本日のトークファイルの内容
スタッフです。
本日の「森本毅郎・スタンバイ」のトークファイルの音源が掲載されました。要約は以下の通りです。
テーマ:トルコ最大財閥コチがアジアを食う!
トルコには2つの巨大財閥がありその一つがコチ。トルコはエネルギー問題やヨーロッパと中東を結ぶハブとしても有名な国。最近は、製造業でも頑張っている。10年以上前はドイツに出稼ぎ労働者を送り込んでいるというイメージが強かったが、今やアジアに進出してきている。
コチは家電、食品、エネルギー、銀行、ホテルとありとあらゆるものをグループ傘下に収め、売上高は国内総生産の1割 約9兆8千億円を占める。従業員数は8万5千人。
コチグループにアーチェリクという家電製品を扱う会社があり BEKO(ベコ)というブランド名で、すでに100ヶ国で家電製品を販売している。日本ではまだ馴染みはないが売上はイギリス1位、ヨーロッパ全体でも2位。数年前にヨーロッパで行なわれたエレクトロニクスショーでは、グッドデザイン賞を受賞。
トルコの一人当たりの所得は1万ドルを超し、新興国の中でも上位に入っている。これまでは地政学的な視点でトルコを見てきたが、とんでもないことになってきた。
そのBEKOが、年内にタイで冷蔵庫の工場を稼働し、ここを東南アジアの生産拠点としようとしている。3年以内に5億ドルの売上を目指す。販売価格は日本円で冷蔵庫17~30万円、洗濯機5~10万円を想定。必ずしも安いわけではないが、性能デザインのバランスが良いようだ。例えば、性能面では汚れの少ない洋服の洗濯ではエネルギー消費を70%削減したり、多量の洗濯物を洗う時には10分程で洗濯できる超高速プログラムが内蔵されているものや、世界で最も静かな洗濯機などもある。冷蔵庫では、最長30日間新鮮さを保てたり、トルコと言えばアイスが有名だがアイスを作れる機能を備えているものもある。
※画像は、BECOサイトより
東南アジアにそういった企業がどんどん進出したことで賃金が7~10%上昇しているケースもある。タイでも今回の進出により今後賃金が上昇する可能性もある。そのことは日本にとって非常に脅威で、今後日本の企業が東南アジアに進出する際、賃金の安いところを目指して進出することが必要となってくる。
今後、東南アジア・中・韓だけでなく中東の企業もライバルとなる。日本の家電メーカーはガラパゴスの高品質の物を作ればよいとしているが、そういったものを卒業し、まだまだ開発の余地があるように思われるのでそういう視点でのモノづくりをするほうがよいのではないだろうか。
今後日本にきたらうかうかしていられない。たいへんなことになってくるだろうと語っております。
【参考】
BECOはFCバルセロナのスパンサーをしており、選手とコラボしたCMも展開しているようです。本日嶌の話には出ておりませんでしたが、参考までご紹介いたします。