時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

【スペシャル配信】TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』 ゲスト:料理研究家 土井善晴氏(2月2日、9日) 

f:id:Nobuhiko_Shima:20200109124702j:plain

スタッフからのお知らせです。

このたび、 『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)にて2月2日と9日に放送した料理研究家 土井善晴氏の放送音源を公開する運びとなりました。

嶌のツイッター等で出演情報などをお知らせしておりますが、土井氏をお迎えした際の告知は非常に高い反響を頂きました。放送では、土井氏が考える家庭料理を持続するためのヒントや修業時代のエピソードなどをお話くださっています。

昨今の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、全国の小中高校で休校措置や在宅勤務の広がりを受け、自宅で食事をする機会が増えています。土井氏の柔和な船場言葉に癒される方も多く、少しでも皆様のお役にたてればと思い音源を公開することにいたしました。

本番組は、さまざまな分野で志をもって生きているゲストの方々をお招きし、嶌が独自の切り口でインタビューする番組です。どうして今の道を選んだのか、過去の挫折、失敗、転機、覚悟。再起にかけた情熱、人生観などを中心にお伺いしている、番組宣伝にとらわれない唯一無二の番組です。『嶌信彦のエネルギッシュトーク』から通算すると18年目を迎え、放送回数は900回、ゲストは500名を超えました。

 f:id:Nobuhiko_Shima:20200203161057j:plain


【一夜目】
2月2日の放送では、飽食の時代にあってごくごくシンプルな食事のスタイルである「一汁一菜」が、多くの支持を集めている今、健康でいるために受け継がれてきた伝統的な和食の型などについてお伺いしました。

 

【二夜目】
2月9日の放送では“おふくろの味”を流行語にした料理研究家土井勝氏を父に持ったプレッシャーの中、人気料理番組の講師としても活躍するまでになった人生の転機などについてお伺いしました。

 

土井氏が上梓された書籍の一部をご紹介いたします。合わせてぜひ参照ください。


なお、1日の『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』ゲストは秋田の人気酒蔵新政酒造の8代目当主・佐藤祐輔氏をお迎えした一夜目、8日も引き続き佐藤氏をお迎えした二夜目をお届けする予定ですので、お聞きいただけると幸甚です。


中国経済の減速は止まるか

f:id:Nobuhiko_Shima:20200302194623j:plain

 中国経済の減速が止まらない。2010年までは2ケタの高成長を続けていたが、11年には1ケタ成長に落ち込んだ。それでも18年半ばまでは7%増の中成長を維持していたものの、19年末には6.1%増まで沈み、90年の天安門事件以来の歴史的な低水準となった。米中貿易摩擦は一時的な修復が行われただけだし、財政の巨額債務の積み重ねで財政刺激も難しくなっている。ここ数年の成長の低落傾向が今後も続くようだと、中国経済は安定成長期を通り過ぎて低成長時代に突入する可能性もありそうだ。

 中国経済の落ち込みは、実質成長率だけでなく鉱工業生産や固定資産投資、輸出、輸入、個人消費(小売売上高)なども軒並み減少している。特に個人消費は1%、輸出は2.1%、輸入は10%以上も前年より伸び率が縮小、工業生産も5.7%増にとどまり97年以降で最低だった。

 落ち込みの最大の要因はアメリカとの貿易戦争だ。米中が互いに追加関税をかける貿易戦争が18年7月に始まり、当初は340億ドル(約3.7兆円)、818品目の中国製品が追加関税の対象だったが、19年9月までに3700億ドル、1万品目以上に拡大し、中国も対抗してアメリカ製品に追加関税をかけたので米中の輸出入は一挙に落ち込んだ。関税戦争で原材料価格も高騰した。さらに先行きの不透明感から企業は投資を減らし、民間投資は18年の8.7%増から4.7%増へと低下した。米中間では1月中旬に貿易協議の部分合意が成立し、貿易戦争は一時休戦となったが、中国はバラまき対策もできず景気の下支えが難しくなっている。

 08年当時は約4兆元(当時のレートで約57兆円)の財政を投入し、中小企業支援や公共事業対策などを実施したが、結果は倒産企業の延命に力を貸し、不動産バブルをもたらした上、巨額の財政債務を残して苦しむ結果となったため、今回は慎重なのだ。また米中貿易戦争も関税の部分合意はできたものの、中国が中小企業などに補助金を出し経済競争力を強めようとする構造改革問題については、依然対立したままで再び米中戦争が起きる可能性は強いのである。

 習近平政権は2020年のGDPと住民一人当たりの所得を10年比で2倍にし、国民の生活水準を底上げして〝いくらかゆとりのある小康社会〟を実現すると約束している。中国の一人当たりのGDPは19年に1万ドルを超え、ようやく現在日本の4分の1の水準に達してきた。そんな中で中国経済の減速が止まらず、一挙に低成長に突入すれば発展は見通せなくなる。そればかりか、いまや中国経済が世界経済に与える影響は、極めて大きくなっており世界不況につながる懸念も強いのだ。
【財界 2020年2月26日 第512回】

※なお、本コラムは新型コロナウイルス感染症の拡大による経済状況が表面化する前に入稿しております。


画像:Wikimedia commons(Allen Timothy Chang/張華倫)

昨日 TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』 ゲスト:佐藤祐輔氏(秋田の人気酒造会社・新政酒造8代目当主)音源掲載

f:id:Nobuhiko_Shima:20200228202811j:plain

スタッフからのお知らせです。

昨日のTBSラジオ 『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)は秋田の人気酒造会社・新政酒造の8代目当主・佐藤祐輔氏をお迎えしました。音源がradikoに掲載されました。

若いころ、秋田や日本酒が好きになれず、東京の有名大学に進学して卒業。葬儀会社や郵便局などに勤務後、フリーの記者をしていた頃、ある先輩の一言で日本酒の魅力に気づき転身を決意した経緯などについてお伺いしました。

放送音源はradikoにて日曜日までお聞きいただけます。

f:id:Nobuhiko_Shima:20200302123656j:plain

本放送で佐藤氏が魅了された日本酒、静岡・焼津「磯自慢」と愛知・名古屋「九平次」に関しては以下を参照ください。


次週も引き続き佐藤氏をお迎えし、日本酒の魅力に気づき秋田の実家に戻り人生を懸け赤字だった経営の立て直しに奮闘。「伝統文化を再創造する」を理念に掲げ添加物を使わない醸造手法への回帰を進めるこだわりなどにつきお伺いする予定です。

新政酒造様のサイトは以下を参照ください。



日曜(3/1)TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』 ゲスト:佐藤祐輔氏(秋田の人気酒造会社・新政酒造8代目当主)

f:id:Nobuhiko_Shima:20200228202811j:plain

スタッフからのお知らせです。

日曜(3月1日)のTBSラジオ 『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)は秋田の人気酒造会社・新政酒造の8代目当主・佐藤祐輔氏をお迎えいたします。

若いころ、秋田や日本酒が好きになれず、東京の有名大学に進学して卒業。葬儀会社や郵便局などに勤務後、フリーの記者をしていた頃、ある先輩の一言で日本酒の魅力に気づき転身を決意した経緯などについてお伺いする予定です。

新政酒造様のサイトは以下を参照ください。



23日 TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』 ゲスト:小川仁志氏(山口大学教授)二夜目 音源掲載

f:id:Nobuhiko_Shima:20200214142109j:plain

スタッフからのお知らせです。

23日のTBSラジオ 『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)山口大学教授 小川仁志氏をお迎えした二夜目をお届けしました。

今回も引き続き小川氏をゲストにお招きし、哲学カフェの参加者から最近感じる哲学に対する日本人の意識の変化や、ビジネスの哲学研修が見直され始めている今、ポストグローバル時代に必要とされる日本人にとっての哲学のあり方や考え方などについてお伺いました。
音源は日曜までradikoにて配信中です。

前回は有名大学を卒業後一流企業に入社するがすぐに退社、次に市役所職員をしながら学んで哲学者になったという人生観や、哲学を広めるために始めた哲学カフェの活動などについてお伺いしました。

小川氏が上梓された書籍の一部をご紹介いたします。

 

次回は、新政酒造株式会社 佐藤祐輔社長をお迎えする予定です。

曲がり角に来たコンビニ業界

f:id:Nobuhiko_Shima:20200221181525j:plain

生活に欠かせないインフラとして成長、発展してきたコンビニが、昨年末に初めて店舗が減少に転じた。少子高齢化、人口減少の進行とともにコンビニの出店も頭打ちとなってきたのだ。コンビニが登場してから50年近くになり、街の風景や人々のライフスタイルまで変えてきたコンビニ業界の先にはどんな買い物スタイルが待っているのだろうか。

コンビニは、セブンイレブン・ジャパンが1974年に東京都内で第一号店を開業した後、ローソン、ファミリーマートなど小売大手が次々に参入し、現在は主要7社が全国で5万5620店を展開している。コンビニ以前の新しい小売り業態は1950年代に登場したスーパーマーケットだった。客が自ら商品を選びレジで料金を支払う買い物のスタイルで、アメリカから導入された。それまでの日本の買い物は、八百屋、魚屋、肉屋、牛乳屋、日用雑貨などを扱う文房具店などが個別に店を構え、それぞれの店で商品を購入していた。

しかしスーパーとコンビニが登場すると、街の風景は大きく変わっていった。スーパーに行けば食料品だけでなく衣料、電気器具、日用品などを一ヵ所で買い求められるようになったし、コンビニでは住宅地域に24時間営業、公共料金や宅配便のサービスまで行うようになり、生活のインフラとして欠かせない存在になった。また、日用雑貨だけでなく夕食のおかずや弁当まで買える上、個人オーナーによる24時間営業が原則的に義務付けられているため、人々の生活形態を大きく変える作用や防犯の一助となっている。


■ 4ヵ月連続店舗数が減少
特にコンビニの商圏は一店舗あたり3000人の人口といわれ、小さな町村でも個人商店主が本社から商品を供給してもらえば簡単に店を開くことができたので急速に成長していった。日本フランチャイズチェーン協会の統計によると2005年のコンビニ店舗数は3万9966店だったが、2018年末には5万5743店まで増えている。出店を増やせば売り上げは確実に伸びていたから大手各社はオーナーを募り出店競争を行なっていたのである。しかし19年2月の5万5979店をピークに19年9月以降、閉店数が出店数を上回り前月に比べ4ヵ月連続で店舗数が減少、出店を増やして売り上げを伸ばすビジネスモデルは限界に来たのではないかと指摘され始めた。

■人手不足、人件費、長時間労働
コンビニの店舗展開が止まってきた大きな要因は人手不足と人件費の高騰だ。多くの店ではオーナーとその親族が長時間店頭に立ったり、外国人労働者を雇って経営してきたが、国内店舗が飽和状態に近づき競争の激化でこれまでの経営手法では立ちゆかなくなってきたのだ。

また売れ残った弁当など食料の廃棄と環境への配慮、本社側が要請する新商品の増大やサービスの知識に対応しきれなくなってきた店舗側の負担増、本社と加盟店のコスト、利益配分のあり方――などの見直しも大きな課題になっている。いまやコンビニ店の半数以上は徒歩5分以内に競合店を抱えており、そのうち3店以上の競合店があるという店は20%以上に達している。

■生活インフラとなっているコンビニ
このまま放置しておくと個別企業の経営問題を越えて、生活インフラとして機能しているコンビニが衰退する恐れもあるため経済産業省では、今年2月にコンビニ改革への報告書「令和の時代におけるコンビニの革新に向けて」を出した。この報告書によると、本社とフランチャイズチェーンの対立が深刻になる前に紛争解決のルールを整備するよう促しているほか、24時間経営や売れ残った商品の値引き販売問題、休日の確保、労働条件の改善、本社と店舗側の利益・コスト配分の見直しなどを検討するよう提案している。

最近は、流通・宅配業の発達で、商品によっては消費者が店に行かなくても商品を購入できるシステムが整い始めてきた。個人商店の時代からスーパー、チェーンストアの時代へと変化してきたが、コンビニが曲がり角に来ると次の時代への小売り、流通・販売の形態も模索されることになるのかもしれない。
【Japan In-depth 2020/2/17】

画像:RRiceさんさんによる写真ACからの写真

日曜(23日)TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』 ゲスト:小川仁志氏(山口大学教授)二夜目

f:id:Nobuhiko_Shima:20200214142109j:plain

スタッフからのお知らせです。

日曜(23日)のTBSラジオ 『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)山口大学教授 小川仁志氏をお迎えした二夜目をお届けする予定です。

今回も引き続き小川氏をゲストにお招きし、哲学カフェの参加者から最近感じる哲学に対する日本人の意識の変化や、ビジネスの哲学研修が見直され始めている今、ポストグローバル時代に必要とされる日本人にとっての哲学のあり方や考え方などについてお伺いします。

前回は有名大学を卒業後一流企業に入社するがすぐに退社、次に市役所職員をしながら学んで哲学者になったという人生観や、哲学を広めるために始めた哲学カフェの活動などについてお伺いしました。音源はradikoにて日曜日まで配信中です。

小川氏が上梓された書籍の一部をご紹介いたします。

 Facebook

 嶌信彦メールマガジン

 嶌信彦メールマガジン

書籍情報
日本人の覚悟

日本人の覚悟―成熟経済を超える

(実業之日本社)
【著】嶌 信彦


日本の「世界商品」力

日本の『世界商品』力

(集英社新書)
【著】嶌 信彦

     
首脳外交

首脳外交-先進国サミットの裏面史

(文春新書)
【著】嶌 信彦


 
嶌信彦の一筆入魂

嶌信彦の一筆入魂

(財界研究所)
【著】嶌 信彦


ニュースキャスターたちの24時間

ニュースキャスターたちの24時間

(講談社)
【著】嶌 信彦
       

 日本ウズベキスタン協会