本日のトークファイルの内容~中小企業の海外進出~
スタッフです。
本日の「森本毅郎・スタンバイ」のトークファイルの音源が掲載されました。要約は以下の通りです。
テーマ:中小企業!海外進出は危険がいっぱいか・・・
中小企業庁は基本的にこれから国内の市場が少なくなることから東南アジアなどの中所得国への進出を推進している。その一方で多くの失敗事例の中から28の事例選び発表したことが話題となっている。
海外に現地法人を持つ日本の中小企業は2012年時点で5200社。6年前に比べ約3倍に増加。背景には少子高齢化などの理由により日本の市場の減少が加速しているのと、海外の新興国の経済が発展していることで海外に出ていくことが増加している。それを受け注意喚起を促すことを目的としたのが今回のポイントだ。
これまで中小企業単独ではなく大企業と共に進出していたケースが多かったので、それほどリスクも感じることがなかった。しかし、近年は中小企業自ら海外に進出し、新たな市場を開拓するようになった。
いくつか事例をあげると、まず中国に進出した医療機器メーカーの場合現地の中国人トップが無断で別会社を設立し、類似品を生産・販売。さらに従業員を引き抜き、経営不振に陥った。
フィリピンでは、車の修理会社が現地法人のトップをフィリピン人に任せたところ設備や部品を全て持ち去られ、被害額が2000万円にまで上る。その人は行方不明になり、一時的に閉鎖せざる負えない状況に追い込まれた。
また、アメリカではスペイン系アメリカ人の多い地域と知らずに進出し、英語でコミュニケーションをとることが困難となり日本からの駐在員が上手く運営できない、現地の食事が合わず体調を崩す、一方的な賃上げ要求などにより失敗に追い込まれているなどさまざまな事例がある。現地に任せきりにしてしまったことや、中所得国といっても賃上げ要求が激しく抑制できずに撤退を余儀なくされている。
また、中国で多いのは土地を収奪されるケースも多い。これらのように知らないと失敗も増加することから少しでも過去の失敗事例から学んでほしいと注意を促している。
6月16日中小企業庁発表プレスリリース掲載
損保ジャパン日本興亜リスクマネジメント「中小企業の海外展開の実態把握にかかるアンケート調査」 (2013年12月)を再編加工
海外進出も増加する一方で、撤退も多く3割は撤退を経験もしくは検討している。中小企業は、一度の失敗が事業に与える影響は大きい。
現地法人に任せきりにせず、事業が軌道に乗っても継続的に確認し続ける、現地従業員との密なコミュニケーションが大事なポイント。また、お互いに幹部を育成していかなくてはならない。
イオンでは海外支店で現地の従業員におもてなしを教えたり、ご褒美を出して離職につながらないようにしたり、幹部候補研修の実施での選抜など新たなケースも生まれていると語っております。