時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

シルクロードで仏教遺跡を発掘した第一人者 加藤九祚さんのお別れの会

11月3日に国立民族学博物館名誉教授であり文化人類学者・考古学者の加藤九祚さんのお別れの会が開催された。400人以上の人が詰めかけ、後方には立たれている方も大勢おり、急遽別の会場が用意されたほどで加藤さんの人柄が偲ばれる会だった。

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私もスピーチにて加藤さんの人柄やエピソードを話した。一部紹介したい。
酒を愛し、誰とでも隔てなく付き合う人柄は老若男女を問わず人を魅きつけた。底抜けに明るく、シベリアに送られた際にはソ連に留学したと思いロシア語を習得された前向きな人柄でもあった。

司馬遼太郎氏は「文化人類学というのは学才以外に徳がなければできない学問だ。加藤さんは天性この学問を耕す素質を持っており、世界中のどの文化に属する人も九祚さんの人柄がわかってしまう」と魅力を語っていたほどだ。シルクロードに「加藤の家」を建て、歌も作って若い人と発掘と研究人生を楽しんだ現場の人でもあった。

小池百合子さんや、中山恭子さんなど中央アジアと縁の深い方々、多くの学者、中央アジア各国の大使も来ていた。

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※画像左よりファルフ・トゥルスノフ駐日ウズベキスタン共和国特命全権大使、ギュルセル・イスマイルザーデ駐日アゼルバイジャン共和国特命全権大使 、ハムロホン・ザリフィ駐日タジキスタン共和国特命全権大使


ウズベク大使もスピーチされ、ウズベキスタンと加藤さんとの関わりやエピソードを披露された。一部紹介したい。

加藤先生が熱心に打ち込まれた研究については、ウズベキスタンの歴史の教科書でも取り上げられています。

イスラム・カリモフ初代大統領は、加藤先生の多大なる学術的貢献をたびたび讃えてこられました。2014年5月にサマルカンドで開催された国際会議「中世に生きた東洋の学者、思想家の歴史的遺産と現代文明におけるその役割と意義」において、カリモフ大統領は、加藤先生は中央アジアの偉大な研究者であり、その学術的活動は中央アジアの歴史や民俗学、考古学、芸術の未知なるページを開いたと述べられました。

2002年には、ウズベキスタンと日本の友好関係の強化と学術交流の発展における加藤先生の多大なる貢献を讃え、先生の80歳のお誕生日に大統領令により、高位の国家勲章であるドゥストリク勲章(友好勲章)が授与されました。

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着席で14時から18時すぎまで行なわれたが、途中で帰る人はほとんどいなかった。
奥様の定子さんも非常に喜ばれており、非常によい会だった。

私が会長を務めるNPO法人日本ウズベキスタン協会では毎年1月に在日ウズベク人やウズベキスタンに縁のある方々の交流の場として新年会を開催しているが、加藤さんも毎年お越しいただき、多くの方に囲まれお酒を嗜まれていた。以前トークショーにも出ていただいたことがある。

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年明け1月21日の午後に開催予定の新年会には定子さんをお迎えする予定。詳細が決まり次第、本ブログ、オフィシャルサイト、ウズベキスタン協会のサイトやFacebookに掲載。多くの方にお越しいただけることを願っている。

※加藤さん関連の私の寄稿記事等
・10月24日の毎日新聞5面総合欄の「悼む」
  愛された現場の人 

TBSラジオ森本毅郎・スタンバイ」の「日本全国8時です」 9月20日
 ~シベリア抑留から70年 井上靖、司馬遼太郎をも魅了した 文化人類学者の逝去~

 

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