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時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

本日のトークファイルの内容~ODAから考えるさまざまな問題~

スタッフです。
本日の「森本毅郎・スタンバイ」のトークファイルの音源が掲載されました。要約は以下の通りです。

テーマ:海外にお金ふりまく日本。中国に対抗か?

7月下旬に日経がフィリピンのマニラの鉄道整備事業に2400億円の円借款を出すと報じた。アジアに質の高いインフラ投資を目的とした投資。その他にもインドのニューデリー高速鉄道整備に1400億円、インドの貨物専用鉄道整備に1361億円、インドのデリー高速輸送システム整備に1279億円、ウクライナの下水処理事業に1081億円、タイ、ベトナムミャンマーの鉄道整備などにも円借款を実施する。

先ほど、ネパールに(国連が)11億円出せないというニュース(国連は10日、今年10月までのヘリコプターの借り上げなどに必要な22億円余りのうち、これまでに集まったのはおよそ半分の11億円にとどまっており、ヘリコプターによる支援物資の搬送を資金不足のため今月末で中止せざるをえないと発表)もあったが、東南アジア中心に1千億円規模の融資が行なわれる。

これらは、無償援助と円借款両方行なわれる。円借款金利0.01%と低金利円借款といっても返してくれない場合が多い。要するに援助的なものをもっているからということだと思う。外務省発表のデータを見ると返済は非常に滞り、過去10年間で2兆円しか返っておらずこげついている。

日本もおカネがあるときは外交の手段として奢ってきた。外交に活かせばよいが、最近の外交は中国が西沙、南沙、東南アジアへの進出している状況もある。これまでアフリカ、中東への援助が主だったが、最近はアジアに戻ってきた。この動きからも中国に対抗しようという意識が非常に強く見える。

途上国に援助するのは悪いことではないが、現状から鑑みるとそんなに出してよいのか。先進国はGDPの0.7%援助するのがよいと言われるが(1970年、国連総会にて政府開発援助の目標を国民総生産(GNP)の0.7パーセントと定めた。現在は国民総所得(GNI)として言及されている。)、日本は0.3%も達しておらずGDP対比でみると少ないとも言われる。近年、日本は景気が良くないので、徐々に援助の金額も減少。その中で、最近は中国を意識してか、東南アジアに特化しているのが日本の援助の特徴。

ただ、日本は借金大国であり、国内で困っている人から見るとどうなのかという意見もあるだろう。例えば待機児童の問題では、5000億円をかけると7万人の待機児童を解消できる。先ほど挙げたフィリピンの2400億円あれば3万人の待機児童が解消できるようになる。また、たびたび話題に上がる特別養護老人ホームの待機者は全国に52万人。12億5千万円で100人規模の施設が都内に建設できることから鑑みると、これも2400億円あれば2万人近い人が施設に入れる。さらに、東日本大震災の復興も問題があるが、東日本大震災で6000軒もの家が失われたと言われる。住宅復興には1千万円から2千万円の費用を要し、平均15千万円位ということから考えると、2400億円で1万6千軒もの家を建てられる。

そういう視点からODAと今の日本の現状を考えると少しバランスが良くない。日本がODAを行なうのは非常に大切だが、もう少し説明をうまくしないと、日本の国内をどうしてくれるのかという疑問も出てくるだろう。

海外にいい顔をしているが、借金は1057兆2235億円(財務省が8月10日に発表した、今年6月末時点の金額)と過去最大。その他、国立競技場の無駄遣いの問題が出てきて、それ以外にも様々な問題が日本国内にはある。

政府は海外へのODA、国内問題、無駄遣いといったことをバランスよく説明しないと、ODAはいけないというような間違った議論が出てくるのではないかと語っております。