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北の脅威対策はアメリカ頼みだけか?

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 北朝鮮は29日、中距離型の弾道ミサイルを発射した。北海道・襟裳岬上空を通過し、同岬の東約1180キロメートルの太平洋上に落下し飛行距離は2700キロだった。北朝鮮からの事前通告はなく、政府は発射直後に「全国瞬時警報システム・Jアラート」を発し、自治体や住民に警戒・避難を呼びかけた。Jアラートは北海道など12道県に流され、住民たちは突然のアラート報に仰天していた。と同時に「避難をして!と言われたがどこに避難していいのかわからない」と戸惑いの声が多く聞かれた。また新幹線やJRが一時運転を見合わせるなどの混乱もあった。

 安倍首相は「わが国を飛び越えるミサイル発射という暴挙はこれまでにない深刻かつ重大な脅威だ」と北朝鮮を非難する一方、「政府は発射直後からミサイルの動きを完全に把握していた。緊張感をもって国民の安全、安心の確保に万全を期していく」と述べた。しかし迎撃は行なわれず、北朝鮮の行動を抑止する対応は一段と困難になったことを見せつけたのが実情だ。結局、アメリカや中国、韓国などと連係して北朝鮮に強い圧力を加えるという従来の主張を繰り返すだけだった。

 北朝鮮はアメリカの脅しにひるんだという見方もあったが、3日後にはミサイルを発射した結果となり、国連や関係国の警告、経済制裁などには聞く耳を持たないことを改めて知らされた格好となった。

 日本としては制裁強化やアメリカなどとの連携強化が必要ではあるものの、まず第一にミサイルがどこに落ちるのか、避難をどうしたらよいのか――などの正確な情報をいち早く国民に知らせる処方箋を打ち出すことが最も大事になってきたのではないか。北海道沖で漁業中だった15隻の漁船は、警報を聞いたが、どの海域が危険なのかわからず約10隻はそのまま操業、5隻は波が高かったので帰港したという。Jアラートが出されたものの、基本的な情報が殆んど伝わっていなかったということだ。国民の心配は身近な避難の方法を知りたいことにあるわけで、政府は今後その対応に知恵を絞るべきだろう。北朝鮮への圧力とか各国の連係は当然必要だが、北朝鮮が直ちに反応するとは思えないので、まずは自分たちの身の安全の守り方に政府は全力を尽くすべきではないか。これで日本を通過した中距離弾は5回目となった。

 政府は昨年夏から自衛隊に対しミサイルの破壊措置命令を常時発令状態しており、イージス艦日本海に展開し、地対空誘導弾PAC-3(34基)も飛行ルートとみていた中国・四国地方に移動させて事態に備えてはいた。しかし予想外の飛行ルートだったためPAC-3の迎撃は困難だったようだ。また実際に迎撃した場合も能力的に打ち落とせるかどうかについても「困難」との見方が一般的だ。
 
 今後、北朝鮮米朝会談の条件として(1)体制転覆の攻撃などは行なわない(2)核開発を認める(3)経済制裁を行なわない――などの条件を出してくる可能性がある。その場合、アメリカがある程度の条件を呑んで、米朝対話に臨むとすれば日本は置いてけぼりを食う可能性もある。日本としては、日米一致の共同行動の意味もきちんと定義づけておく必要があろう。もし、米朝が水面下で接触しているならその内容を知らせてくれることも約束すべきだろう。

画像:Google Map