時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

昨日のトークファイルの内容~中央アジアで日本はパイプを持てるか?~

スタッフです。
昨日の「森本毅郎・スタンバイ」のトークファイルの音源が掲載されました。要約は以下の通りです。

テーマ:中央アジア争奪戦!日本はパイプを持てるか?

今月(放送時点では先月)の24日から安倍首相はトルクメニスタンタジキスタンウズベキスタンキルギスカザフスタン中央アジア五カ国に三菱商事伊藤忠商事といった商社を中心とした企業とともに訪問する予定である。ウズベキスタン等を現役の首相が訪問するのは2006年の小泉元首相以来の10年ぶりとなっている。

今回の訪問はセールスということもあるが、安倍首相は外交でこれまで得点を稼いできて、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカ、中南米も行き、訪問していないところは中央アジアである。中央アジアは地味にみえるが、中国、ロシア、アメリア、ヨーロッパにとって重要な地点であり。ここにくさびを打ち込んでおくのは、非常に重要な意味を持つ。また中央アジアの国々は非常に親日国が多いことから、訪問しておこうということだと思う。この地域は「シルクロード経済ベルト」と言われ、非常に魅力的な地域で、「一帯一路」の新シルクロード構想として陸と海のシルクロードを作ろうとし、アフリカ東海岸からオランダまで含めた新経済圏にしていこうという発想となっている。

中央アジアイスラムの国でありイスラムの情報も入ってくる。そういった意味からもこの地域ともっとパイプを持つ事が重要。北朝鮮とモンゴルを媒介として交渉したことがあったが、中央アジアと仲良くすることはロシアや中国とのパイプを持つという重要な意味も含む。この地域でも中国は先行し、上海協力機構というNATOに対抗する軍事経済同盟を作ってロシア、インド、パキスタンも入り存在感を高めようとしている。

中央アジア全体の人口は1億人位で、今後ますます増加が見込まれるため、大変な経済圏となる可能性もある。世界全体が沈滞している中で成長率が7~8%あり成長著しく、世界全体が注目している地域でもある。中央アジアの国々は先に述べたように日本びいきで、日本が途上国から先進国になったことから、1991年に旧ソ連から独立する際に新しい国のモデルとして日本を目指したという経緯があるにも関わらず現役の総理がしばらく訪問していない。また、中央アジアから日本に来ている留学生が非常に多い。

安倍首相が今月下旬に訪問した際にはもっと新たなパイプを作ってこなくてはならない。特にウズベキスタン中央アジアの中心で満州から連行された捕虜が世界的に有名なナボイ劇場を作って尊敬されていると語っております。

※なお、10月からの嶌の出演は現在の水曜7時から毎週火曜日8時の「日本全国8時です」の出演と変わります。

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