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昨日 TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』21:30 ゲスト:林家たい平氏(落語家)音源掲載一夜目

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昨日のTBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)は落語家の林家たい平氏をお迎えした一夜目をお届けしました。

「落語家になるのを一番反対して一番応援してくれた」と仰るお父様との思い出や、破天荒過ぎて今しゃべれるエピソードが少ないと云うこん平師匠との新幹線旅について伺いました。

音源はradikoにて日曜までお聞きいただけます。

次週も引き続き林家たい平氏をお迎えし、闘病中のこん平師匠の代役として「笑点」の大喜利メンバーとなり先輩たちから教わったことや、電車旅が好きだった志ん朝師匠との旅公演の思い出や、生まれ故郷・秩父の魅力などについてお伺います。


昨日のTBSラジオラジオ寄席』では、『ありがとう林家こん平さん』と題して林家こん平氏を偲ぶ番組が放送されました。愛弟子の林家たい平氏がゲストで出演されております。修業時代の話や林家一門のお話、こん平師匠の芸の魅力など貴重なお話を話されていますので、ぜひお聞きください。日曜までお聞きいただけます。

 

 林家たい平氏が上梓された書籍や落語のDVDやCDの一部をご紹介いたします。合わせてご覧ください。

強権・中国が悩ましい 日米の新政権

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※本コラムは11月下旬に入稿しております。

 

 中国・習近平総書記(国家主席)の権力基盤固めと長期独裁政権への布石が急速に進行している。今や建国、革命の父・故毛沢東主席と並ぶ権威を誇り、”習近平思想”で中国全体を覆ってアメリカとの覇権争いに勝利を目指そうとしているようだ。

 習主席は2012年11月に中国共産党トップの総書記に就任、13年に〝虎もハエも叩く〟猛烈な反腐敗運動を展開して重慶市書記・薄熙来らライバルを次々と失脚させた。16年には別格の指導者である「核心」と位置づけ、17年の党大会で〝習政治思想〟を党規約に盛り込んで後継者含みの人事も見送った。18年には憲法を改正し国家主席の任期を撤廃。19年になると習氏を毛沢東氏以来となる“人民の領袖”の呼称を使用し、さらに20年には清華大学など37大学でマルクス主義毛沢東思想など4科目の必修授業に加え習思想を必修化し、この年の5中全会でも後継者を決めなかった。

 一方で20年末までに“いくらかゆとりのある小康社会”を実現し、35年には1人当たりDGPを3万ドル前後(現在は約1万ドル)に上げてイタリア、スペイン並みの中流先進国に追いつく。またアメリカのハイテク技術封鎖に負けないコア技術の突破を図るとともに、貿易と内需の消費を刺激して21~25年の第14次新5ヵ年計画ではGDPに占める個人消費の比率を現在の約40%から日・米・独並みの5~7割に引き上げ、質の高い“双循環”の成長を目指す。20年末のGDPアメリカの4分の3の水準にし、35年にはアメリカを抜き、全国民の格差をなくして共に豊かな“共同富裕”社会を実現すると宣言している。

 さらに国際的なパワーバランスは深刻な調整時代に入っているので特色ある大国外交を積極的に推進、軍事力の強化も図る。また35年には全ての車を環境対応車にし、従来型のガソリン車などの製造・販売を停止して60年までにCO2の排出量を実質ゼロとする脱炭素社会にすると表明した。新車販売台数で世界最大の中国が脱ガソリンで先行すれば、中国を最も大きな輸出市場とする欧米や日本の自動車メーカーも追随せざるを得なくなることが必至だ。

 中国革命100周年の2049年には、世界一豊かで強い国になると宣言しているが、新大統領を決めたアメリカと発足したばかりの菅政権は今後米・中二極の覇権争いの時代に突入した時、どう折合いをつけてゆくつもりなのか。親米路線を貫きこれまで通りアメリカに追随してゆくのか、それとも米中の衝突を避ける独自外交の道を見つけ出すのか。内政で生きてきた菅首相にとっては、この捌きが今後の政権の寿命の長さにもかかってこよう。
【財界 2021年1月6日号 第532回】

■参考情報
・Preliminary Accounting Results of GDP for the Fourth Quarter and the Whole Year of 2020 1月20日 中国国家統計局
 中国は、昨年の第四四半期と2020年通期のGDPを発表した。通期で101兆5986億元(約1628兆円、1元=16.02元)前年比2.3%増。
 http://www.stats.gov.cn/english/PressRelease/202101/t20210120_1812680.html

 日本語ニュースは「中国経済のGDP100兆元突破、質の高い発展と活力の表れ」(1月22日 AFP)を参照ください。
 https://www.afpbb.com/articles/-/3327630

画像:Photo AC ハダシストさん(天安門)

「国際主義」に戻るバイデン大統領 -分断回復には長い時間も-

84年7月にサンフランシスコで行われた民主党大会 嶌信彦撮影

84年7月にサンフランシスコで行われた民主党大会 嶌信彦撮影

 1月20日アメリカの新しい大統領に民主党ジョー・バイデン氏が就任する。

 「分断ではなく結束をめざす大統領になることを誓う。アメリカを赤い州(トランプ支持の中西部)と青い州(バイデン支持の東部、西海岸中心)に分けてみるのではなく、合衆国としてみる大統領となる。アメリカの品位を回復し、民主主義を守り、この国の人種的平等を成し遂げ、すべての人に公平な機会を与える国にすることを誓う」と第一声を述べ、「我々の仕事は新型コロナを制御することから始まる」と宣言した。

 アメリカの第46代大統領になるバイデン氏は、就任の時に78歳2ヵ月目となり史上最高齢の大統領となる。もしバイデン氏が死亡したり、辞任した場合は憲法の定めにより副大統領が昇格する。その副大統領に指名されているのは、カマラ・ハリス女史だ。ジャマイカ系の父とインド系の母を持つ移民二世の女性、アジア系、アフリカ系上院議員で56歳。

 「私は女性として最初の副大統領になるが、最後にはならない。なぜならここは可能性のある国だということを全ての少女が目の当たりにしたからだ」と述べると、会場から大歓声が上がり目に涙を浮かべる女性もいたという。ハリス氏はカリフォルニア大に入り社会改革を目指して検察官となり、「次のオバマになるかもしれない」と早くも4年後の有力な大統領候補との声が出ている。

 バイデン氏は東部ペンシルベニア州の炭鉱町で生まれ、労働者層の家庭で育った。ロースクールを出て共和党系の弁護士事務所で働くが、共和党ニクソン元大統領を嫌い民主党に入り、30歳の時に民主党上院議員に当選する。以来、上院議員として外交委員長や司法委員長などを務め、オバマ政権で副大統領職につき、政界では44年の議員歴を持つ国政通として知られてきた。

 ただ家庭的には不幸が重なっている。議員就任直前に大学在学中に恋をした最初の妻ネイリアさんが交通事故で長女ナオミさんと共に死亡。2人の息子も重傷を負った。また副大統領在職中には長男のボー・バイデン氏(当時46歳)が脳腫瘍で亡くなっている。ボー氏はデラウェア州司法長官を務めるなどバイデン氏と同じ政治の道を歩んでいた最愛の息子だった。現在の妻ジルさんとは77年に再婚している。

 バイデン氏は、トランプ大統領とは異なり国際協調路線を進め、同盟国との関係を重視する安保外交、通商路線に戻る方針だ。人権や気候変動にも理解を示し、トランプ政権が離脱を表明したパリ協定や世界保健機構(WHO)に復帰すると明言。イランとの国際的核合意にも戻る予定とみられる。中国との関係については「重大な競争相手」とみなす考えは変わらないものの、トランプ政権が行ったような制裁関税の報復合戦は行わない模様だ。対日政策に関しては“アジア政策でカギとなるのは日本だ”としているが、防衛負担の増加を求めてくる姿勢は変わらないとみられている。

 国際主義で多様化に理解があり、人権や環境問題にも関心の強い中流出身のバイデン氏の大統領就任には、トランプ大統領の考え、方針に戸惑っていた欧州諸国や日本にとっては歓迎だろう。ただ、バイデン氏の就任でかつてのアメリカに戻るかといえば、必ずしもそうはならないとみる人が多い。トランプ政権のように“アメリカ第一主義”になることはないにしても、今のアメリカにはもはや“世界の警察官”になる力はないだろうし、国内産業の保護を重視する姿勢には変わりはないとみられているからだ。またバイデン氏が勝利したとはいえ、トランプ氏もバイデン氏に迫る7000万票台の支持を獲得しており、早急にアメリカ社会の分断が埋まるとみる人も少ない。

その意味では、中国が急速に台頭してきている今日の国際情勢の下では、世界各国の分担の割合が強まっていく可能性の方が強いのではないだろうか。
TSR情報 2021年1月12日】


【参考情報】
・バイデン氏は政権移行に関して幅広い支持を得たが、共和党の根強い懐疑論が広がっている ポスト-ABC世論調査
(Biden wins wide approval for handling of transition, but persistent GOP skepticism on issues will cloud the opening of his presidency, Post-ABC poll finds)1月17日 ワシントンポスト電子版
 ワシントンポストとABCニュースは共同で行った世論調査を17日に発表した。バイデン次期大統領の政権移行方法への支持は67%、不支持は25%だった。歴代の大統領就任直前の支持率と比較すると、トランプ大統領の40%を大幅に上回ったものの、オバマ前大統領(80%)、ブッシュ(子)元大統領(72%)、クリントン元大統領(81%)には及ばなかった。
 内容はトランプ大統領ツイッター凍結に関する設問など多岐にわたり、1月10~13日に無作為に抽出された1002人の大人に対し電話調査を実施した。 

調査の全容は以下を参照ください
 https://wapo.st/35Suv3F
時事通信が伝えた日本語ニュースは以下を参照ください。
 https://www.jiji.com/jc/article?k=2021011800175&g=int

昨日 TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』21:30 ゲスト:奈良岡朋子氏(役者・劇団民藝代表)音源掲載 二夜目

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10日のTBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)は役者で劇団民藝代表の奈良岡朋子氏をお迎えした二夜目をお届けしました。

舞台「放浪記」で森光子氏と共演された時のエピソードや、黒澤映画に出演されたときの思い出、唯一の同志・大滝秀治氏との約束、ご自身の戦争体験やライフワークの朗読公演などについて伺いました。

印象に残っている舞台のお話や大滝秀治氏のあだ名の由来なども伺っております。

 音源はradikoにて日曜までお聞きいただけます。


今年の夏もライフワークとされている朗読劇『黒い雨』が予定されています。講演情報は劇団民藝様のサイトを参照ください。


前回は洋画家だった父から画家か役者かの選択を迫られ、1人で描く画家でなく役者の道を選択した理由や、映画で見た宇野重吉氏らの顔が見られると思い、弾みで受験して入ったと仰る劇団民藝について伺いました。


奈良岡氏と苦楽を共にされてきた大滝秀治氏のエピソードを語られた大滝氏の書籍やエピソードが掲載された書籍、出演作品などの一部をご紹介いたします。

 

次回は、落語家の林家たい平氏をお迎えする予定です。

小さな改革だけではダメ 菅政権2カ月の印象

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※本コラムは11月下旬に入稿しております。

 菅政権がスタートして2ヵ月が過ぎた。携帯料金の値下げ提案など生活に関係した改革方針がいくつか打ち出され、東南アジアにも出かけた。忙しく"やっている"感はあるものの、菅政権の思想や哲学、軸などはまだ見えてこない。

 安倍前政権は、保守思想を売りものにしていた。憲法改正を事ある毎に口にし、安保法制の実現に力を入れた。菅新首相は安倍政権下で7年半、官房長官として仕え、安倍路線を継承すると語っている。ただこれまでのところ打ち出されたのは日常生活に身近な提案だけで安倍路線の何を、どのように受け継ぐのか、実のところまだ見えていない。

 菅首相は、安倍政権が専ら外交に傾注している時、官房長官の立場から内政固めに力を入れていた。7年を越す長期の官房長官の在任で内政の隅々まで知り尽くし、各省庁の人脈、人事を把握した菅首相の権勢は、いまや及ぶ者がいないほど強くなっている。このため各省庁の官僚たちは戦々恐々の思いで菅政権の出方を見つめていよう。

 菅首相は、安倍政権時代の「未来投資会議」を廃止して菅氏肝入りの「成長戦略会議」を立ち上げた。地銀再編やデジタル庁の設置、ハンコの廃止、不妊治療への支援拡大、訪日外国人客の増加対策などを打ち上げているが、当面の焦点としては携帯電話料金の4割値下げし改革実現内閣を印象付けようとしている。さらに新型コロナ禍対策としてオンライン診療を原則恒久化することや遠隔教育などのための教育のデジタル化促進、書類の多い契約の電子化などの法改正も課題に上げた。またこの会議の委員には従来のような経団連企業のトップなどでなくITやベンチャー企業、現場の人物などを重視する方針という。

 日本の産業構造は、従来の鉄鋼、電力など"重厚長大"型からIT、流通、デジタルなど"軽薄短小"型に変化してきているが、政策や諮問委員会の担い手も新しい方向に変えようとしているようだ。

 ただ、身近な課題を重視し、国民に改革の成果を実感させようとする意図はわかるものの、菅内閣が国家の方向をどのように導いてゆこうとしているのか、その”国家軸”がまだはっきり見えてこない点は気になる。アメリカと中国の間で日本はどんな外交方針で進んでゆこうとするのか。長期的な社会保障制度改革や財政の健全化などをどうするのか。国際的な経済競争力が中流程度にまで低下してきた日本を再び最上位圏まで復帰させるには、どんな工夫が必要なのか──など、大きな構想力を持たずに小さな改革だけを積み重ねても"井の中の蛙"に終わってしまう危険が強いだろう。
【財界 2020年12月9日 第531回】


■参考情報
菅内閣 支持と不支持初めて逆転 世論調査 1月12日 NHK
 NHK世論調査によると、菅内閣を「支持する」と答えた人は40%、「支持しない」と答えた人は41%で、去年9月の菅内閣発足以降初めて支持と不支持が逆転。対象は2168人で、59%にあたる1278人から回答。新型コロナウイルスをめぐる政府のこれまでの対応について、「大いに評価する」が3%、「ある程度評価する」が35%、「あまり評価しない」が41%、「まったく評価しない」が17%。 

 複数社で世論調査を実施しているが、いずれも支持が41%代となっている。

 

画像:内閣官房ホームページ

日曜(10日) TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』21:30 ゲスト:奈良岡朋子氏(役者・劇団民藝代表)音源掲載

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10日のTBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)は役者で劇団民藝代表の奈良岡朋子氏をお迎えしました。

洋画家だった父から画家か役者かの選択を迫られ、1人で描く画家でなく役者の道を選択した理由や、映画で見た宇野重吉氏らの顔が見られると思い、弾みで受験して入ったと仰る劇団民藝について伺いました。

音源はradikoにて日曜までお聞きいただけます。

次週も引き続き奈良岡氏をお迎えし、舞台「放浪記」で森光子さんと共演された時のエピソードや、黒澤映画に出演されたときの思い出、唯一の同志・大滝秀治さんとの約束、ご自身の戦争体験やライフワークの朗読公演などについて伺う予定です。

奈良岡氏と苦楽を共にされてきた大滝秀治氏のエピソードを語られた大滝氏の書籍やエピソードが掲載された書籍、出演作品などの一部をご紹介いたします。

中国から東南アジアへ

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 中国から再び東南アジアへ――日本企業の進出先が一時の中国中心から再び東南アジアへと戻ってきた。東南アジアの経済規模は中国の二割程度だが、米中貿易戦争で中国リスクが高まる半面、東南アジアはミャンマーベトナムなど新興国が増え、さらに成長が期待されるからだ。

続きは、本日配信のメールマガジンまぐまぐ」”虫の目、鳥の目、歴史の目”にてご覧ください。(初月無料)

 

画像:外務省ASEANページ

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