10日の読売新聞「本よみうり堂」に掲載いただいた「日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた」の書評
スタッフです。本ブログで既報の通り、嶌の新著ノンフィクション「日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた」が10日の読売新聞「本よみうり堂」に掲載されました。評者はテレビのコメンテーターとしてもお馴染みの橋本五郎様。
画像は橋本五郎文庫サイトより
掲載頂いた書評は以下の通りです。
記事抜粋
評・橋本 五郎(本社特別編集委員)
今から50年前、中央アジア・ウズベキスタンを大地震が襲った。首都タシケントは壊滅状態になった。しかし、何事もなかったかのように悠然と立つ建物があった。
その名はアリシェル・ナボイ劇場。旧ソ連時代、モスクワ、レニングラード、キエフのオペラハウスと並ぶ4大劇場と言われたが、この劇場を建てたのは、永田行夫隊長以下457人の旧陸軍航空部隊の捕虜たちだった。
なぜ造れたか。永田の類いまれなる統率力、和の精神、変なものはつくれないという日本人としての誇り……。
ソ連側はノルマの達成度に応じて食事に差を付けようとする。それが社会主義的なやり方だというのだ。それでは捕虜の間の和が崩れる。
永田は、働いて得たものを本人が処分するのは自由という社会主義下で認められている原則を逆手にとる。多く配分された者は多めの部分を少なかった人に与えるということで切り抜けた。
部隊の名簿を持ち帰れないため、永田は全員の名前と住所を必死に暗記する。この書を読んでいると、日本人が真から誇らしくなる。
以上
これまでの書評は「日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた」特設サイトに掲載しておりますので合わせてご覧ください。
ナボイ劇場正面画像
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