者を減らし撃退することを第一とする方針を国民に徹底し、“ゆるみ”を持たない日常を維持することだ。小池都知事の方が連休前から何度も危機感を訴えたことでかなりの効果をもたらしたように思う。
もうバブルの時代はもちろんのこと、高成長・中世長時代が再び来るなどとは期待せず、21世紀型の新しいライフスタイルを早く定着させるしかあるまい。政府もその場その場の小手先の政策だけでなく、50年先位を見通した構想力のある日本の姿を打ち出し国民を引っ張る意気込みを示すべきだ。安倍政権は小さすぎるし、方向性もみえない。少なくとも中国、韓国、東南アジアの国々をまとめ上げリードする位の気迫をみせて欲しいものだ。
画像:Wikimedia commons(医師シュナーベル・フォン・ローム(ドイツ語で「ローマの嘴の医者」)を描いたパウル・フュルストの版画)