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ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

日曜(23日) TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』 ゲスト:囲碁棋士名誉棋聖 小林光一氏(日本棋院所属の囲碁四世代プロのご一家としても話題)二夜目

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日曜(23日)のTBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)日本棋院所属の囲碁四世代プロのご一家としても話題の棋士名誉棋聖小林光一氏をゲストにお迎えした二夜目をお届けする予定です。

毎朝AIの棋譜をパソコン上で並べるなど、今も研究に余念がないと仰る囲碁生活や4代プロ棋士という囲碁史に名を残す棋士ファミリーのエピソードについてお伺いします。

小学校卒業後に北海道から上京、昭和囲碁界の大御所・木谷道場での内弟子生活時代の思い出や布石の考え方、師匠のお嬢さん(小林禮子棋士)との結婚生活について伺いました。囲碁棋士のニックネームや石田芳夫氏、趙治勲氏のお話も。

音源がradikoに掲載され日曜までお聞きいただけます。

番組内でもお話に上がった小林禮子棋士との生活を綴られた書籍や布石を書かれた本は以下を参照ください。

合わせて、小林氏の情報を掲載いたしますので参照ください。6月の日経「私の履歴書」も非常に読み応えのある記事でした。

法相逮捕は只事ではない

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 法を守る番人役である法務省の最高責任者・法務大臣東京地検に逮捕されるという前代未聞の事件が発生した。先日まで法相だった河井克行・前法相と妻で参院議員の案里夫妻だ。現職議員が夫婦揃って買収容疑で逮捕されたのも例がない。
 
 克行議員は19年3月~8月にかけ19年の参院選挙を巡り広島選挙区の地方議員ら約百人に現金約2570万円を渡し票の取りまとめ依頼をしたという大掛かりなものだ。広島3区、7回当選の衆院議員で、安倍首相、菅官房長官が重用し首相補佐官にも起用されていた。自らのフェイスブックに「活動方針は安倍総理、菅官房長官を支えること。そのために毎月のように会合を開き、懇親を深め、結束を強くしてきた」と記し、17年のパーティーで「総理の、いわば目となり耳となり、口となり、手となり、足となって活動させていただく」と語り、外国要人との橋渡しをしていたと自認していた。
 
 当時、広島選挙区の自民党参院議員としては溝手顕正・元国家公安委員長がいたが、案里容疑者が二人目の自民公認として安倍首相から推された。溝手氏と安倍首相の関係が疎遠だったためと囁かれ、しかも選挙交付金として自民党から溝手氏に渡されたのは1500万円だったが、河井氏には1億5千万円も提供されたという。広島の二議席独占が大義名分だったが溝手氏は落選した。
 
 安倍首相は河井夫妻の逮捕に対し、「かつて法務大臣に任命した者として、その責任を痛感している。国民の皆さまに深くおわび申し上げる」と陳謝したが、法相の逮捕は前例がないだけにいつもの「任命責任は私にある」という通り一遍の口上で済むかどうか、野党や自民党議員も鼎の軽重を問われることになるだろう。
 
 河井夫妻逮捕後のメディアの調査による内閣支持率は36%台と第二次政権以降の最低水準にまで落ち込んでいる。
 
 さらに緊急事態宣言の遅れ、一律の現金支給問題、布製マスク配布(アベノマスク)で不評を買い、外出自粛を呼びかける狙いで犬と自宅でくつろぐ様子を公開し炎上するなど、人気取りのつもりが裏目裏目となっている。
 
 安倍政権は7年を越え、戦後最長の内閣となっているが、結局何を"遺産"として残したのか全く見えてこない。憲法改正はむろんのこと横田めぐみさんの拉致問題解決も"一丁目一番地"の重要課題としていたが横田滋さんは亡くなってしまった。そして今回は法相の逮捕だ。
 
「責任は私にある」は、問題が起きた時の首相の口グゼだが、責任をどう取ったのか、その範は残念ながらみたことがない。そろそろ責任を取ってお引き取り願う時期だろう。
【財界 夏季第二特大号2020】

【参考情報】
・内閣支持32%、過去最低目前 コロナ対応「評価せず」6割―時事世論調査時事通信 2020年08月14日)
 https://www.jiji.com/jc/article?k=2020081400843&g=pol
 

・内閣支持34%、不支持47%(NHK世論調査)2020年8月(8月12日更新)
 http://www.nhk.or.jp/senkyo/shijiritsu/

・内閣支持37%、不支持は最高54%…読売世論調査(2020年8月9日)
 https://www.yomiuri.co.jp/election/yoron-chosa/20200809-OYT1T50194/

・河井夫妻の初公判は25日 東京地裁 被告側は無罪訴える見通し(毎日新聞2020年8月17日)
 2019年参院選の広島選挙区を巡る選挙違反事件で、東京地裁は17日、地方議員らを買収したとして公職選挙法違反で起訴された前法相の衆院議員、河井克行被告(57)と、妻で初当選した参院議員、案里被告(46)の初公判を25日に開くことを決めた。初公判を含め12月18日まで計55回の期日を指定した。判決期日は未定。
 https://mainichi.jp/articles/20200817/k00/00m/040/092000c 


画像:河井克行氏Facebook(2019年7月14日)より

昨日 TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』 ゲスト:囲碁棋士名誉棋聖 小林光一氏(日本棋院所属の囲碁四世代プロのご一家としても話題)一夜目音源掲載

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昨日のTBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)日本棋院所属の囲碁四世代プロのご一家としても話題の棋士名誉棋聖小林光一氏をゲストにお迎えしました。音源がradikoに掲載され日曜までお聞きいただけます。

小学校卒業後に北海道から上京、昭和囲碁界の大御所・木谷道場での内弟子生活時代の思い出や布石の考え方、師匠のお嬢さん(小林禮子棋士)との結婚生活について伺いました。囲碁棋士のニックネームや石田芳夫氏、趙治勲氏のお話も。

番組内でもお話に上がった小林禮子棋士との生活を綴られた書籍や布石を書かれた本は以下を参照ください。

次週も引き続き小林氏をお迎えし、毎朝AIの棋譜をパソコン上で並べるなど、今も研究に余念がないと仰る囲碁生活や4代プロ棋士という囲碁史に名を残す棋士ファミリーのエピソードについて伺う予定です。

合わせて、小林氏の情報を掲載いたしますので参照ください。6月の日経「私の履歴書」も非常に読み応えのある記事でした。

強権・強国路線は習近平政権だけか

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このところ中国の強権・強国路線が目立ち始め、米・中対立が激化するだけでなく、日本や東南アジア諸国との摩擦も増大している。これは習近平政権の特有の動きなのか、それとも経済、軍事力で大国化した中国の必然的行動なのか──中国にどう対応してゆくべきか、を巡って各国も戸惑っている。

アメリカのポンぺオ国務長官は、このほど「中国を国際社会の仲間に組み入れようとしてきた歴代のアメリカの対中国政策=関与政策は失敗だった」と宣言し、今後は民主主義国が結束して抑え込む必要があると中国への対応の転換を同盟国に呼びかけた。

 

続きは、本日配信のメールマガジンまぐまぐ」”虫の目、鳥の目、歴史の目”にてご覧ください。(初月無料)


画像:海上保安庁海上保安レポート2017」

日曜(16日) TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』 ゲスト:囲碁棋士名誉棋聖 小林光一氏(日本棋院所属の囲碁四世代プロのご一家としても話題)

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日曜(16日)のTBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)日本棋院所属の囲碁四世代プロのご一家としても話題の棋士名誉棋聖小林光一氏をゲストにお迎えいたします。

小学校卒業後に北海道から上京、昭和囲碁界の大御所・木谷道場での内弟子生活時代の思い出や布石の考え方、師匠のお嬢さんとの結婚生活について伺う予定です。

小林氏が上梓された書籍をご紹介いたします。

合わせて、小林氏の情報を掲載いたしますので参照ください。6月の日経「私の履歴書」も非常に読み応えのある記事でした。

中国の強国路線に厳しい目

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 2008年のリーマン・ショックで世界経済が沈んだ時、救世主のような役割を担ったのは中国だった。

 当時の中国のGDP成長率は7・1%で鉱工業生産8・2%増、小売り売上高が22・0%増と、まさに新興国の高度成長期の勢いを失っていなかった。しかもV字回復を目指して約60兆円の景気刺激投資を行なったことで、中国ばかりか世界景気の持ち直しにも一役買った。

 しかし今回のコロナ不況では「感染拡大による経済への影響は一時的だ」と強気の姿勢を崩していないものの、中国の1~3月期の成長率はマイナス6・8%、鉱工業生産もマイナス8・4%と大きく、小売り売上高はマイナス19・0%と異常な落ち込み方なのである。

 この結果、20年1~3月期のGDP成長率は前年同期比でマイナス9・8%と初のマイナスを記録した。さらに新型コロナの影響で2カ月半遅れた全国人民代表大会で今年のGDP目標について李克強首相は「いくつかの予測困難な要因に直面しているので具体的な年間目標は提示しない」と、これまた異例の報告を行なった。

 中国は今年のGDPを2010年比で2倍にする倍増目標を世界に公言しており、そのためには5・6%程度の成長が必要とみられている。今年の全人代の会場では約3千人の地方代表が全員マスクをして参加した光景から見ても、中国のコロナは、まだ終息していないのが実情だ。

 こうした中、アメリカとの関係も一向に改善しない。アメリカの上院は中国を念頭に置いた「外国企業説明責任法」を5月に可決した。アメリカに上場する外国企業に経営の透明性を求め、会計監査を義務付ける内容だ。アメリカ市場には電子商取引大手のアリババなどが数多く上場したり、上場を予定している。しかし、中国企業の発表数字は信用し難いとみる向きもあり、市場から締め出されるようなことになると今後の資金調達や信用にも関わる。

 中国には2000年代から世界の先進的企業が投資し、いまや中国は世界の工場となっており、2019年の輸出総額は2兆5千億㌦(約270兆円)と、2001年の10倍近くに達している。また世界の企業が中国に進出することで成長や、技術移転も容易に進んできている。これがソ連など他の社会主義圏の近代化過程と大きく違うところだ。しかし最近の中国は軍事費をこの20年で10倍以上に増やし、対香港政策などで強硬強国路線を取り、アメリカに対抗している。また今回のコロナ禍の経緯から先進国企業の中国離れも出ている。中国はこのまま強国・強硬路線で進もうとするのか、世界は厳しく見つめ始めたといえる。
【財界 夏季特大号 第521回】

■参考情報
・上半期の実質GDP成長率はマイナス1.6%、第2四半期はプラス成長
(中国)JETROビジネス短信 2020年07月27日
 中国国家統計局の7月16日の発表によると、2020年上半期の実質GDP成長率は前年同期比マイナス1.6%と、同年第1四半期(1~3月)の同マイナス6.8%から5.2ポイント上昇した。四半期別でみると、第2四半期(4~6月)は3.2%となり、プラス成長を回復した。 

https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/07/bc93ecf45c4f3e40.html 

 

・中国、経済的自立高める成長戦略を提起 外部リスク増大で=関係筋 ロイター 2020年8月5日
 中国政府の助言役を務める関係者らによると、中国の指導部は内需押し上げに軸足を置く、国内と国外の「二重循環」という経済成長モデルを提案した。米国の敵対姿勢や新型コロナウイルスの世界的大流行により、中国の長期的な経済発展を阻害する外部リスクが高まっていることが背景にある。
 同モデルは内需拡大に向けた「内部循環」を優先するもので、「外部循環」がこれを補完する。詳細は明らかになっていない。 

https://jp.reuters.com/article/china-economy-strategy-idJPKCN2510A1 
 

・中国製造業、「コロナ後」景気回復へ膨らむ期待 「財新中国製造業PMI」が9年ぶり高水準を記録 東洋経済 2020年8月5日
 中国では一部の都市で新型コロナウイルスの集団感染が散発的に続き、南部の地方は豪雨による深刻な水害に見舞われている。だが最新のデータによれば、それらの影響は中国経済の回復の勢いをそぐには至っていない。

 8月3日に発表された7月の財新中国製造業購買担当者指数(製造業PMI)は52.8と、前月の6月の51.2から1.6ポイント上昇し、2011年2月以来9年ぶりの高水準を記録した。好不況の判断の目安とされる50を上回るのはこれで3カ月連続だ。 

https://toyokeizai.net/articles/-/367011


画像:Wikimedia commons AcidBomber at en.wikipedia, CC 表示 3.0, リンクによる

9日 TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』 ゲスト:恐竜博士で国立科学博物館標本資料センター センター長の真鍋真氏二夜目音源掲載

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9日のTBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)国立科学博物館標本資料センター センター長の真鍋真氏をゲストにお迎えした二夜目をお届けしました。音源がradikoに掲載され、日曜までお聞きいただけます。

先週に引き続き真鍋氏をゲストにお迎えし、東京生まれの東京育ちの真鍋氏が恐竜に興味を持つようになった理由や、大部分の恐竜が絶滅しなかったら、私たち哺乳類の出番はなかったと仰る恐竜の魅力についてお伺いしました。次回の恐竜博に関してもお話いただいております。

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前回は、われわれの想像力を刺激してやまない恐竜の魅力や日本が世界的に恐竜人気が高いことや、ここ数年目覚ましい発展を遂げている恐竜研究の舞台裏などお伺いしました。

真鍋氏が上梓された書籍の一部をご紹介いたします。

7/28に日テレNEWS24「the SOCIAL」に出演された動画で真鍋氏が現在取り組まれている自宅で楽しめる学びに関してお話されておりコロナ時代のヒントがありましたので合わせてご紹介いたします。

合わせて国立科学博物館の3名の講師が登場されるオンライン講座が8月9日から3週に渡って開催されています。

国立科学博物館の旧東京科学博物館本館は、建物も非常に貴重で文部省の技官・糟谷謙三氏の設計で昭和6年に竣工されたものが今なお使用されています。

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次回は、日本棋院所属の囲碁四世代プロのご一家としても話題のプロ棋士名誉棋聖小林光一氏をお迎えする予定です。

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