時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

日曜(21日) TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』21:30~ ゲスト:藤原正彦氏(数学者)

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日曜(21日)のTBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)はゲストに数学者の藤原正彦氏をお迎えいたします。

両親は作家の新田次郎氏(直木賞受賞)、藤原てい氏。ご自身でも多数上梓され、国家の品格はミリオンセラーとなっている。幼少時の満州からの引揚、数学の魅力と美しさなどについてお伺いする予定です。

引揚の話についてはお母様の藤原てい氏のベストセラー「流れる星は生きている」に詳細に書かれておりますので、放送と合わせてお読みいただけると幸いです。

 藤原氏もさまざまな書籍を上梓されていらっしゃいます。一部、参考までご紹介いたします。

昨日 TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』21:30~ ゲスト:荒俣宏氏(作家)三夜目 音源掲載

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昨日のTBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)はゲストに作家の荒俣宏氏をお迎えした三夜目をお届けしました。本放送の音源は来週水曜正午まで番組サイトにて期間限定で公開中です。

博物学者や妖怪研究家としても知られる荒俣氏が、妖怪やお化けに魅せられて、知のモンスターといわれる人生観についてお伺いいたしました。

二夜目の大学卒業後に魚が好きで入った漁業会社で任された驚きの仕事内容や、退社後「帝都物語」をヒットさせ百科事典を作るなど、意外な経歴についてもお伺いした放送音源は今週水曜正午までお聞きいただきます。

一夜目の放送では小学生の頃に貸本屋で毎日のようにマンガを読みふけり、マンガ家になるのが夢だったという荒俣氏が「知のモンスター」になっていくまでの人生観につきお伺いしました。

 一部ではありますが、荒俣氏が上梓された書籍をあわせてご紹介いたします。

現在、荒俣氏は京都国際マンガミュージアムの館長を務めていらっしゃいます。さまざまなトークショーやイベントなどが催されており、海外から来場される方も多いミュージアムです。詳細は、以下リンクを参照下さい。

京都国際マンガミュージアム

次週は数学者の藤原正彦氏をお迎えする予定です。

リーマンショックから10年  立ち直れない世界経済

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 リーマン・ブラザーズの倒産から早くも10年が経った。リーマン兄弟は1844年にバイエルン公国から移民でやってきて南部アラバマ州で日用品店のリーマン商店を開いた歴史を持つ。当初は綿花取引を中心とするビジネスを行なっていたが、後にユダヤ系兄弟の商才を発揮してニューヨークで金融業に転身し、瞬くうちにウォール街で五指に入る証券・投資金融会社へと成長していった。しかし2007年のサブプライムローンに絡むアメリカ住宅バブル崩壊からリーマンも一挙に危機に陥り、多額の損失を抱えて2008年9月15日に連邦倒産法の適用を申請したことで世界的規模の金融危機へ発展するきっかけを作ったのだ。

 
続きは、本日配信のメールマガジンまぐまぐ」”虫の目、鳥の目、歴史の目”にてご覧ください。(初月無料)

日曜(14日) TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』21:30~ ゲスト:荒俣宏氏(作家)三夜目

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日曜(14日)のTBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)はゲストに作家の荒俣宏氏をお迎えした三夜目をお届けします。博物学者や妖怪研究家としても知られる荒俣氏が、妖怪やお化けに魅せられて、知のモンスターといわれる人生観についてお伺いいたします。

大学卒業後に魚が好きで入った漁業会社で任された驚きの仕事内容や、退社後「帝都物語」をヒットさせ百科事典を作るなど、意外な経歴についてもお伺いした放送音源は来週水曜正午までお聞きいただきます。

一夜目の放送では小学生の頃に貸本屋で毎日のようにマンガを読みふけり、マンガ家になるのが夢だったという荒俣氏が「知のモンスター」になっていくまでの人生観につきお伺いしました。

 一部ではありますが、荒俣氏が上梓された書籍をあわせてご紹介いたします。

現在、荒俣氏は京都国際マンガミュージアムの館長を務めていらっしゃいます。さまざまなトークショーやイベントなどが催されており、海外から来場される方も多いミュージアムです。詳細は、以下リンクを参照下さい。

京都国際マンガミュージアム

中国・インドとどう向き合うか

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 中国の海洋戦略は、太平洋、南シナ海からインド洋にまで拡大してきている。中国の「一帯一路」構想からすると、西アフリカからインド洋を通って東南アジアへ抜ける"海のシルクロード"も重要な戦略で、それにはインド洋の覇権掌握が欠かせないのだ。

 すでにパキスタンではインド洋に面したグワダルで中国国有企業が港の運営権を取得し、港湾建設に取り組んでいるし、バングラデシュでも港湾作りを行なっている。またスリランカのハンバントタでは中国資本の会社が港湾の土地を99年間借り上げたといわれる。さらにアラビア半島とアフリカに挟まれた紅海の出口に位置するジブチソマリア沖で海賊対策などを行なう中国海軍の拠点になりつつある。またインド洋に面したミャンマーのチャウピューでは中国と結ぶ原油天然ガスパイプラインの起点として中国資本が港湾整備を行なうことになっている。

 これらは全て中国が構想する21世紀の海上シルクロード(一路)の線上にあり、その延長線は地中海を通じてギリシャ、イギリスなどにつながるしパキスタンからは中国・パキスタン経済回廊を通って陸のシルクロード(一帯)にも通じるのだ。

 またパキスタンバングラデシュに建設する港湾はインド洋に突き出しているインドを囲めるルートになっており、その構図は"真珠の首飾り"とも呼ばれている。

 こうしたインド洋における覇権確立に警戒心を抱き神経をとがらせているのはアメリカ、日本だけでなくインド洋に接しているオーストラリアや昔から南下政策に熱心なロシア、イランなど中東各国だ。当初、一帯一路構想を警戒していた日本は、最近個別プロジェクト毎に判断し、協力するかどうかを決めると軟化している。一方、オーストラリアは親米路線を基軸としながら日・米・豪で海洋秩序の維持を模索している。

 今後注目されるのは、インド洋の中心に位置する大国・インドの動きだろう。インドは60年代まで非同盟外交路線をとっていたがチベット問題や国境紛争で中国との関係が悪化したり、ロシアのアフガニスタン侵攻に反発していた。インドは中国と並ぶ人口大国で20、30年後には間違いなく世界をリードする大国になっていよう。そんな中でインドとアメリカが防衛協力の強化に乗り出した。

 いま世界には中心となる国が見えなくなりつつある。米・中を中心にロシア、EU、インドなどが覇を争いつつある中で、覇気を失いつつある日本はどんな生き方をするのか。インドは昔から親日国だ。複雑な階級社会があるものの中間層が増大し、注目すべき時代にきている。
【財界 2018年10月9日号 第480回】

画像:Wikimedia commons"Chinese String of Pearls map" by EdgarFabiano

7日 TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』21:30~ ゲスト:荒俣宏氏(作家)二夜目 音源掲載

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7日のTBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)はゲストに作家の荒俣宏氏をお迎えした二夜目をお届けいたしました。放送音源が番組サイトに掲載され、来週水曜正午までの期間限定でお聞きいただけます。

大学卒業後に魚が好きで入った漁業会社で任された驚きの仕事内容や、退社後「帝都物語」をヒットさせ百科事典を作るなど、意外な経歴についてもお伺いいたしました。

次回、14日も引き続き荒俣氏をゲストにお迎えし、博物学者や妖怪研究家としても知られる荒俣様が、妖怪やお化けに魅せられて、知のモンスターといわれる人生観についてお伺いいたします。

前回の小学生の頃に貸本屋で毎日のようにマンガを読みふけり、マンガ家になるのが夢だったという荒俣氏が「知のモンスター」になっていくまでの人生観につきお伺いした放送音源は明日の正午までお聞きいただけます。お聞き逃しの方はぜひご利用いただけると幸いです。

 一部ではありますが、荒俣氏が上梓された書籍をあわせてご紹介いたします。

現在、荒俣氏は京都国際マンガミュージアムの館長を務めていらっしゃいます。さまざまなトークショーやイベントなどが催されており、海外から来場される方も多いミュージアムです。詳細は、以下リンクを参照下さい。

京都国際マンガミュージアム

あと3年も安倍内閣? ―外交、財政に進展を望めるのか ―

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 あと3年はやりたい――。安倍首相は9月の総裁選に出馬するにあたって、今後の決意を述べた。安倍首相の在任期間はすでに5年に及ぶ。そこへ“あと3年はやりたい”ということは、8年間にわたり総理の座を維持したいと宣言したことになる。多くの国民は一人の総理が8年間統治することにどんな思いを抱くのだろうか。

 安倍首相への支持率は9月初めで37%。逆に不支持は41%(毎日新聞)で逆転が続いて6ヵ月になる。要するにこの数字からみると、国民は“安倍政治に飽きている”とみることができよう。正直、“今後まだ3年も続けるの?”というのが率直な感想だろう。どうしても続けて欲しいという積極的な支持ではないのだ。

 にも拘わらず安倍首相が本命視されるのは、北朝鮮の脅威が治まらない間は、北朝鮮に抑えの効きそうなアメリカのトランプ大統領と相性がよく、日本にとって安心・安全が得られやすいからというのが大きな理由だろう。たしかに安倍首相は、これまでトランプ大統領と7回の個別首脳会談を行ない、サミットやAPECアジア太平洋経済協力会議)などの会合も入れると数十回の面談を行なってきた。

 そればかりでなく、互いの別荘に招きあったり、ゴルフをしながらの付き合いも多い。おそらく、これまでのどの首相と比べても2人の接触とパフォーマンスは数多く、それらを国民に見せてきたから日米の絆はこれまでになく深いという印象を与えてきたに違いない。

■スタンプラリー外交ばかりが目立つ
 しかし、内実はそう甘いものばかりではない。トランプ大統領は情で動く人物ではなく、自ら宣言しているように“ディール(取引)”を得意とする政治家なのだ。取引がよくないとみれば、過去にアメリカが世界の統治の柱としてきた価値観なども平気で捨て去ってしまう人物だ。日本が懸命に旗を振ってきたTPP(環太平洋パートナーシップ協定)からは、あっという間に抜けてしまったし、環境協定も同様だ。

 さらに日本の防衛費用の分担は少ないと主張し、アメリカ製の武器購入を求め、日本はこれに応じている。米中貿易戦争などでもアメリカの対中国貿易赤字が増大しているため、対中制裁を発動し、日本にも同調を求めてくるといった具合である。トランプ大統領の外交は、“アメリカ・ファースト(米国第一主義)”にあり、その方針で軸が変わるのだ。したがって突然、中国との関係改善に動いたり、北朝鮮金正恩朝鮮労働党委員長と対話を行なったりし、北朝鮮制裁で動いていた日本は突然ハシゴをはずされたりするケースも出て、あわてさせられるのである。

■経済は低成長、デフレ脱却ならず
安倍政権のプラス材料は経済の安定だとも強調されている。しかし、日本経済の成長率はせいぜい0~2%で、時にマイナス成長も記録している。低位に安定しているだけで、かつてのような成長への夢はほとんど描けていないのが実情だ。大企業は成長への投資に消極的で、政府も何を軸に産業を引っ張るのか方針が定まっていない。一時は衰退が叫ばれていたアメリカはITで蘇り、アップル、グーグル、アマゾン、フェイスブックなどが世界を牽引し、新技術や新しい構想を次々と打ち出しているが、日本には新戦略や新産業にみるべきものがない。大企業は内部留保を約500兆円も抱えているのにM&A(企業買収)などに資金を投ずるばかりで、かつてのような研究に打ち込み、新投資を行なって新製品や新機軸を打ち出す迫力が全くみられない。

しかも金融力を持っているのは大企業ばかりで中堅・中小企業は相変わらず苦しんでいるところが多いのだ。また、個人の生活をみても消費は増えず、節約生活と将来の不安に備えた貯蓄などが目立つばかりだ。

こうしてみると安倍政権の本当の成果は何だったのだろうか、と思わざるを得ない。

内政では2回の消費税引き上げの延期で、財政赤字も増えるばかりだ。安倍政権は、外交で成果をあげているといわれる。確かにこの5年間の外国訪問は150の国と地域を超え、世界に足跡を残している。しかし海外に数多く足を運びながら安倍政権の世界における存在感は低下しており、海外の新聞の調査などでは50位台という状況だ。かつてのようにGDPで世界で第2位の時代はアジアのリーダーとしてアジア各国に頼られていたが、中国に第2位の座を取られ、その中国がIT、宇宙などで競争力を強め自動車、家電分野などでも先進国と見劣りせず価格も安くなっている状況下では、中国の存在感がここ1~2年でぐーんと世界の中で高まっているし、アジア諸国も中国に寄り添い始めてきた。またヨーロッパ、アフリカと中国を結ぶ陸と海の新シルクロード構想(一帯一路)が徐々に展開し始め、大きな世界構想が見えてくると内向きになってきたアメリカや人口減少などで勢いを失った日本より中国に魅力を感じてきている国が増えているのではなかろうか。

外交もアメリカとは、くっつきすぎる位だが近隣外交はさっぱりである。米朝首脳会談が行なわれてから日米間の政策上の違いが目立ってきているし、ハイテクなどを巡る米中貿易戦争の仲介もできていない。またトランプ政権は日本製自動車への高関税適用も検討しており、通商面から日米同盟が揺らぎ始めてきた。

安倍政権が最重要課題とする拉致問題も対北朝鮮への制裁一辺倒の方針からは解決のメドがみえないし、ロシアとの北方領土問題解決もロシアへの経済協力をテコにと目論んでいるが相手は全く乗ってこない。また、日本が最も重要とすべき東南アジアとの近隣外交も中国の一帯一路構想に押されがちという実情だ。要するに得意と主張する外交も訪問国は100カ国を超し活発にみえるが、まるでスタンプラリーを重ねているだけの印象で内容が薄っぺらいのである。

にも拘わらず、次の総裁も安倍首相ということで何か新しい展開が出てくるのだろうか。多くの国民は安倍首相に“飽き”を感じているが、自民党内に有力な対抗馬がおらず、野党もだらしがないという状況に助けられている感が強い。波乱を起こし、政治を活気づけるにはいまや小泉進次郎氏の出馬しかないとみえるが、その小泉氏は今回出馬しなかった。3年後まで待っていると小泉氏も飽きられてくるのではないか。今の日本には刺激的な波を起こすエネルギーもないようにみえる。
TSR情報 2018年10月2日】

※補足情報:なお、安倍首相は9月20日に行なわれた自民党総裁選で3選し、10月2日午後に第4次安倍改造内閣が発足しました。

画像:首相官邸サイト掲載「平成30年9月26日 米国訪問 -4日目-」

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