時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

本日のトークファイルの内容

スタッフです。
本日の「森本毅郎・スタンバイ」のトークファイルの音源が掲載されました。要約は以下の通りです。

テーマ:ISIL対策の地上戦に利用されるクルド族の狙い
ISILは最近後退してきた。北部の要所ティクリートイラクの地上部隊3万人が奪還しようとしており、イラク第二の都市モスル北方の3つの拠点も頑張っている。

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(c)Google
イラク軍の中心はフセイン政権の残党とクルド族。このクルド族の頑張りが今後の大きな中東の焦点となるだろう。欧米連合軍は地上戦を戦いたくないため戦闘機での爆撃を行ない、地上戦を戦っているのがイラク軍でその中でもクルド族が頑張っている。

クルド族はトルコ、イラク、イラン、シリア四ヵ国にまたがる国家を持たない3千万人の世界最大の少数民族といわれ、それぞれの国で少数民族として生息する。オスマントルコ時代は一つの国として存在していたが、第一次世界大戦の後にイギリス、フランスが線引きして四つに分割された。フセイン時代、イランでも弾圧を受け悲惨な状況に置かれ、常にかわいそうな少数民族のイメージが強かった。しかし、イラクが米に侵攻された後、自治政府を作り、軍隊、キルクーク等大きな油田をいくつか持ち始めた。これを欧米連合軍が利用し、今や頑張って地上軍の中心となっている。

他方、クルド族は不満もあり先日ロンドンで行われ、60ヵ国もの国が参加したISILを打倒する有志連合会議に国ではないという理由から呼ばれていない。今、地上戦を戦いながら自分たちの利益を考えて行こうというようになってきたように思われる。

キルクークイラク最大の油田であり、クルド族がおカネを持ち始め、将来は独立するのではないかとみられる。今後、ISILの問題がある程度落ち着いてくると、次はクルド族の問題になるように思われる。このクルド族の動向に注目しておいたほうが良いだろうと語っております。



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