12月27日のTBSラジオ「日本全国8時です」の内容~国連加盟60周年 日本は今後どう対応するのか・・・~
12月27日の「森本毅郎・スタンバイ」の「日本全国8時です」の放送内容をお届けします。この日の放送は、森本様と遠藤様がお休みに入られたため、TBSラジオ中村尚登・ニュースデスクと秋沢淳子アナウンサーとともにお伝えいたしました。
【国連加盟60周年】
今年で日本が国際連合(以下、国連)に加盟して60周年を迎えた。国連は1945年10月に設立され70年余りであるが、実は第二次大戦中から準備会議を行なっていた。日本、ドイツ、イタリアは連合国と戦争中であったことからこの中には入っていない。日本の加盟が承認されたのは1956年12月(18日)で、80ヵ国目の承認国となった。日本は国連の前身である国際連盟を1933年に脱退しており、国連への加盟は容易ではなかったため、国際連盟脱退から23年後にようやく国際社会に復帰した。
【連合国軍に加わる】
国連の英語名はUnited Nationsであり、日本語に直訳すると連合国群だ。そういう意味からも、国連の加盟は日本が連合国に入れてもらったということになる。この名前は大戦中に米国のF・ルーズベルトが考えたといわれる。
1942年1月に米、英、ソ連、中国などが連合国宣言を出し、1945年6月に50ヵ国が連合国憲章を起草し署名した。この時はまだ第二次大戦中だったが、戦争の惨害を終わらせるという決意の下に署名された。日本が無条件降伏したのはその後の8月15日であり、その当時は国連に入れるわけがなかった。そういう意味からも日本では国連と言っているが、連合国に入れてもらったというのがスタートであった。
【ソ連に反対されるも・・・】
日本が国連に加盟したきっかけは、1951年にアメリカなどとサンフランシスコ平和条約を結んだ時に国連加盟を申請し、国連憲章の原則を遵守すると誓った。しかしソ連の拒否権で否決された。また当時の国際情勢も複雑だった。
1949年に中華人民共和国が成立。加盟国の中華民国を台湾に追い出した。1950年には朝鮮戦争と社会情勢も非常に厳しい時期だった。そもそもサンフランシスコ平和条約はソ連などを含まない、いわゆる片面講和として主だった社会主義国はこの条約に参加せず、冷戦も厳しくなっていた。このため1951~1954年には新規加盟国はいなかった。
その後、1955年のアジア・アフリカ会議(バンドン会議)に参加し、アジア・アフリカグループの一員であることを示したり、1956年鳩山一郎首相が訪ソして日ソ共同宣言を発表。ソ連との戦争状態を終結させたことによって、ようやく56年12月に加盟を実現させた。
【いまだに残る敵国条項】
国連には敵国条項(※1)があり今もなお続いている。戦争中に作られたためこういった条項となっているが、これも障害の一つであった。これに対して、日本は平和憲法をもつ平和愛好国に生まれ変わったと説得した。また、国連では加盟国に集団安全保障の立場から軍隊を提供することもあり得るとされているが、日本は軍事的貢献以外のあらゆることをするとして軍事協力の義務が保留となり、加盟が認められた。
これらを振り返ってみると、自衛隊の海外派兵などずいぶんと状況が変わった。1990年代までは日本はおカネを出すことで義務を果たしてきたが、”顔”が見えない「ショー・ザ・フラッグ、旗を見せろ」とアメリカなどから批判された。このため、後方支援を目的として自衛隊が出動するようになった。現在は地球上のどこでも支援に行けるよう国内法も変えてしまった。
【常任理事国入りを切望する日本】
そういった状況において日本は安全保障理事国(安保理)の常任理事国に就任したがっている。これはなかなか難しいと思うが、以前から準常任理事国の創設という案を提出しており、それが実現した場合にそこに入れるかどうかがこれからのポイントだろう。日本はこれまで非常任理事国(※2)を11回務めているが常任理事国になると情報量が違うことから常任事理国の仲間入りをしたいと思っている。
近年、国連の力が減少し、世界の中心となる国も徐々にいなくなっている。そういう意味では日本にとってチャンスではあるが、日本がどれだけ国連に貢献しているのかをきちんと示す必要がある。
【日本の存在感をいかに示すのか?】
緒方貞子さんが国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の責任者になり、相当大きな働きをしたということでその当時は存在感があったが、日本人の国連職員は3%弱と少数であり、国連主義ということであればもっと力を発揮していく必要がある。日本はどちらかというと国連決議において、アメリカの言い分を聞き、そこに追随している。そこをどう脱皮するのかということも非常に大事である。
国連は力を失い、世界の中心はアメリカではない。さらに、中国が台頭し、ロシアに対しては制裁中である。さまざまな問題を抱え、転換点であると考えると日本が入るチャンスではある。転換点にさせる力を日本がどう発揮するのかということが、ポイントであろう。
【国連トップが変わる中で・・・】
今度事務総長が潘基文氏から元ポルトガル首相のアントニオ・グテーレス氏に10年ぶりに代わる中(2017年1月1日就任)で、日本がいったいどういう役割を果たすのか。アメリカの新大統領にトランプ氏が就任し、アメリカの外交姿勢もよく見えない。そんな中で国連の存在が薄くなっており、そういう中で日本はいったいどうするのか。国連で決めてきたTPP、パリ協定などをアメリカが否定するという流れになってきている。それらを日本がある程度後押ししていくことができるかどうかということも問題である。
【問題解決もポイントに】
それらの問題を抱えている中でグテーレス氏がどのような手腕を発揮していくのかということも注目される。この方はさまざまな国から人気があり期待も大きいが、今世界はシリア、中東、難民問題、中国の台頭、北朝鮮問題、ロシアへの制裁など多岐にわたるややこしい問題を抱えている。
日本もこれらの問題にある程度力をもっていかないといけない。準加盟国という案もあるが、そこにもなかなか推薦されないのではないかと思う。本気で自分たちが自立し、何が自分たちのとって役に立つのかということを日本人全体が考えなくてはならないと思う。先に行われた日本とロシアの会談では 平和条約の締結には至っておらず、そういった問題を一つ一つ解決していくことも重要である。
※1:国連憲章第53条、第77条1項b、第107条に規定。1995年12月11日の国連総会で賛成多数によって「敵国条項」の削除が採択され、さらに2005年国連首脳会合にて総会決議50/52を考慮し、憲章53条、77条及び107条から旧敵国条項を削除することを決意しているが、いまだに削除されていない。
※2:国連の主要機関である安全保障理事会は米、英、ソ、仏、中国の5ヵ国からなる常任理事国にて拒否権を持ち、そのほかに任期2年で半数の5ヵ国を改選し再任できない非常任理事国にて構成される。
昨日 TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』 ゲスト:池澤夏樹様(作家) 2夜目音源掲載
スタッフです。昨日のTBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30-22:00)は、ゲストに芥川賞を受賞され、多くの翻訳作品も手がけられている作家の池澤夏樹様をお迎えした2夜目の音源が番組サイトに掲載されました。
今回の放送の話に登場した池澤様が手がけられた日本文学全集の「枕草子/方丈記/徒然草」がアマゾンの全集部門で1位となっております。
世界を辺境から見つめ、文学の眼鏡と科学の眼鏡を携え旅先で執筆を続けたこと、「日本文学全集」の編集を引き受けた理由や、父で作家の福永武彦氏への思いなどをお伺いいたしました。
前回放送の30代の3年間をギリシャに住み、40代の10年間を沖縄に暮らし、60代の5年間をフランスで過ごし、現在札幌在住の池澤様に、詩や翻訳、小説、エッセーなど多くの著作物を手がけてこられた作家人生につきお伺いした放送は、今週水曜日まで番組サイトにてお聞きいただけますので、お聴き逃しの方はぜひ合わせてご利用ください。
池澤様の新たな本が「知の仕事術」が12日に発売となりました。混迷を深める現代という時代を知的に生きていくためには、1「情報」、2「知識」、3「思想」が必要です。それをいかにして獲得し、更新していくか、 自分の中に知的な見取り図を作るために、どうすればいいのかということを、新聞や本との付き合いかた、アイディアや思考の整えかたまでを指南されている本です。
さらに、17日には話題の古典新訳を手掛けた作家たちは作品についてどう捉え、どう訳したのかなど作品の魅力や訳の工夫を語った、大好評の古典講義をまとめた本「作家と楽しむ古典 古事記 日本霊異記・発心集 竹取物語 宇治拾遺物語 百人一首」も発売となります。
来週は、愛媛県今治市にある四国八十八カ所霊場57番札所「栄福寺」住職の白川密成様をお迎えする予定です。どうぞご期待ください。
15日 TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』 ゲストに池澤夏樹様(作家)をお迎え 2夜目
スタッフです。15日(日)のTBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30-22:00)は、ゲストに芥川賞を受賞され、多くの翻訳作品も手がけられている作家の池澤夏樹様をお迎えする予定です。
本日アマゾンの全集部門のランキングで池澤様が手がけられた日本文学全集の「枕草子/方丈記/徒然草」が1位となっております。
世界を辺境から見つめ、文学の眼鏡と科学の眼鏡を携え旅先で執筆を続けたこと、「日本文学全集」の編集を引き受けた理由や、父で作家の福永武彦氏への思いなどをお伺いする予定です。
前回放送の30代の3年間をギリシャに住み、40代の10年間を沖縄に暮らし、60代の5年間をフランスで過ごし、現在札幌在住の池澤様に、詩や翻訳、小説、エッセーなど多くの著作物を手がけてこられた作家人生につきお伺いした放送は、来週水曜日まで番組サイトにてお聞きいただけますので、お聴き逃しの方はぜひ合わせてご利用ください。
池澤様の新たな本が「知の仕事術」が昨日発売になりました。混迷を深める現代という時代を知的に生きていくためには、1「情報」、2「知識」、3「思想」が必要です。それをいかにして獲得し、更新していくか、 自分の中に知的な見取り図を作るために、どうすればいいのかということを、新聞や本との付き合いかた、アイディアや思考の整えかたまでを指南されている本です。
さらに、17日には話題の古典新訳を手掛けた作家たちは作品についてどう捉え、どう訳したのかなど作品の魅力や訳の工夫を語った、大好評の古典講義をまとめた本「作家と楽しむ古典 古事記 日本霊異記・発心集 竹取物語 宇治拾遺物語 百人一首」も発売となります。
【年末傑作選】30日のTBSラジオ「日本全国8時です」にて~シベリア抑留から70年 井上靖、司馬遼太郎をも魅了した 文化人類学者の逝去~が再放送 21日のウズベキスタン協会新年会では夫人の定子様をお迎えしたトークショーを開催
スタッフです。
年末年始のTBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ」では「日本全国8時です」の傑作選として昨年放送された中から選りすぐりの話を放送されました。その一つとして、12月30日に嶌の加藤九祚(きゅうぞう)先生の訃報や人生を取り上げたテーマが放送されましたので、改めてご案内いたします。
テーマ:海外で大々的に報じられたある日本人の訃報
【世界で著名な文化人類学者が逝去】
本日は加藤九祚さんをご紹介したい。この方は文化人類学者で考古学者でもある。立正大学の顧問や国立民族学博物館の名誉教授を務められており、シルクロードの仏教遺跡を中心とする考古学や発掘調査で世界的に著名な方。
先週11日にウズベキスタンの発掘調査の現場で体調を崩され、94歳で亡くなられた。海外の報道ではロイター「人類学者、加藤九祚が死去」、韓国の新聞「シルクロード権威者の死去」、何よりウズベキスタンでは大々的に報じられ、ウズベキスタン政府は「国民にとって大きな損失」と悼む声明を発表している。
【5年近くもシベリア抑留を経験、司馬遼太郎氏も称賛】
加藤さんは上智大学の学生時代に出征。満州で敗戦を迎え、シベリアに抑留された。シベリア抑留時に独学でロシア語を学び、1年間でマスター。ロシアのスパイと間違われるほどにロシア語の達人となっていた。4年8カ月も抑留されたが、ロシア語を学ぶことで自分の生きがいを見つけ、ロシア文学に触れていくうちに一人の人物を知る。
その人物は戦時下の軍部の弾圧で死を遂げた親日学者ニコライ・ネフスキーで、ソ連の東洋学者で奥さんが日本人。その生涯から悲劇の天才言語学者と呼ばれ、1915年に留学生として来日したが、その間ロシア革命が起こり帰国を断念。加藤さんは自分の境遇と似ていることで共感し、「天の蛇」を上梓し、第3回の大佛次郎(おさらぎじろう)賞を受賞された。大佛次郎賞とは、第1回が英文学者・中野好夫さん、 哲学者・梅原猛さん、第2回が女性解放運動家・山川菊栄さん、吉田秀和さんなどが受賞されている。
加藤さんのロシアでの生き方に司馬遼太郎氏は感銘を受け、著書「菜の花の沖」の中に「加藤氏はシベリア抑留時代、生命をしぼりとられるような労働の中で、シベリアを観察し(中略)ロシア語をみごとに独習した」と賞賛されている。
【ウズベキスタンで西遊記のルーツを発見】
先ほどウズベキスタンで大々的に報じられたと紹介したが、何故かというと・・・
大学卒業後平凡社(出版社)に就職し、ロシア文学からさらに範囲を広げユーラシアの考古学等の研究をするうちに、シルクロードに関心を持つようになった。定年となった60歳以降、本格的に遺跡の調査研究をはじめる。加藤さんの遺跡発掘デビューは65歳と遅咲きであったが、加藤さんは「人生に、もう遅いはありません。老いは免れませんが、好奇心は抑えられなかった」といい、この年からアフガン国境付近のウズベキスタン・テルメズという地区で遺跡発掘を開始した。
なんと、開始から4日ほどで発掘に成功。その後、続々と遺跡を見つけ大きな功績を挙げ、シルクロードのルーツを遺跡から発見していく。ウズベキスタンは、シルクロードのど真ん中にある国で、かつて西遊記で有名な三蔵法師がこのテルメズを通り、シルクロードを巡り、インドに渡った後仏教の経典を中国に持ち帰った。この仏教の経典が日本にやってきてシルクロードの最東端は日本だと言われる由縁でもあるが、その遺跡を見つけて西遊記のルーツを発見されたともいわれている非常に有名な方である。加藤さんは仏教のルーツを遺跡から発見したともいわれ、仏教遺跡からシルクロードに光を当てた先駆者ともいえる。ウズベキスタンを自分の第二の故郷と呼ぶくらいの拠点とし、現地に「加藤の家」を建て毎年のようにウズベキスタンに出かけ発掘調査をされていた。
【ウズベキスタンの教科書にも掲載される人物】
ウズベキスタンの小学校6年生の公民の教科書には「はるばる日本がやってきて(中略)考古学的発掘に従事している 加藤九祚氏について聞いたことがあるかもしれない。 彼の犠牲的精神に富む、広範な知識は、われわれの歴史全体や 古代の遺跡のみならず、文化的・精神的遺産にも深い理解を示している。(中略)実り多い成果をあげたことにより、ウズベキスタン共和国大統領令に基づいて「友好」勲章をさずけられた」そして、最後には「ウズベクの人びともまた、彼を敬愛するがゆえに「ドラム(日本語で先生の意)」とよんでいる」との記載がある。
【夫唱婦随の考古学夫婦】
私もウズベキスタンとは深い関係があり、日本ウズベキスタン協会の会長を務めている中で加藤さんとは何度もお会いした。ものすごく開放的で、底抜けに明るい人柄で、裏表の全くない人でこの人を嫌いな人はいないという方。お酒が大好きで、自分が発掘したカラテパ遺跡の歌まで作った。今年もいくと聞いた時に仲間たちはこの暑い最中に行って大丈夫なのかと随分心配していたが、加藤さんは生前「私の希望は発掘しながらバッタリ死ぬことだ。」と語られていたがまさに発掘現場で94年の人生を閉じられた。夫人の加藤定子さんも服装史の研究家としても有名で、まさに夫唱婦随の考古学夫婦である。
今回の訃報を受け、盛り暑い時期に発掘調査に行かれない方がよかったのではないかというウズベキスタン協会の会員もいたが、先に紹介したように現地で亡くなられたのは天命だったのだろう。ほぼ同じ時期に、ウズベキスタンのカリモフ大統領が亡くなられたが、このカリモフ大統領も加藤さんの事を非常に敬意を表していた。カリモフ大統領も非常に親日で、91年にソ連から独立した際、国づくりのモデルを日本に求めていた。
【行方が注目されるウズベキスタン】
カリモフ大統領の後は今の首相が本命とみられているが、ウズベキスタンは中央アジアの中心の国であり、万が一混乱が起きるとイスラム原理主義の問題等、他の中央アジアの国への影響も大きい。そういう意味からも次の大統領が誰になるのかということが注目されている。
そのウズベキスタンで歴史、文化、民族、芸術に精通した加藤さんの役割は非常に大きく、「国民の損失」とまでいわれている。日本では文化人類学者・考古学者についてあまり馴染みがないかもしれないが、世界的には大きく報じられている。人柄が非常に良かったということも大きい。私がその意思を継いでというのはとてもおこがましいので、なるべくその意思を担っていけるようにはしていきたい。
※画像は2008年1月に行なわれた嶌が会長を務める日本ウズベキスタン協会の新年会でのトークショーの模様。以下は今年の新年会の模様。
最後に、司馬遼太郎氏が「歴史の世界から」(中公文庫)に記された言葉も合わせてご紹介いたします。
「文化人類学というのは、学才以外に徳がなければできない学問だと思っている」と始まる序文にて、その”徳”を「仏教の慈悲、キリスト教の愛のようなもの」と説明し、「加藤九祚という研究者は、天性、この学問を耕すことに素質をもって生まれついておられるということに、私などしばし目を見はらされる思いがしている」「世界中のどの文化に属する人がみても、九祚さんの人柄というのはわかってしまうのである」
ご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。
上記が放送内容です。
加藤先生も毎年楽しみにお越しいただいておりました恒例の日本ウズベキスタン協会の新年会が1月21日(土)に開催されます。
今回は、加藤先生の奥様であり、中央アジアの服飾研究家である定子様をトークゲストにお招きし、加藤先生の思い出を語っていただく予定です。
また、お正月を彩るウズベクダンスのほかコントラバス、バイオリン、電子ピアノで「からたちの花」「ウズベクタンゴ」などお正月らしい曲の演奏で会場を盛り上げていただく予定です。なお、バイオリンを弾いてくださる黒柳紀明氏の父上の黒柳守綱氏はシベリア抑留から帰還後、NHK交響楽団のコンサートマスターを務められています。
今年も在日ウズベク大使館からプロフやサムサなどの差し入れもありますので、多くの方のお越しをお待ちしております。
画像:以前大使館よりご提供いただいたウズベク料理、プロフやサムサ
[日 時]2017年1月21日(土)14:00~16:00
[会 場]日本プレスセンタービル 10 階(千代田区内幸町 2 ― 2 ― 1)
都営三田線 内幸町駅 A7
※駐車場はありません。
[会 費]一般5,000円、会員及び同伴者3,000円、学生2,000円、留学生・外国人の方1,000円
※本ブログをご覧になられた方は特別に会員価格にて入場いただけます。
申し込み時に「嶌信彦のブログを見た」と添えて申し込みください。
※中学生以下の方は無料。立食
※会場へのお問い合わせはご遠慮願います
電話(03-3593-1400)、ファックス(03-3593-1406)、
メール(jp-uzbeku@nifty.com)
(注)満席になり次第受付終了
1月21日(土)14時からプレスセンターで日本ウズベキスタン協会新年会を開催~美男美女のウズベク人と交流~
明けましておめでとうございます。皆様にとってよき一年でありますことを祈念しております。
今年も恒例の私が会長を務める日本ウズベキスタン協会主催の新年会を開催します。
今回は、昨年9月にウズベキスタンの発掘現場で倒れられ、94歳で亡くなられた加藤九祚(きゅうぞう)さんの奥様であり、中央アジアの服飾研究家である定子さんをトークゲストにお招きし、加藤さんの思い出を語っていただきます。11月3日に行われたお別れの会は400人以上の方が詰めかけ、後方には立たれている方も大勢おり、急遽別の会場が用意されたほどで加藤さんの人柄が偲ばれる会でもありました。
※加藤さんのお別れの会でのスピーチ
加藤さんはシベリア抑留が原点といい、加藤さんのロシアでの生き方に司馬遼太郎氏は感銘を受け、著書「菜の花の沖」の中に「加藤氏はシベリア抑留時代、生命をしぼりとられるような労働の中で、シベリアを観察し(中略)ロシア語をみごとに独習した」と賞賛されています。井上靖氏、梅棹忠夫氏とも深い交流があり、ウズベクの教科書にも掲載されている九祚さんの普段の生活ぶりやあの人を魅きつける笑顔は家庭でも同じだったのか――など人間加藤九祚氏を定子さんに明かしていただくトークイベントにしたいと思っています。
※加藤さんをお迎えしたウズベキスタン協会新年会でのトークショーの様子
また、お正月を彩るウズベクダンスのほかコントラバス、バイオリン、電子ピアノで「からたちの花」「ウズベクタンゴ」などお正月らしい曲の演奏で会場を盛り上げていただく予定です。なお、バイオリンを弾いてくださる黒柳紀明氏の父上の黒柳守綱氏はシベリア抑留から帰還後、NHK交響楽団のコンサートマスターを務められています。
今年も在日ウズベク大使館からプロフやサムサなどの差し入れもありますので、プログラム終了後はウズベクや中央アジアの方々とのおしゃべりや料理をお楽しみください。
画像:以前大使館よりご提供いただいたウズベク料理、プロフやサムサ
[日 時]2017年1月21日(土)14:00~16:00
[会 場]日本プレスセンタービル 10 階(千代田区内幸町 2 ― 2 ― 1)
都営三田線 内幸町駅 A7
※駐車場はありません。
[会 費]一般5,000円、会員及び同伴者3,000円、学生2,000円、留学生・外国人の方1,000円
※本ブログをご覧になられた方は特別に会員価格にて入場いただけます。
申し込み時に「嶌信彦のブログを見た」と添えて申し込みください。
※中学生以下の方は無料。立食
※会場へのお問い合わせはご遠慮願います
電話(03-3593-1400)、ファックス(03-3593-1406)、
メール(jp-uzbeku@nifty.com)
- (注)満席になり次第受付終了
米・英社に刺激された掃除機市場
米・英製の家庭用掃除機が話題となっている。ひとつは米・アイロボット社の自動掃除機「ルンバ」。人工知能が搭載されており、まず部屋全体の状況を調査し、どのような手順、方法で掃除するかを考え、クリーニングに入るという。掃除機の中にカメラが入っており汚れ具合や部屋の形状、段差などを事前に把握し、一人で勝手に掃除するわけだ。掃除を終えると自ら充電器に戻り充電も行なう。
元々がロボットメーカーだから自走は得意で、そのロボットに必要な人工知能を組み込んだところがミソのようだ。共稼ぎ世帯にとっては、留守中に勝手に掃除をしておいてくれるのでかなり利用する人が増えているという。初めてお目見えしたのは10年以上前の2002年。TVコマーシャルに流れた時はオモチャのように見え、部屋の隅やテーブル、椅子の下などもきちんときれいにしてくれるのか、と首をかしげた人が多かった。部屋が狭くゴチャゴチャとモノを置く日本家屋には不向きとみられたのだ。
ところが、いろいろ改造されたこともあって2010年頃から急速に認知され始めた。それまでは年間4万台程度だった販売台数が2010年には10万台を突破。以後毎年10万台ペースで増え、2013年には47万台まで急増した。以後も毎年30万台以上売れ、まだまだ普及する可能性があるらしい。価格は10万円前後なので30億円市場を軽く超えているのである。
もうひとつの商品は専門メーカーの英・ダイソン社だ。こちらも最近コマーシャルでよく目にするようになった。利用している知人に聞くと、吸引力などがまるで違い、さすが専門メーカーだと感心していた。価格は日本製品の2倍以上もする高級志向だが、ジワジワと人気が出ているという。
米・英製掃除機の進出で、日本の家電各社は、掃除機にも新しい需要が掘り起こせるとみて次々と新機種を投入し始めている。パナソニックの「ルーロ」は本体を三角形にして部屋の隅をていねいに掃けるようにしたり、日立の「ミニマル」は小型化を追求し、狭い場所にも入り込める工夫をした。シャープの「ココロボ」は、人と挨拶も交わすことができる会話機能まで取り込んでいる。日本メーカーは日本人の感性や住宅事情を考えた新技術を開発して対抗しているが、米アイロボット社は、日本の生活に多い拭き掃除に目をつけ、水拭きのできる新製品まで出した。
日本の消費不況について企業関係者は「最近は欲しいものがなくなっているようだ」と嘆くが、どこの家庭にもある掃除機で新風を巻き起こした米・英社の発想は、元来日本メーカーが得意としてきた発想と技術開発だったのではないか。
【財界 新春特別号・2017年1月10日号 第439回】
※トップ画像はアイロボット社サイト「ルンバ」紹介ページより。
下の画像はダイソン社サイト「掃除機」紹介ページより。
8日 TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』 ゲスト:池澤夏樹様(作家)音源掲載
スタッフです。8日(日)のTBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30-22:00)は、ゲストに芥川賞を受賞され、多くの翻訳作品も手がけられている作家の池澤夏樹様をお迎えした音源が番組サイトに掲載されました。
30代の3年間をギリシャに住み、40代の10年間を沖縄に暮らし、60代の5年間をフランスで過ごし、現在札幌在住の池澤様に、詩や翻訳、小説、エッセーなど多くの著作物を手がけてこられた作家人生につきお伺いいたしました。
次週も池澤様をゲストにお迎えし、世界を辺境から見つめ、文学の眼鏡と科学の眼鏡を携え旅先で執筆を続けたこと、「日本文学全集」の編集を引き受けた理由や、父で作家の福永武彦氏への思いなどをお伺いする予定です。
池澤様の新たな本が「知の仕事術」が12日に発売となります。混迷を深める現代という時代を知的に生きていくためには、1「情報」、2「知識」、3「思想」が必要です。それをいかにして獲得し、更新していくか、 自分の中に知的な見取り図を作るために、どうすればいいのかということを、新聞や本との付き合いかた、アイディアや思考の整えかたまでを指南されている本です。
さらに、17日には話題の古典新訳を手掛けた作家たちは作品についてどう捉え、どう訳したのかなど作品の魅力や訳の工夫を語った、大好評の古典講義をまとめた本「作家と楽しむ古典 古事記 日本霊異記・発心集 竹取物語 宇治拾遺物語 百人一首」も発売となります。