時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

バブル時代が懐かしい?

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出典:「労働生産性の国際比較2021」日本生産性本部

 バブル時代が懐かしいと思う人が多いらしい。バブル景気に沸いたのは1986年から91年頃の5年間だ。成長率は平均で5~6%、生産コストが上昇していたが、賃金もコストを上回って上昇した。人々はおいしい料理に舌鼓を打ち、贅沢品に惜し気もなくお金を使った。海外旅行が人気だったし、国内の温泉宿を予約するのが難しかった。バブル景気を満喫したのは当時の30歳~50歳の人が中心で、当時20歳以下の若者は、バブルに遅れた世代で後によく「バブル時代ってそんなに良かったの? 自分達ももう少し早く生まれていればなあ」とうらやましがっていた。

 

 

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画像:「労働生産性の国際比較2021」日本生産性本部

人口減少時代の準備は万全か 日本もいずれ移民受け入れ国に

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我が国の人口の推移

世界の人口が減少時代に入りつつある。アメリカ、ワシントン大学の予測では2064年の97億人がピークだと指摘。国連の推計でも2100年頃から減少に向かうかもしれないと予測している。人口が減ると経済は低成長時代に入り、高齢化社会へのスピードが早まり社会保障の負担が増加する可能性も大きくなる。ハイテク化などで生産性が増大しないと人類の繁栄に急ブレーキがかかる懸念が高まってくる。

 

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画像:総務省28年度版白書「人口減少社会の到来」

11月21、28日(日) TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』21:30 ゲスト:藤原博史氏(迷子になったペットを探す動物専門の探偵)二夜目音源掲載

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11月21日、28日(日)のTBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)は迷子になったペットを探す動物専門の探偵の藤原 博史氏をお迎えしました。

28日の二夜目では、幼少時代から昆虫や動物が大好きで好奇心旺盛なあまり中学3年の時に家出。野宿生活をする中で野良犬や野良猫と抱き合って暖を取ったり、一緒に食事を探した経験から、屋外の猫に近い視点や“野性の勘”を習得したことが今の仕事に生きているというペット探偵の奮闘記とその人生観について伺いました。

ゲストの方に定期的にお伺いしている『おもわずほほえんだ話』は、
ペットの捜索中は割とシリアスな状況です。最近よくメディアに取り上げて頂くようになり自分がペットの捜索をしている表情を見ることが出来るようになりました。殺伐とした表情で、こんな感じなのかと思い、いなくなったペットを発見することが出来た時に微笑んでいるのかなと思っていたのですが、どうやらペットがもう逃げられない確実な状況になるまでは殺伐とした表情が続いていました。やっとその状況になると自然に微笑んでいるのだなと、真剣に仕事に取り組む藤原氏の様子が手に取るようにわかるエピソードを披露頂きました。

音源は、5日(日)までradikoにてお聞きいただけます。

11月28日に放送した一夜目ではペットを捜索する際は、飼い主からペットの性格や生活環境、身体の特徴などを聞き取りカルテを作成。これまで受けた捜索依頼は3000件以上でその発見率は約8割。100件依頼があれば100通りの捜し方が必要というその舞台裏について伺いました。

 

藤原氏が上梓された書籍と代表を務める「ペットレスキュー」ホームページをご紹介いたしますので、ご興味をお持ちの方は参照ください。

今回の放送で「嶌信彦のエネルギッシュトーク」から放送回数が通算1000回を迎えました。2002年10月13日の初回放送から19年間、支えて下さいましたスポンサーの皆様と長年お聞きいただいているリスナーの皆様、技術など番組の制作に関わっていただいている皆様に感謝申し上げます。

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次回、12月5日はゲストに評論家で慶應義塾大学教授の片山 杜秀氏をお迎えいたします。

1ドル=360円が変わった日

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第二次大戦後の世界の通貨体制は、アメリカのブレトンウッズ会議で合意をみて「ブレトンウッズ体制」と呼ばれていた。アメリカは金1オンスを35ドルとし、35ドルを持ってくれば金1オンスと交換するとしていた。通常の貿易取引などはドルで行なわれていたが、いつでもドルと金を交換することを約束していたわけだ。金との交換の裏付けがあったため、ドルは世界の基軸流通通貨となって貿易取引に使われていたのである。

ところが1971年8月15日に、アメリカは「ドルと金の交換停止」を突如発表した。ベトナム戦争の戦費などでアメリカの財政赤字が膨れ上がり、貿易も日本や西ドイツが輸出競争力を強めてきたため、アメリカは貿易赤字国に転落し、ドルが弱体化していた。この流れを見た各国は、弱くなるドルを持つより金に交換した方が安全と考え、ドルをアメリカに持ち込み金との交換を要請し始めたのだ。アメリカは持ち込まれたドルと金の交換に応じていたが、アメリカの持っていた金準備高は、海外が保有するドルの25%まで減少してきたため、遂に当時のニクソン大統領が突然、金とドルの交換を停止すると宣言したのである。これが有名な通貨のニクソン・ショックだった。
 
その結果、各企業や個人は金との裏付けが無くなるドルを持っていても損するだけと考え、世界の市場でドル売りが殺到することになる。日本では相場安定のため中央銀行(日銀)がドル売りを買い支えたが、10日後の28日には日本の外貨準備(ドル)がアメリカを上回る規模まで膨らみ、遂に耐えきれず固定相場を放棄。一時的に市場の流れに任せるようになる。

市場が混乱したのは日本だけでなく世界全体も同様となっていたため、世界の市場の混乱を抑えようと、それまで1ドル=360円だった固定相場を日本は1ドル=308円とするが、それでもドル売りは治まらなかった。結局日本も73年に固定相場制を断念。世界の主要通貨は相次いで市場の流れに任せる「変動相場制」に移行したのである。
 
変動相場制への移行によって市場が国際収支の不均衡を自動調整するようになったが、相場が激しく揺れ動き金融危機が頻発するようにもなってきた。1971年に金・ドル本位の固定相場制が崩壊すると主要通貨が相次いで変動相場制に移行し、市場の乱高下が常態化するようになる。

今後の通貨体制の焦点は、中国の人民元の行方だ。中国のGDPは2010年に日本を抜きアメリカに次ぐ第二位の経済大国になった。2030年には経済規模でアメリカを抜くといわれ、物価の差を調整すると2017年にすでに逆転したともみられている。中国は広域経済圏構想「一帯一路」の沿線国やアジア太平洋の島しょ国と東南アジア、インド洋諸国にも影響力を急速に強めており、通貨はいずれドル対人民元の勢力争いになりそうだ。

第二次大戦前は、イギリスがアフリカ、インド、アジア、オーストラリア、南米、アメリカなどに植民地を持ち、世界の覇権を握っていたことから、英国・ポンドが世界通貨の中心となっていた。しかし第二次大戦でアメリカの支援を受けてからポンドの勢いは衰え、変わってドルが戦後の基軸通貨になった。通貨と国力は密接な関係を持っているのだ。日本のYENは、1970~80年代にアメリカの国力が衰えていた時期にかなりの地域で通用したが、日本のバブルが崩壊し、日本の国力が世界で20位台位の実力まで落ちてしまった現在は、YENの実力はいまや見る影もない。
 
プラザ合意ではニューヨークのプラザホテルで米・英・独・仏・日本の蔵相、中央銀行総裁が集まり、為替レートの安定化策について基本合意したものの長くは続かなかった。ポンド危機(92年)、メキシコ通貨危機(94~95年)、アジア通貨危機(97年)などが続き、2008年にリーマン・ショックが起きると円は歯止めなく円高に上昇し、2011年にはついに1ドル=75円32銭の最高値をつけるに至った。さすがにその円高は、その後市場で修正されてゆくが、2021年10月13日現在は、1ドル=113円台後半で動いている。

私は1971年に地方勤務を終えてカブト町(証券市場)担当になったが、初めのうちはプラザ合意で円が1ドル=360円から308円に決められた時は、なぜ1ドル=360円から308円になると“円高”と呼ぶのか、その理屈がよくわからずに苦労したことを覚えている。360円から308円になるのは“円安”ではないかと思えたからだ。その後、これまで360円を出して買っていた同じ品物が308円で買えるようになったのだから円の価値が上昇(円高)したのだと気づくまでに、理屈では理解しても人間の皮膚感覚として納得するまでにかなりの時間がかかったことを覚えている。
 
当時は円高になると日本製品の輸出が落ち込むとみられ、“円高悪玉”論が日本を支配したのだ。しかし冷静に考えれば、それまで360円出さなければ買えなかった品物が308円で買えるようになったのだから、輸出には円高は不利に働くが輸入価格では、これまでと同じ品物を安く買えるのだから、日本の国力は上昇したと考えれば良いわけである。しかし当時は円高になると輸出をして同じ品物を売っても入手できる額は360円から308円に減ると考える人が多く円高になれば同じ製品を作っても輸出手取り額が減ってしまうと懸念する風潮が日本を覆ったのだ。

こうして為替レートが変動すると輸出の手取り円換算価格が減ることを懸念して日本中に一時的な円高不況論、円高脅威論が日本を席巻した。しかし、1ドル=75円は行き過ぎだと理解されて現在は110円台に落ち着いているわけだ。

日本は戦後一貫して固定相場制で為替を捉えていたので、変動相場制への転換期には、理解不足から混乱が生じたといえる。しかし、現在はすっかり変動相場制の為替の扱いに慣れたといえよう。

【Japan In-depth 2021年10月13日】

Japan  In-depth様のサイトには冒頭にまとめが掲載されておりますので、そちらも合わせてご覧下さい。

 


なお、嶌が以前記したニクソンショックに関するコラムがございますので、よろしければ合わせて参照ください。


■参考情報
昨日(11月15日・日本時間11月16日朝終了)のニューヨーク市場の金先物ドル円終値は以下の通り。
ニューヨーク商品取引所COMEX)1オンス=USD 1,866.60  -1.90(-0.10%)(12月渡し)
・ニューヨーク外国為替市場 USDJPY 1ドル=114.12


画像:NYプラザホテルオフィシャルサイトより

老いたる途上国に逆戻りも 気が緩んできた日本人?

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 日本はこの30年間、ほとんど成長ができていない。投資資金はあるのに、ただ手元に持っているだけで新規開拓への飛躍を試みていないのだ。このままだと日本は「老いたる発展途上国」に先細りしていくことになるだろう。

 

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厄介になる米中とのつきあい方

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 アメリカのバイデン大統領は、このほど20年に及んだアフガニスタンの反政府武装テロ組織タリバンに勝利し、8月末にアメリカ軍を同地域から撤退させた。アフガニスタンは、中央アジア5ヵ国と隣接する地政学的な要衝の地に位置しているだけに撤退後に再びテロが拡大するのではないか、との懸念を持たれている。

 

 

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画像:photoAC(はむぱんさん)

3日(日) TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』21:30 ゲスト:高橋素彦氏(新潟医療福祉大学講師・義肢装具士)二夜目音源掲載

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3日(日)のTBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)は義肢装具士の高橋 素彦氏をお招きした二夜目をお届けしました。

大学で精密機械工学を学び内装業の会社に就職したが、義肢装具に興味を持ったのは22歳の時。義肢装具を仕事にしようと決意した経緯や、初めて義足を付けた患者さんの姿を見て感じたこと、障害者がスポーツに取り組むためのサポートや競技で使う用具の研究など、次の目標への意気込みについて伺いました。

ゲストの方に定期的にお伺いしている『おもわずほほえんだ話』は、義肢装具士になって間もなく、先天性の障害を持つ患者さんが通われる科で働いていた。靴の中に入れる中敷き(インソール)を女の子に作った際、初めにインソールを靴に入れ試し履きをしてもらったところ、女の子は靴を履いたとたんに病院中を走りまわり、廊下に出て行ったほど。するとその女の子のお母さんが「もう、大丈夫です。靴が合わないと全くそこから動きませんから。」と言われ、元気に走っている姿をみて思わず微笑んでしまったというエピソードをご紹介くださいました。その姿を見て、思わず涙が出たようです。

患者さんたちに挑戦しろ、挑戦しろというのではなく、自分が挑戦しないといけないという気持ちを忘れずに進んでいかなければならないと思ったという気持ちも披露いただきました。

音源はradikoにて日曜(10月10日)までお聞きいただけます。


全会は、東京2020パラリンピックで、選手村にある「修理サービスセンター」のボランティアスタッフを務め、世界中から集まったエンジニアや義肢装具士と同じ目的を持って働けたことの喜びやエピソード、パラリンピアンが最高のパフォーマンスをできるよう義足や車いすのメンテナンスをしながら学んだことについて伺いました。

合わせて、高橋氏の毎日新聞の記事をご紹介いたしますので、合わせてぜひ以下を参照ください。

 

次回は、京都大学こころの未来研究センター准教授の阿部修士氏をお迎えする予定です。

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