時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

コラム(財界)

東南アジアを大事に!

クアラルンプール・ペトロナスツインタワー 先日、マレーシアから来日している40歳前の知人と会食した。子供2人を伴なって家族と4、5年前から日本で暮らし、もう少し資金が貯まったら起業してシンガポールで上場したいと意気込んでいる。日本語も上手でエネ…

Win・Winは本当か

「“Win・Win”の結果になったと思う」 アメリカなどとの貿易や政治交渉が終わると安倍首相、担当閣僚は最近必ず結果について“Win・Win”という言葉で総括する。日本も相手国も利益を得てメデタシ、メデタシの結末交渉になったと言うのだ。ただ、Win・Winの細か…

香港から深センへ?

雨傘から覆面へ――2014年の香港の民主化運動は“雨傘運動”と呼ばれた。79日間にわたって香港島中心の大通りを占拠した学生や市民の抗議活動で、中国政府が香港の行政区長官選挙に対し、民主派の候補を事実上排除する挙に出たことに反発した運動だった。香港警…

広がる日韓関係悪化の波紋

日本と韓国の関係悪化が、アジア情勢全体の波乱につながりはじめた。アメリカは日本・韓国の早急な和解を求める一方、中国やロシアはアジア情勢の変動を自国に有利な方向につなげようと水面下で動いている。 事の発端は大戦中に日本が韓国人を日本の鉱山や道…

香港を窒息させてよいのか

香港の騒乱が収まらない。香港人の中国政府への抗議デモは、3月31日の最初のデモに1万2000人が参加した後、続々と増え200万人に膨れ上がった。その後も常時40~50万人が参加し、8月13日になると香港国際空港に若者数千人が座り込み、欠航が相次いだ。学生た…

歩きながら考える英国はどこへ?

昔、国民性を表す小話としてよく聞いた言い回しがあった。「イタリア人は駆け出してから物事を考える」「慎重な日本人はよーく考えてから歩き出す」「イギリス人は歩きながら物事を考え判断する」 そのイギリスの新首相ボリス・ジョンソン氏は、任命された直…

サミットは死んだ

1983年5月 米・ウイリアムズバーグサミット 20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)は6月29日に閉幕したが、結局2年続けて首脳宣言への〝反保護主義〟の記載を見送り閉幕した。日本が議長国を務め、今や世界はバラバラで貿易や気候問題など世界の主要課題…

年金のハシゴをはずすな

「人生100年時代」だと日本人の長寿化をはやしておきながら、100年時代を公的年金だけで生きようとすると“老後の生活費が2000万円不足する”という金融庁の報告が出た。すると途端に、麻生金融相は「誤解を与えるのでその報告書は受け取らない」と駄々をこね…

老後の安心には2000万円も必要! 給与、年金減少で今から準備!?

先進国では高齢化が進み、”人生100年時代”に向けた議論が高まっている。日本では金融庁が「夫婦で定年後に95歳まで生きるには、約2000万円の金融資産が必要」との試算を提示したため国民にかなりの衝撃を与えている。 かつては退職金と年金給付があれば老後…

貿易戦争に出番を見つけよ

30年前の1989年6月、北京の長安街で装甲車両の前に立ち、行く手を止めた一人の学生の写真は今も頭に焼き付いている。中国の天安門事件を象徴する写真だ。民主化を求めた学生達は天安門広場に多くの市民も含め100万人以上が集まった。しかし、民主化運動を許…

巨大ITの規制へ ─消費者の利便と不利にならない方を─

プラットフォーマーと呼ばれるアマゾン、アップル、フェイスブック、グーグルなど巨大IT(情報技術)企業に対する規制や公正競争のあり方が各国で急浮上している。プラットフォーマーとは、ネット販売や動画・音楽配信などを手がけ急成長している企業群で、…

通信のインフラを競う5G時代

アメリカや韓国に遅れをとっていた次世代通信規格「5G(第5世代)」に日本も本格的に乗り出し始めた。5Gは新幹線や高速道路のようないわば通信の基幹インフラで、5Gが全国に発展し、つながるようになれば新しい産業が次々に開発され通信分野から今までにな…

一帯一路を巡るルール作りに?

中国の巨大経済圏構想"一帯一路"に米・仏などが懸念を強めるなか、G7加盟国として初めてイタリアが協力に関する覚書に署名した。一帯一路構想は着々と地歩を拡大している。また、外国貨物に関税を掛けない自由港・トリエステ港の鉄道インフラや北西部のジェ…

令和の印象は?

東京23区のうち外国人が最も多く暮している所は新宿区で、その数は4万2157人という。今年の新成人に限ると4割を超え、人種も中国人を筆頭にフィリピン、タイ、インドネシア、ネパールなど様々だ。日本はこれまで単純労働者を受け入れない方針だったので留学…

GEとGAFA

世界の製造業の雄とみなされていた米ゼネラル・エレクトリック(GE)の凋落が目立っている。エジソンが創業し、長年にわたりアメリカの電機、重電、重工業の見本とされてきたGEは2000年代に入ってから不振が続き、18年には唯一残存していたダウ工業銘柄株30…

5アイズに加わる日独仏

英語圏5カ国(米・英・加・豪・ニュージーランド)の情報機関に日本、ドイツ、フランスが協力して連携することになった。中国などのサイバー攻撃に対し情報を共有して共同で対処するという。 アメリカは、中国企業の作った高度の通信機器には外部からの侵入…

賃金の上昇はウソだった 杜撰な統計収集でゴマカシ?

賃金の伸びはウソだった──厚生労働省が毎月調べている「勤労統計」が、実際は低い数字なのに高く公表されていることがわかった。最近、政府の統計調査に誤りが目立っているが、事もあろうに働く人の賃金が実際より高い数字に公表され、あたかも景気は順調に…

賃金の上昇はウソだった 杜撰な統計収集でゴマカシ?

賃金の伸びはウソだった──厚生労働省が毎月調べている「勤労統計」が、実際は低い数字なのに高く公表されていることがわかった。最近、政府の統計調査に誤りが目立っているが、事もあろうに働く人の賃金が実際より高い数字に公表され、あたかも景気は順調に…

北方領土でしゃぶりつくすロシア?

北方領土を巡る25回目の日ロ首脳会談も交渉決裂を避けただけで成果のないまま終えた。日本は長年の四島返還の主張を色丹島と歯舞群島の二島返還に実質的な的を絞り、北方四島の開発・インフラ整備に協力するなど安倍政権になってから涙ぐましいほどの努力を…

今年もトランプ主義で混迷へ?

トランプ政権で内外から信頼を集めていたマティス国防長官が1月で退任(※)することになった。"アメリカ第一"を標榜し、国際協調主義を否定するトランプ主義に対し、最も強力な歯止め役を担っていたマティス長官の退任でトランプ政権はますます内向きとなり…

大国インドを忘れてないか

大国・インドの存在感がこのところ国際社会でじわじわと高まってきている。大きなきっかけは、中国が大経済圏構想”一帯一路”を着々と進め、海のシルクロードと呼ぶ西アフリカから東南アジアに至る海路にも地歩を固めつつあるからだろう。インド洋を”わが海”…

成果上がらぬ安倍外交 ─プーチンにしてやられる?─

"売り物"だった安倍外交が、このところさっぱりだ。日米関係は貿易不均衡問題に絡み自動車、農業などで再びアメリカが攻めてくる可能性が濃厚だ。拉致問題、朝鮮半島情勢との関係も米朝首脳会談に先行され日本は置き去りにされてしまった。中国とは経済で弱…

移民拒否でやっていけるか

この2、3年で街を歩く外国人の姿が目立って増えてきた。それも中国人や韓国人だけでなく、ヒジャブやサリーを身に着けたインドネシアやマレーシアなど東南アジアやイスラム系の人々が聞き慣れない言葉をしゃべっている。そこで、尋ねてみると「ネパールから…

内閣改造に興奮なし ―政権は末期症状へ― 

安倍首相は、10月の総裁選で連続3選を果たし内閣改造を行なった。普通、内閣の顔ぶれが変わると多少の期待や興味もあって支持率が上昇するものだが、今回の改造ではほとんど変わらなかった。重要ポストの顔が改造前とあまり変化がなく新鮮味がなかった上、何…

トランプ大統領はアメリカの変化の象徴か?

トランプ大統領は、歴代の大統領と比べると明らかに特異な人物だ。ただ、これまでのアメリカの価値観を平気で否定するトランプ氏の登場は、アメリカの国自体の有り様、変化を表しているとすれば話は違ってくる。その意味で上下両院の議員、州知事、地方議員…

インド洋で反中国政権が続々

インド洋に浮かぶ人口約40万人の独立共和国の島・モルディブは日本人にも新婚旅行先として人気のある観光地だ。〝地上の楽園〟ともいわれ、年間約130万人が世界中からやってくる。そのモルディブで9月下旬に大統領選挙が行なわれ、野党の統一候補モハメド・…

5Gの登場で変わる業界図

2019年から移動通信システムがいよいよ第5世代(5G=ジェネレーション)に突入する。移動通信システムは1980年代に商用化された第1世代(1G)から、90年代には音声とショートメールが送れる2G、2000年代に音声とデータ通信が可能となった3G、10年代には大容…

中国・インドとどう向き合うか

中国の海洋戦略は、太平洋、南シナ海からインド洋にまで拡大してきている。中国の「一帯一路」構想からすると、西アフリカからインド洋を通って東南アジアへ抜ける"海のシルクロード"も重要な戦略で、それにはインド洋の覇権掌握が欠かせないのだ。 すでにパ…

日本を抜いた中国のIT化

バイドゥ、アリババ、テンセント──といった名前を聞いてすぐに「それは中国のIT企業」と答えられる人は、かなりの中国IT通だ。しかも世界のトップIT企業のうち2社は中国企業なのである。いまや中国のIT企業は世界の最先端で活躍しているのだ。 企業価値が10…

移民受け入れも視野に

日本もいよいよ移民受け入れへの第一歩を踏み出すようだ。政府は今年6月、外国人受け入れの転換となる促進策を取入れたからだ。 これまで日本では単純労働分野での外国人就労を禁止してきた。ただ医師や弁護士といった高度な専門性を持つ人材は積極的に受け…