熊本日日新聞と中国新聞で嶌の新著ノンフィクションが紹介されました
スタッフです。
10月9日の熊本日日新聞と10月15日の中国新聞で嶌の新著ノンフクション「日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた」が紹介されました。
熊本日日新聞(10月9日付)記事抜粋
日本人抑留者建設の劇場 顕彰プレート盗難 ウズベキスタン
旧ソ連・中央アジアのウズベキスタン首都タシケントで、第2次大戦後に日本人抑留者が建設に携わった名建築、ナボイ劇場の外壁に掲げられていた抑留者を顕彰する金属板が盗まれたことが8日までに分かった。両国関係筋が共同通信に明らかにした。(中略)
金属板にはウズベク語、日本語など4言語で「1945年から1946年にかけて極東から強制移送された数百名の日本国民が、このアリシェル・ナヴォイ―名称劇場の建設に参加し、その完成に貢献した」(原文通り)と記されていた。
嶌信彦・日本ウズベキスタン協会会長の近著「日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた」によると、プレートは古くからあり「日本人捕虜が建てた」と記されていたが、ウズベキスタン独立後、カリモフ大統領は自国は日本と戦争していないし、捕虜も取っていないと指摘。96年にプレートを作り替えさせ、現在の表記となった。
※画像は日本ウズベキスタン協会提供
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中国新聞(10月15日付)記事抜粋
日本-ウズベキスタン
劇場がつなぐ友好
ウズベキスタンの首都タシケントにある第2次大戦後の日本人抑留者が建設に携わった劇場で今月下旬、同国を訪問する安倍晋三首相を歓迎する催しが計画されている。首相は戦後70年に当たり旧ソ連・中央アジアを歴訪し、旧ソ連で抑留され死亡した人々に対して哀悼の意を示す方向。「名建築」と今も地元で愛される劇場での催しは、両国の友好を深める機会になりそうだ(小熊宏尚=共同)
(中略)
旧ソ連は旧満州(中国東北部)などにいた日本兵らを抑留。ウズベキスタンには約2万5千人が送られ、800人超が死亡した。
第2次大戦後、旧ソ連に抑留された日本人は各地で森林伐採や鉱山採掘などの重労働に強制的に従事させられた。建築工事もその一つ。抑留者らはウズベキスタンのナボイ劇場のように美しく丈夫な建築物をいくつも残した。当時の日本人の勤勉さや技術力の高さは、戦後70年たった今も各地で評価されている。
日本ウズベキスタン協会の嶌信彦会長は9月末に出版した「日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた」の中で、首都タシケントに壊滅的な被害を与えた66年の直下型地震の際も「市のシンボルであるナボイ劇場が凛として立ち続けている姿を見て涙ぐむ人さえいた」と記述している。こうしたエピソードが、現地の親日的な雰囲気を今日まで下支えしている。
※画像は日本ウズベキスタン協会提供