時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

コラム「虫の目、鳥の目、歴史の目」

一極体制築いた習近平 毛沢東超えを狙う

5年に一度の第20回中国共産党大会は、習近平総書記(国家主席)が予想通り異例の3期目に選ばれて10月22日に閉幕した。党最高指導部である政治局常務委員(現行7人)も習近平氏の側近や習派の人が多数派を占め、中国は今後、これまでの集団指導体制から習近平…

あなたは真の友人を何人もっているか

副大統領を務めたロナルド・レーガン政権の閣僚と共に(1981年2月4日) 「あなたのこれまでの人生で“友人”と呼べる人は何人いますか」と問われたら、思い浮かべられる友達は何人ぐらいになるだろうか。日本のサラリーマンの場合、“知人”は多勢いるが本当の友…

中国は香港の将来をどうみているのか

香港の街並み 香港の返還25周年の記念式典が7月1日に行われ、習近平国家主席は「愛国者による香港統治を実現し、香港に繁栄と安定をもたらした」と自賛した。香港の憲法にあたる香港基本法は「一国二制度を変換から50年間は維持する」と明記し、今年は折り返…

米国の慎重対応に批判も

アメリカ国防総省の本庁舎「ペンタゴン」 ロシア軍のウクライナ侵略と人間性を疑うようなロシア兵によるウクライナの一般市民、女性、少女などへの暴行が次々と明るみに出始めている。それらの行為は国際条約で禁止されているもので、そうした行為を放置して…

因縁のロシアとウクライナの対立 ―かつてウクライナは欧州最大の国家―

ウクライナは、現在のロシアとの激しい闘いが報道されるまで日本人にとって馴染みの薄い国だった。面積は日本の約1.6倍。人口は約5000万人と東ヨーロッパではロシアに次ぐ大国である。首都はキーウ(キエフ)。 地理的には、東はロシア、西はポーランド、ス…

米欧日はロシアの金融制裁発動へ

ウクライナ政府ポータル「対ロシア制裁強化に取り組む、ウクライナ、ポーランド、チェコ、スロベニアの首相」2022年3月16日 ロシアのプーチン大統領による最近の横暴な振る舞いに世界は眉をひそめている。ロシアはここ数カ月にわたり隣国ウクライナに三方面…

露によるウクライナ侵攻の代償

ロシアのプーチン政権が遂に隣国ウクライナに全面侵攻した。ここ数カ月にわたり、ロシアはウクライナ国境周辺3方面から圧力をかけていたが、2月24日にミサイル攻撃などを仕掛け、翌25日にはウクライナの首都キエフに侵入した。3月1日付で67.7万人超が家を追…

貯めるだけでは寂しくない?

日本は、企業も個人もおカネを貯めるだけで、有効に使うことを忘れた奇妙な国柄になってしまったようだ。企業は過去最大の内部留保484兆円を貯め込んでおり、個人も2000兆円の資産を持つが、貯蓄にまわるだけで豊かな生活に活用しているようには見えない。“…

バブル時代が懐かしい?

出典:「労働生産性の国際比較2021」日本生産性本部 バブル時代が懐かしいと思う人が多いらしい。バブル景気に沸いたのは1986年から91年頃の5年間だ。成長率は平均で5~6%、生産コストが上昇していたが、賃金もコストを上回って上昇した。人々はおいしい料理…

人口減少時代の準備は万全か 日本もいずれ移民受け入れ国に

我が国の人口の推移 世界の人口が減少時代に入りつつある。アメリカ、ワシントン大学の予測では2064年の97億人がピークだと指摘。国連の推計でも2100年頃から減少に向かうかもしれないと予測している。人口が減ると経済は低成長時代に入り、高齢化社会へのス…

老いたる途上国に逆戻りも 気が緩んできた日本人?

日本はこの30年間、ほとんど成長ができていない。投資資金はあるのに、ただ手元に持っているだけで新規開拓への飛躍を試みていないのだ。このままだと日本は「老いたる発展途上国」に先細りしていくことになるだろう。 続きは、本日配信のメールマガジン「ま…

GAFA4社より低い 日本株の時価総額

Googleplex Headquarters, Mountain View, US アフガン戦争問題でアメリカの方針を後追いし続けてきた日本の菅義偉首相は3日になって突然、9月17日に告示される自民党総裁選に立候補しないと表明した。菅政権が発足してから僅か1年で、アフガン問題への対応…

石炭、石油から水素へ 覇権を握るのはどの国か

ENEOS社一号店:Dr. Drive セルフ海老名中央店 脱炭素時代に“夢の燃料”と期待されているのは水素だ。水素(H)は全宇宙の元素の9割以上を占める最もありふれた元素で地球上にも多く存在している。ただ水素そのままでなく水(H2O)の状態であることがほとんど…

中国は世界に歓迎される国柄となるか

1937年、上海のフランス租界内をパレードする日本軍 中国は2021年7月1日に中国共産党創立100年、2049年に中華人民共和国設立100年を迎える。二つの100年を迎えた後にアメリカを抜く「社会主義現代化強国」を実現し、中華民族の偉大な復興と強くて豊かな“中国…

後手後手だった日本のコロナ対策 感染者少なく油断?

5月の連休で天気も好天続きだったのに、人々の間ではむしろ不安が蔓延した。原因はもちろん新型コロナウイルスの感染が止まらず、それどころか最近ではコロナウイルスの感染者にインドで広がる変異種の割合が高まり警戒を強めている。インド型の変異種は、イ…

コロナ対策 連休までが勝負だった!  国民の不満・ストレス高まるばかり

菅義偉首相は、政権発足当初から「第一の仕事はコロナウイルス感染の収束だ」と宣言していた。しかし、日本のコロナ禍は依然、収束にはほど遠く、より強力な変異ウイルスの流行も現実化してきた。ワクチンの開発で遅れをとり、さらに政府と医療業界、製薬会…

中国が唯一の競争相手 米日豪印の「QUAD」で対抗?

アメリカのバイデン大統領は“中国との長期的な戦略的競争”に勝ち抜くため、3月12日に米国、日本、オーストラリア、インドの4ヵ国によるオンライン形式の首脳会談を開いた。アメリカは、この4ヵ国の首脳会談を「QUAD(クアッド)と呼び、この枠組を今後も継続…

首相の長男が官僚幹部を接待 総務省は「そんたく」したのか?

総務省の幹部らが放送関連企業「東北新社」から約40回にわたり接待されていた問題の行方に霞が関の官僚たちは異様な関心を示している。接待側の東北新社の中に菅義偉首相の長男が参加しており、総務省は衛星放送などの許認可権限を持っているからだ。接待を…

中国から東南アジアへ

中国から再び東南アジアへ――日本企業の進出先が一時の中国中心から再び東南アジアへと戻ってきた。東南アジアの経済規模は中国の二割程度だが、米中貿易戦争で中国リスクが高まる半面、東南アジアはミャンマー、ベトナムなど新興国が増え、さらに成長が期待…

日本の国力がどんどん低落 時価総額、国際競争力ランキングなど

日本の国力がどんどん衰退している。国民総生産(GDP)は、まだ世界3位にとどまっているが、個別の競争力の数字をみると、いまや日本の実力は、世界で20~50位の中流先進国の位置にあるといってよい。それなりに居心地がよくインフラも整備されてきたせいか…

学術会議への人事介入は不当

日本学術会議が推薦した105人の新会員のうち、菅義偉首相が6人を除外した問題は、依然大揺れに揺れている。背後には公安警察出身の杉田和博官房副長官の関与があったとされるが、国民の利便に供する改革を旗印に掲げて早く成果を出したかった菅政権にとって…

史上最悪の大統領選挙に  ─トランプ再選でいいのか─

大統領選挙を直前に控えて、トランプ大統領は、新型コロナウイルスに感染してしまった。ウイルスの脅威を軽んじて「私はマスクなどしない」と一貫してコロナウイルスをバカにしていたトランプ大統領が、大統領選で最も大事な最終局面に来てコロナに感染して…

党員投票実施で石破氏にもチャンス イメージ戦略を大きく変えるべきだ

自民党総裁選でメディアは一斉に菅義偉・官房長官の優勢を伝えているが、果たしてそうだろうか。私はむしろ石破茂元幹事長に善戦の芽が出てきたように思う。それは40以上の都府県連で党員投票を実施することになったからだ。 総選挙は国会議員票394票と47都…

強権・強国路線は習近平政権だけか

このところ中国の強権・強国路線が目立ち始め、米・中対立が激化するだけでなく、日本や東南アジア諸国との摩擦も増大している。これは習近平政権の特有の動きなのか、それとも経済、軍事力で大国化した中国の必然的行動なのか──中国にどう対応してゆくべき…

強権中国に足並み乱れる西側陣営

「深い憂慮」から「遺憾」へと言葉を変えた――日本政府によると、この言葉の変化によって中国政府への批判を強めたそうだ。「深い憂慮」は、5月28日の中国の全国人民代表大会(全人代・国会)が「香港国家安全維持法(国安法)」を決めた際に日本政府が対外的…

年々低下のPISAショック  読まず読解力が低落

2019年暮れ、日本の教育界に“PISAショック”という言葉が話題となった。PISAとは、先進国の集まりである経済協力機構(OECD)の国際的な学習到達度調査のことで、数学・科学・読解力の3分野に関するリテラシー(読み取って理解する力)を調査した結果、3分野…

世紀末な兆候を示すコロナ疫病 ─抑え込むまで1年以上か─

政府は3月26日の月例経済報告に合わせ国内の景気判断を「厳しい状況にある」と下方修正した。2013年7月以来続いてきた「回復基調にある」との表現を6年9ヵ月ぶりに削除した。戦後最長とみられていた景気拡大が終わり、日本の景気は後退局面に入っていること…

国際的公益と国益の間でさ迷う小泉環境相 ―石炭火力削減に決断できず―

人気抜群だった小泉進次郎環境大臣が政治家として、右するか左するか、の進路を問われている。課題となっているのは、石炭を燃料とする火力発電所の建設問題だ。日本の火力発電所は高効率で他国の火力発電所に比べCO2の排出量が少なく優等生的存在だった。こ…

英国の欧州離脱は成功なのか ―下手をすれば中流国家に―

「ドイツの靴までなめてすり寄ろうとするのか」――故サッチャー英元首相は、かつてフランスのドイツ寄り姿勢を口汚くこき下ろしたことがある。世界を支配した経験と誇りを持つイギリスにとって、ドイツとフランスが手を結んでヨーロッパを牛耳ろうとすること…

北極海開発に鎬を削る時代に

先日、北極冒険家の荻田泰永さんと対談する機会に恵まれた。荻田さんは北極、南極などの極地の極点に徒歩で向かう極地冒険家だ。しかも単独、徒歩で挑戦し、途中に飛行機などによる物資を補給してもらわない無補給単独徒歩のスタイルを貫いている。2000年に…

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日本人の覚悟

日本人の覚悟―成熟経済を超える

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【著】嶌 信彦


日本の「世界商品」力

日本の『世界商品』力

(集英社新書)
【著】嶌 信彦

     
首脳外交

首脳外交-先進国サミットの裏面史

(文春新書)
【著】嶌 信彦


 
嶌信彦の一筆入魂

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(財界研究所)
【著】嶌 信彦


ニュースキャスターたちの24時間

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(講談社)
【著】嶌 信彦
       

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