時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

コラム(TSR情報)

「8月15日」――二度の敗戦 ~大戦とニクソン・ショック~

1950年1月からのUSDJPYの為替レートの推移 「8月15日」と聞いて日本人がまず頭に浮かべるのは“敗戦の日”ということだろう。私は3歳になったばかりだったので、1945年8月15日の記憶は殆んどない。私にとって戦争の記憶として僅かに残っているのは、アメリカ軍…

IOC官僚の口車は? ~どうしても日本にやらせたい「煽(おだ)て」か~

コロナ禍の東京五輪・パラリンピックの開催基準を巡って菅義偉首相は「国民の命と健康を守るのが大前提だ」としながらも、具体的な判断基準については「私自身は主催者ではない」と、答えず“逃げ”をうった。狭義の主催者ではなくても、もし五輪中止となれば…

器の大きさをみせて欲しい ~利便、実務の首相では淋しい~

無派閥の菅義偉前官房長官が、第99代首相に就任したのは昨年(2020年)の9月16日だった。発足当初の内閣支持率は64%台で歴代内閣のうちでも五指に入る高支持率でスタートした。 ところが新型コロナウイルス対策への“後手”批判が続くと、瞬くうちに支持率が…

ミャンマーでの政変に悩む日本 ~400社以上の企業が進出~

ミャンマーの国軍は、アウンサンスーチー氏(75)が率いる与党・国民民主連盟(NLD)に対してクーデターを実行し、全土に1年間の非常事態宣言を発令した。スーチー女史やウィンミン大統領ら複数の政権幹部を拘束し、国軍のミンアウンフライン最高司令官(64…

家族形態の変化~社会からの孤立をどう防ぐか~

ここ10~20年で日本の家族のあり方が大きく変化している。少子高齢化の急速な進展で親2人子供2人の4人家族が減少し、一人暮らしの高齢者や無職のままひきこもる中高年の増加などが目立ち始めて、かつての典型的な家族形態も変化している。家族の抱える問題が…

「国際主義」に戻るバイデン大統領 -分断回復には長い時間も-

84年7月にサンフランシスコで行われた民主党大会 嶌信彦撮影 1月20日、アメリカの新しい大統領に民主党のジョー・バイデン氏が就任する。 「分断ではなく結束をめざす大統領になることを誓う。アメリカを赤い州(トランプ支持の中西部)と青い州(バイデン支…

旧来のアメリカに戻れるか ―トランプが作った深い米国の分断―

トランプ大統領は、戦後のアメリカ大統領の中で、極めて異色の人物だった。アメリカ・ファースト(アメリカ第一主義)を唱え、国際社会で合意していた地球温暖化阻止のパリ協定やイラン核開発を巡る先進国の制裁合意、コロナ禍に立ち向かう世界保健機関(WHO…

統一ドイツ西欧の盟主に ―統一から30年―

東西ドイツが統一して10月3日で30年となった。依然、経済格差はあるが、その差は大きく縮まっている。2020年の旧東ドイツの一人当たり国内総生産(GDP)は、西ドイツの約8割に達し、世帯収入は全国平均に比べ88%にまで増えた。失業率は2000年代初めに18%台だ…

コロナでみせた地方の底力

新型コロナウイルス感染症が長期化する傾向をみせるにつけ、地方自治体が独自に対策を打ち出し始めている。地方によっては感染症拡大が急速化したため、全国一律の方針を打ち出そうとする国の対策を待っていられないからだ。地方が地域の事情に応じて独自に…

安倍政権はコロナ対策への全力姿勢を示せ

安倍首相と西村康稔・経済再生担当大臣がしゃかりきになって旗を振った『Go Toトラベル』キャンペーンは完全に失敗に終わった。国民は旅行や観光より、今はいつ終息するか、と気に病んでいるコロナ感染対策に全力を挙げて欲しいと願っているのだ。経済対策よ…

なぜいま経済とコロナの両立なのか ~経済再生担当大臣がコロナ対策を発信する不思議~

コロナ対策で政府の顔となってきた西村康稔・経済再生担当大臣が、「Go To トラベルキャンペーン」で立ち往生気味だ。経済活動再開の切り札として推進するつもりだったが、この1~2週間で感染者が急増し、医療関係者や地方の知事から「地方に感染を振り撒く…

コロナに蹂躙(じゅうりん)される世界 ~見えない新型ウイルスの恐ろしさ~

米国で患者から分離されたSARS-CoV-2(2019-nCoV、COVID-19を引き起こすウイルス)の透過型電子顕微鏡画像/NIAID-RML 「新型コロナウイルスの大きさは100ナノメートル、1センチの10万分の1しかない。光学顕微鏡では捉えることができない。研究者によると人類…

テレワークはスマート・ライフか ~3日で飽きた人が多い~

西村康稔・経済再生担当大臣は、大型連休中の会見で「コロナ対策で悩む国民の皆さんにスマート・ライフのあり方をお示ししたい」とする提案を行った。スマート・ライフなどとしゃれた言い方をするから、新型コロナウイルス感染拡大による家の中の“巣ごもり生…

評判悪い首相の独断

新型コロナ対策に対する安倍首相“独断”による臨時休校措置の評判がすこぶる悪い。首相が指示した3月2日から春休みまでの全国小・中・高校の臨時休校措置は「先手、先手でやるべきだ」という思いと首相主導の強いメッセージにこだわって全国一斉の休校要請を…

米中ハイテク覇権争いと日本 

トランプ政権は中国の通信機器大手「ファーウェイ(華為技術)」を目の敵のように攻撃している。ファーウェイ製品を使うとその機器を通じて機密情報が流出するというのだ。特に北大西洋条約機構(NATO)に加盟する同盟国がファーウェイを導入し浸透するよう…

5Gは産業、安全保障にも影響 米中で激しい覇権争いも 

次世代の高速通信規格「5G」のサービスが国内で今春から始まる。基地局の整備では、韓国や中国などが先行しており、日本は出遅れたが、日本政府と体制整備を急ぎ、通信機器メーカーをはじめ交通、建設機械、建築、自動車、医療関連などの分野に参入を促す考…

オリンピック、問題が続々噴出

2020年の真夏の東京オリンピックを前に、懸念していた問題が次々と表面化してきた。暑さと健康、膨れ上がる経費と予算、マラソン会場の札幌移転に伴う東京都と国際オリンピック委員会(IOC)、日本のオリンピック委員会(JOC)との不況和音――等々だ。 暑さ問題…

「壁」崩壊を現場で目撃 

1989年12月、新しく選出されたハベル大統領による演説(出典:チェコツーリズム) ベルリンの壁が崩壊して、今年で30年となる。東欧の旅行の自由化、国境開放でベルリンの壁が事実上崩壊したのは1989年11月だが、東西を分けていた象徴的なブランデンブルク門…

強硬路線変えない習近平政権

香港市民の反発に習近平政権は、少したじろいだかにみえる。 香港市民で犯罪を起こした人物を中国本土に送り裁判にかける、という香港行政府の発表した「逃亡犯引き渡し」条例は市民の大デモの反発に遭い、香港政府が遂に引っ込めた。このところ強硬路線で中…

注目される米中覇権争いの”型”

新天皇が即位し、元号が令和となってからすぐの5月25日、トランプ大統領が国賓として来日した。日米間の政治的議題としては日本の農産物輸入の拡大や北朝鮮の完全非核化などについて議論することになっていたが、安倍首相の真の思惑は新天皇の国賓第一号とし…

波乱高まるアジア貿易 ―日・韓・米・中― 

■韓国をホワイト国からはずす アジアの貿易が波乱の様相をみせてきた。第一は、韓国の元徴用工を巡る訴訟で、韓国最高裁が日本企業に賠償を命ずる判決(2018年10月末)を出した。また、日本が今年になって韓国をホワイト国からはずす政令改正を決めたことだ…

米中貿易戦争に治まる気配なし ―中国は国家政策だと突っぱねる― 

アメリカと中国の貿易戦争はますます拡大し激しさを増している。アメリカの中国への追加制裁関税は、2018年7月の第一弾(関税を10%から最大25%に引き上げ)に始まってから今年5月および6月には第4弾にまで拡大した。対象となった品目は半導体、化学素材に…

「GAFA」も「BATIS」も生まれない? ―こじんまりしてしまった日本社会―

「平成」が終り、「令和」の時代に入った。平成に入る時、その意味を当時の小渕恵三官房長官は「平らかに成る」と説明した。平成時代は、大きな災害がいくつかやってきたが、日本社会全体としては、確かに「平らかに成る」というような穏やかな時代だったと…

指導力なきメイ英首相の混乱ぶり ―大英帝国はいまやいずこへ?― 

イギリスのメイ首相は、もはや完全に“死に体”となってしまったといってよかろう。メイ首相はEUとの間でまとめた“ブレグジット(英国のEU離脱)”案の承認を議会に求めてきたが、2回拒否され、さらに3月29日に行われた3度目の採決でも議会はメイ首相の協定案を…

本当に「真夏のオリンピック」でいいのか ―リタイア選手続出とならなければいいが・・・―

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに次から次へと問題が生じている。「スポーツと平和」の祭典をうたいながら、人事、資金、大会開催時期などを巡って様々な難題が現れはじめた。東京五輪歓迎ムードに水が差されはじめているのである。 このところ問…

イギリスのEU離脱に横たわる難題 ―3月29日がデッドライン― 

3月29日にイギリスとヨーロッパは、どんな日を迎えるのだろうか。この日は、イギリスのEU離脱を決断すべき最終日だ。昨年暮、イギリスのメイ首相は欧州3都市をまわりEUからブレグジッド(イギリスのEU離脱)協提案の譲歩を求める旅に出かけた。しかし譲歩は…

日本の外国人社長の報酬はなぜ高い? ―ゴーン氏は日産・三菱自動車で計9億6000万円―

Wikimedia commons 本牧埠頭でのカルロス・ゴーン氏 2011年7月16日 Picture by Bertel Schmitt 2018年11月19日にカルロス・ゴーン前日産自動車会長が金融商品取引法違反で逮捕されてから2ヵ月が過ぎた。この間東京地検特捜部は容疑を会社を私物化し、役員任…

置き去りにされる重厚長大 ―時代を先取りする新産業を探せ―

フリント市のラザフォード市長より名誉市民として鍵を授与される 新たなブラックマンデー(暗黒の月曜日)――。オハイオ州ローズタウン市の地元紙は11月末にGM(ゼネラルモーターズ)の工場の閉鎖をこう報じた。 昨年から3000人が解雇され、今回さらに1500人…

40歳の主婦から女性社長になって30年 ―インドネシアに子会社も設立― 

小松ばね工業企業サイトトップ画像 11月上旬に78歳の女性経営者の話を聞いた。社長だった養父(叔父)の急逝で、40歳にして突如主婦から社長に就任し、多くの苦労の末、インドネシアに子会社を設立するなど国際化にも挑戦。従業員は80人ほどで、現在は国内に…

少子高齢化など人口動態の異変拡大 ―減少幅最大、外国人は250万人で最多― 

日本の人口動態に異変が起きている。総務省の調査によると2018年1月1日時点の日本の総人口は1億2520万9603人で9年連続の減少。減少幅は37万4055人で1968年の調査開始以来、最大だったのである。しかも15~64歳の生産年齢人口は初めて6割を切り、逆に外国人人…

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日本人の覚悟

日本人の覚悟―成熟経済を超える

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【著】嶌 信彦


日本の「世界商品」力

日本の『世界商品』力

(集英社新書)
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首脳外交

首脳外交-先進国サミットの裏面史

(文春新書)
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嶌信彦の一筆入魂

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(財界研究所)
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ニュースキャスターたちの24時間

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(講談社)
【著】嶌 信彦
       

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