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平和祈念展示資料館 「シベリアの記憶 家族への情愛~香月泰男展」が9月4日から開催

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スタッフからのお知らせです。

新宿の住友ビル33階にある平和祈念展示資料館では、自身のシベリア抑留の体験を描いた「シベリア・シリーズ」の作者としてよく知られる香月泰男氏の展覧会を9月4日から開催される運びとなられましたのでお知らせいたします。本展覧会は山口県長門市香月泰男美術館と連携した交流展となっています。

香月泰男氏は1945(昭和20)年にシベリア・クラスノヤルスク(※)に抑留され森林伐採等の強制労働に従事し、1947(昭和22)年に復員しました。帰国後、約30年にわたり「シベリア・シリーズ」を描き続け、多くの抑留体験者の絵画を生み出す契機となりました。このシベリア・シリーズの全作品は山口県立美術館が所蔵しています。

クラスノヤルスクの地図

クラスノヤルスクの位置

(※)2018年10月1日追記:当初ネット等で公開されている情報によるとクラスノヤルスクで森林伐採等の強制労働に従事していたという記述があり、ご紹介しておりました。しかしながら、ご本人が書かれた書籍等を読むと一部誤りがあり、当初セーヤ収容所にて氷点下30度の厳寒下での森林伐採作業、途中でソ連の将校などに絵を描くように命じられ何度か絵を描いていたようです。その後、クラスノヤルスクでは当初、絵を描く仕事に従事していました。その後、絵を描く仕事が減少したためクラスノヤルスクには残らずチェルノゴルスク収容所に移動し、炊事の手伝いや、エニセイ河岸辺の製材工場での資材選別、製材助手、荷下ろし等の作業に従事していたようです。

戦争に翻弄された画家たちについて作品と共に紹介されている本『「戦争」が生んだ絵、奪った絵』には、香月泰男氏について東京美術学校(現在の東京藝術大学美術学部)の後輩である東京藝術大学名誉教授の野見山曉治氏が香月氏とのエピソードを交えた作品の解説が掲載されていますのでご興味をお持ちの方は合わせてご覧下さい。

本展では、これまでほとんど館外に出ることのなかったシベリア抑留関連の作品と家族の情愛を描いた作品や入隊以来手放すことのなかった絵の具箱や軍事郵便が展示されます。

期間は前期が9月4日~30日、後期が10月2日~28日まで。入場が無料となっており、貴重な作品が見られる機会となっています。詳細は以下リンクを参照下さい。

また、9月2日まで「従軍カメラマン小柳次一の二つの眼」として、陸軍嘱託の従軍カメラマンとして活躍した小柳次一氏の写真を含めた展示が開催中です。こちらも見所の多い展示となっておりますので足を運んで頂けると幸いです。

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