読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

本日のTBSラジオ「日本全国8時です」の内容~訪日外国人2000万人時代の劇化する宿泊ビジネス~

森本毅郎・スタンバイ 日本全国8時です

スタッフです。
本日の「森本毅郎・スタンバイ」の「日本全国8時です」の放送内容をお届けします。

テーマ:温泉宿かリゾートホテルか ~達人が目指す極意~
f:id:Nobuhiko_Shima:20160315151818j:plain

本日は日本の観光の拠点となる旅館やホテルの話をしたい。いまや訪日外国人の観光ブーム、さらに2020年の東京オリンピックを控えている中で、老舗旅館、リゾートホテルなどそれぞれ工夫しながら顧客をどう取り込むかということを切磋琢磨している。訪日外国人のみならず、国内からの訪問者の増加を目的として価格、サービス等、工夫を凝らしている。


【創意工夫し続ける日本一】
例をあげると、日本一と言われる「加賀屋」(石川県・和倉温泉)は「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で35年連続総合1位に選ばれている。これは、もてなし、料理、施設、企画の4つの項目から選ばれるもの。しかしながら、この加賀屋でもかつて日本で隆盛した宴会旅行や接待旅行が衰退し、台湾や韓国からの団体客に的を絞っている。宿泊した方々へのおもてなしとして、仲居さんが韓国語、英語や中国語などの外国語を学び、話相手となったり、その時間を捻出する施策として料理を運ぶ時間を削減する「料理自動搬送システム」の導入や従業員が安心して子供を預けられる保育園(カンガルーハウス)を完備するような工夫をおこなっている。


※画像は「加賀屋」ウエブサイトより

【ターゲットの軸足を近隣国へ】
「加賀屋」はもともと和倉温泉木賃宿のような宿であったが女将の小田真弓氏と小田禎彦氏が立教のサークルで出会い、日本一の宿にしようとサービス、施設を充実させることによって「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で35年連続総合1位を取り続けている。宿泊料金は結構高額で4~5万円位なので誰でも気軽に行けるというわけではないが、富裕層をターゲットとし台湾にも温泉旅館を作っている。これらの取り組みで、新しい形の旅館を作ろうとしている。


【圧倒的な非日常を演出】
もう一つの例としては、有名な「星野リゾート」で四代目の星野佳路氏が代表を務める。こちらは非日常をどうやって演出するかということに軸をおき、連泊を基本としている。テレビを置かず、食事はレストランで家族や恋人などと語らう。夜は星を見る散策や、キャンプファイヤーを楽しめる環境を提供することで圧倒的な非日常を取り入れる事を大きな目標に掲げ経営をしてきた。

今、その星野リゾートが「星のや 東京」という温泉旅館を今年の夏に丸の内に開業することが話題となっている。露天風呂を備え、外国人客比率を5割前後、一室7~8万円を想定と高額である。丸の内で仕事をしつつ、温泉に宿泊できるという狙いで、主に訪日外国人をターゲットとしている。


【日本のファンを育成!?】
また、星野リゾートでは海外に知名度を拡げる工夫として、創業100年を迎えた2014年に海外の若者100人に日本文化を体験してもらう「100 TRIP STORIES(ワンハンドレッドトリップストーリーズ) ~旅は魔法~」を実施。参加した方々が、SNS等を通じて海外に情報を発信してもらうような取り組みも行なっている。


 【ユニークな取り組みでガッチリ】
普通の日本の温泉旅館というと1万5、6千円から2、3万円が相場で1泊2食付きで泊まれる。ホテルに比べると価格は高いが、食事がつくということを考えると2万円前後であれば妥当な金額という感じがする。続いて、中規模の温泉旅館での面白い取り組みの実例を紹介したい。

山形・かみのやま温泉の古窯(こよう)は銀座などにもお店があり、とにかくサービスを一生懸命やっている旅館。1、2ヵ月に一度手書きの新聞を作って顧客に送付している。この新聞にはお客様からの意見や苦情も掲載し、その対応も合わせて掲載している。手書きなので人間味あふれ、珍しい取り組みで人気を博している。私も何度か宿泊したことがあり、今だにこの新聞を送付頂き、楽しみに読ませて頂いている。 

【ニーズをどう把握するのか】
これは顧客のニーズを取り込み、それらを自分たちで発信していくサイクルにしている。いまや海外から2000万人近くが日本を訪れる時代となり、これからの旅館には日本人のみならず様々な国の人が訪れ、様々な価格帯のニーズがあることをどう自分たちが取り込んでいくのかということが重要である。

海外から来る方の中には我々が把握していないような安くてアットホームな旅館に宿泊されている方もいたり、アパホテルでは2000人宿泊できたり、屋上に露天風呂を設けたりしている。それぞれの旅館が様々な工夫をしないと生き残っていけない時代となっている。

※ブログトップ画像は星野リゾートウェブサイトより、「星のや 東京」イメージ画像