ウズベキスタン日本人抑留者資料館 スルタノフ館長制作の日本人抑留者のドキュメンタリー映画「ひいらぎ」が再び上映!
スタッフです。ウズベキスタン・タシケント市にて日本人抑留者資料館を私費で運営されているジャリル・スルタノフ様の記録映画「ひいらぎ」がこのたび日本で再び上映される運びとなりましたのでお知らせいたします。
【抑留時の勤勉な日本人の様子がわかる貴重な映像が公開】
スルタノフ様は日本人抑留者の素晴らしい仕事ぶりに感銘を受け、ウズベキスタンが1991年にソ連から独立したのを機に、日本人ゆかりの収容所や墓地などの資料や証言の収集を開始しました。「ひいらぎ」はその一部を映像化したもので、当時の様子を知る人々の証言を交えた貴重な日本人抑留者のドキュメンタリーとなっています。嶌が一昨年の9月末に上梓した「日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた」(角川書店)の舞台であるナボイ劇場の建設秘話やウズベキスタン各地の水力発電所や工場、学校建設の話など勤勉な日本人抑留者の姿が描かれている貴重な映像が収録されています。
昨年1月にスルタノフ様が日本政府の招きで奥様とお孫さんと共に来日された際に、嶌が会長を務める日本ウズベキスタン協会のイベントにて「ひいらぎ」が本邦初公開され、トークイベントでは制作秘話も伺いました。多くの方に来場いただき、感銘を受けられた作品です。
昨年1月に来日され、記者会見後に撮影したお孫さん、スルタノフ様、奥様の写真
【私費で資料館を建て、歴史を紡ぐ】
また、スルタノフ様はこれらの収集された日本人抑留者ゆかりの資料や品物を展示する資料館を1998年に私費で建設されており、日本人のみならず多くの方が訪れています。
これまでの活動が評価され「平成27年外務大臣表彰」授与を皮切りに、昨年1月の日本政府の招きによる来日、その後昨年11月に発表された秋の叙勲でウズベキスタンにおける日本人抑留者の歴史保存及び対日理解の促進に寄与されたことを理由に旭日双光章を受章されています。
【ウズベキスタン協会協力により公開が実現】
今回、嶌が会長を務めるNPO法人日本ウズベキスタン協会の協力により新宿にある平和祈念資料館(総務省委託事業)が「ひいらぎ」を購入し、今後定期的にイベント等で上映されることになりました。
第一弾として、春休み期間中の子供向けの企画として戦争が終わってからも、苦しくつらい体験をした人たちがいることを知ってもらうための春の特別プログラム「知ることからはじめよう 戦争って?」の1つとして「ひいらぎ」の上映が行なわれることが決定しました。ぜひこの機会に多くの方にご覧いただけることを願っております。
今回「ひいらぎ」上映のご案内に参考関連図書として嶌の「日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた」 が紹介されています。
日時:2月25日(土)14時から(50分間)
3月11日(土)14時から(50分間)
場所:平和祈念展示資料館
東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル48階
TEL :03-5323-8709
参加費:無料
【貴重な資料も公開中】
現在、平和祈念展示資料館では企画展「手紙が語る戦争」が3月26日まで行われています。未公開の資料を中心に、戦争という時代と、その中を生きた人々が置かれた状況を映し出す貴重な数々の手紙が紹介されています。今回、「男たちの大和」の原作を書かれた作家、辺見じゅん様の「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」のモデルとなった山本幡男様の葉書も展示されています。「ひいらぎ」と合わせてご覧いただけると幸いです。
【日本ウズベキスタン協会イベントでカンパも実施】
日本ウズベキスタン協会主催イベント開催時にスルタノフ様の「日本人抑留者資料館の」維持の支援を目的とした募金箱を設置しています。先日開催した新年会でも募金箱を設置し、多くの方に募金いただきました。協会では責任をもってお預かりした募金をスルタノフ様にお届けし、協会サイトやFacebookにてその模様を報告しています。今後もこの募金を開催してまいりますので、皆様のご協力を賜りますようお願いいたします。
※一番上の画像は、昨年のGW開けにウズベキスタンを訪問した際に嶌が資料館を訪問しスルタノフ様と、お孫さんのリソラットさんと撮影したもの