時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

コラム(財界)

"独裁"の流行で乱れる世界

最近、世界ではやり出しているもの──といえば”独裁的政治”ではなかろうか。アメリカのトランプ政権、ロシアのプーチン政権に中国の習近平政治。北朝鮮の金正恩、トルコのエルドアン政治、フィリピンのドゥテルテ大統領、中央アジアのカザフスタン、トルクメ…

なぜ政府・与党は証人喚問を拒否する?

かつて総合商社のトップが、国会で証人喚問を受けるため、自らの名前を署名する時、手がブルブルふるえたことがあった。その場面をテレビが大きく映し出していたのを見て、商社のトップでもかなり緊張するのだな、という印象をもったことがある。 その証人喚…

TPP11で判明する安倍外交

日本は本気で先頭に立ち、アメリカを巻き込んだTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の早期発効に持ち込める外交力があるのか──アメリカを除く11カ国の閣僚会合は、TPPの早期発効に向け努力を続けることでかろうじて一致した。しかしTPP11カ国の意見は推進派…

チキンレースの中の日本

世界中がチキンゲームの様相を呈しはじめてきた。チキンゲームは対立する双方が我を張って相手が降りるまで戦い脅し続ける戦法だ。互いに面子にこだわって降りないと悲劇的な戦争になって大きな傷を残す。世界中の各国がチキンゲームを始め、全体の調停者が…

行政は口をはさみすぎる

最近、行政が企業や個人の活動に口をはさみすぎるのではないか。 典型的な例は官製春闘だ。給与や一時金は、各企業が業績をみながら従業員のやる気を引き出すために考えて出す極めて重要な個別企業戦略である。ところが、ここ2、3年、政権側は業界や、リーデ…

理念死守に踏みとどまるEU

EU(欧州連合)の原点となったローマ条約の制定から60年が経った。3月末、EU離脱を決めたイギリスを除く27加盟国がローマに集結。結束を誓い「異なる速度と強さで行動を共にする」との宣言を採択した。統合速度を多様化させる方針は、一見すると欧州の格差に…

ポピュリズムと自国第一

"自国第一"主義が世界を揺るがし始めている。トランプ・アメリカ大統領の"アメリカ・ファースト"の思想と政策が、EU各国をはじめ世界に伝染し始めているからだ。グローバル化、IT化などが進む中で各国とも中間層の二極化、没落が目立ち社会に不満が高まっ…

落とす現金1日1000万円

2016年に都内で落し物として届けられた現金は、何と約36億7000万円あったという。これはバブル期の1990年の35億円を超え過去最高で、7年連続の増加記録。1日に約1000万円が落とされている計算だ。 落し物は3カ月間保管されるが、持ち主が現われなければ拾…

大統領令の歯止め

トランプ大統領の暴走的「大統領令」に少しずつ歯止めがかかってきた。それはトランプ大統領の変化というより、米社会全体が良識を取り戻す落ち着きが出てきたからだろう。 最も大きな歯止め役となったのは司法の動きだ。中東・アフリカなどイスラム圏7カ国…

どうなっちゃった韓国

一体、韓国はどうなってしまったのか。一時は日の出の勢いで、社会も経済も先進国に肩を並べる地位にあったのにここ2、3年で国は混乱を極め、かつての輝きは全くない。 最も懸念されているのは政界だ。朴槿恵大統領の生い立ちは悲劇に包まれている。学生時代…

日本にも厳しい”米国第一”

1981年3月、大統領に就任して間もないレーガン大統領が精神的におかしかった偏執的な男に狙撃された。銃弾は肺の奥深くに達し、緊急手術によって命を取り止めた。 レーガンは大統領当選後の評判はもうひとつだった。映画俳優上がりで、それも二流俳優。そこ…

影響力は世界37位  安倍首相の存在感

安倍外交は、本当に成果をあげているのだろうか。たしかに歴代首相に比べ安倍首相は外交に熱心である。 この4年間で訪問国は100カ国を超え、外国首脳との会談は200回に達するという。アメリカのトランプ次期大統領とは、世界で最初に会談し、ロシアのプーチ…

”安倍外交” 曲がり角か 正念場のプーチン会談

旧ソ連が崩壊直前の1990年1月、私は当時の急進改革派のリーダーだったエリツィン氏の来日時、日本の学者二人を交えて2回、約6時間にわたり懇談した。ソ連が経済発展するヒントを知りたいようだった。同氏は、その後の旧ソ連崩壊後の91年に初代大統領(91~9…

アメリカ理念の没落か

「トランプはポピュリズムで権力を握ったが、その後の統治手法はポピュリズムではない。今後、上院も下院も最高裁判所も保守一色で染まるだろう。しかしアメリカ社会の分断にも深い傷跡を残した。新大統領選後1週間以上も反トランプの大衆行動が各地でおこ…

経済指標に踊らぬ生活

日本人はケチなのか、心配性が強すぎるのか、それとも政府の発表する数字や日経新聞の論調に乗りたくないのか。 10月28日付の日経新聞夕刊の一面トップに、9月の経済指標として「求人倍率25年ぶりに高水準」「失業率3.0%に低下」「消費者物価0.5%下落」など…

レガシーはハードよりハートで!!

2020年の東京五輪についてまわる言葉は「レガシー(legacy)」だ。1964年のオリンピックはいくつかのレガシー(遺産)を残し、今日も語り継がれているものが少なくない。新幹線、首都高速道路、国立競技場など目に見えるハードのものが多く、当時は高度成長…

世界は女性トップの時代へ?

このところ、新聞やTVニュースのトップに出てくるのは小池百合子都知事だ。2020年の東京オリンピックの予算見直し、築地魚市場の豊洲移転問題、知事給与の半額カット提起、リオ五輪から東京五輪への引き継ぎ式典などニュースに事欠かないからだ。 対応…

リベラル派の重鎮逝く 加藤紘一氏死去

元衆議院議員の加藤紘一さんが肺炎のため亡くなった。77歳。ここ数年は体調を崩していたが、会合では、中国訪問の感想や政局の見通しなどもよく口にしていた。山形県鶴岡市出身だったが、学校は都立日比谷高校、東大出身で都会っ子と田舎風の雰囲気を合わせ…

国民、企業心理に心づかいを

政府・日銀の財政・金融政策は、本当に正しい道を突き進んでいるのだろうか。黒田日銀総裁が登場して大胆な金融緩和策を実行したため、一時は1ドル=80円割れしていた円高は、あっという間に円安に転じた。その後も黒田日銀は大幅な金融緩和を続行、ついに…

"風車のお百合"の次の手は?

”風車のお百合”が、逆風を活用して都知事選で圧勝した。「風車は逆風が吹くとよく回るんですよ」と、選挙後にニッコリ。ただ、投票日間近になると自民党の組織力がフル回転していたから、内心は落ち着かなかっただろう。 それにしても小池氏の戦いぶりは見事…

恥ずかしい政党力

参院選はさっぱり燃えなかったが、都知事選はなかなかエキサイティングだ。火付け役は小池百合子衆院議員の突然の出馬宣言だった。 テレビ東京の番組で人気キャスターの座を突然捨て、細川護熙氏が立ち上げた日本新党の国会議員へ転進。その後、小沢一郎氏の…

よみがえってきた ”ばんえい競馬”

一時は消滅かといわれた”ばんえい競馬”が再び人気を盛り返しているという。妻と娘も北海道へ行くとしょっちゅう立ち寄るようだ。 ばんえい競馬は、カッコヨク走るサラブレッドの競馬レースとはまったく違い、足の太いずんぐりした巨大な農耕馬が700キロ近い…

温暖化対策で航空運賃も?

5月に早くも真夏日を記録するなど日本の気候はますます異常になっている。ムシムシした梅雨の季節の後、今年はどんな夏を迎えるのだろうか。 地球温暖化問題は日本だけの問題ではない。ことしの伊勢志摩サミットでは、主要7カ国(G7)が国際的な地球温暖化対…

離脱すれば一流半国に

イギリスはEU離脱を選択するのだろうか──その国民投票が6月23日に行われる。常識的には離脱はないし、私も「離脱すべきでない」と考える。 産業界や金融界は当然ながらEU残留を支持。最近ロンドン市長に当選したイスラム教徒のサディク・カーン氏も残留派だ…

サミットは実質崩壊へ  安倍訪欧も実らず

安倍首相は5月26~27日の伊勢志摩サミット根回しのためヨーロッパを駆け足でまわった。本当に海外首脳と会うのが好きになったようで、もう趣味といってよいほどだ。日本の首脳はこれまで引っ込み思案だったので足腰軽く1週間弱で数カ国をまわって顔をつきあ…

問われているのは法令違反より〝徳〟

パナマ文書をめぐって各国首脳や大企業、富豪たちがあわてふためいている。日本人や日本の企業名はまだ出てきていないが、租税回避地はパナマだけではない。 たとえばケイマン諸島なども有名だし、ヨーロッパにもタックスヘイブン(租税回避)的な機能、機構…

手玉にとられた? シャープ

3月末、シャープが台湾の鴻海精密工業に正式に買収されるとわかったとき、救済にかかわってきた日本側関係者は肩を落とした。シャープが鴻海に手玉をとられるようにして買いたたかれる結果となったからだ。「鴻海は全く信用できない」と怨嗟の声があがったも…

新潟地震に遭遇して感じた「人と国土」

スタッフです。この度の熊本県を中心とする地震により亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げます。被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げるとともに、皆様の安全と被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。 19日のTBSラジオ「森本…

日本生かせ アイデアはある

「保育園落ちた。日本死ね」「1億総活躍社会じゃねーのかよ」 春の新学期を前に公立の保育園に入れない乳幼児がことしも多い。「子育て支援」「日本人1億人が総活躍できる社会に…」などと政府のスローガンは華々しいが、現実は合格できても家から遠く送迎が…

カタストロフィに備えよ

「メキシコからの移民流入を防ぐため、国境に壁をつくる」──。共和党の大統領候補の最有力者・ドナルド・トランプ氏は激しい主張で有名だが、右の発言はその象徴的なものだろう。ベルリンの壁を想起させることを声高に叫んで、注目を引き人気を高めてゆくア…

都立戸山高校卒、 古稀の人々の戦後70年論

先日、都立戸山高校卒業の友人から『私たちの〝戦争〟体験』と題する約160ページの小冊子をもらった。1962年に高校を卒業し、1943、44年に生まれた世代だから、断片的体験記憶だけで、ほとんどは敗戦直後の荒廃した日本の光景と幼児時代の思い出や親、兄姉な…

面妖な閣僚らの疑惑

千葉県の建設会社が甘利明前経済再生担当相の秘書、事務所に〝口利き〟を頼んだとする事件は〝いまどきこんなことをまだ行っていたのか〟と、あらためて日本の政治土壌のひどさを国民に印象づけた。 建設会社は「独立行政法人都市再生機構(UR)」と道路建設…

「中台関係は現状維持」で存在感も

台湾の総統選で最大野党・民進党の蔡英文主席(59)が、ほぼダブルスコアで8年間政権を握っていた朱立倫・国民党主席(54)を敗り政権を取り戻した。台湾史上、初の女性宰相の誕生だ。ふっくらとした容ぼうで、その笑顔は親しみを感じさせるおばさんだ。台北…

アジア太平洋を巡るグレートゲームの開始

2016年の世界と日本、あるいは国際情勢と日本、天変地異などがどう動くか──何とも読み解き難い年だ。 まずアメリカと中国の太平洋を巡る陣取り合戦。初手は日本がアメリカとうまくTPP(環太平洋経済連携協定)の大筋合意をまとめ上げ、中国が根回しをしてい…

ゴキブリから守ってくれるアースの和風美人研究者

アース製薬の研究所で働く有吉立さんは、ゆったりと物静かにしゃべる30歳代の美人だ。職場は兵庫県赤穂市の生物研究棟。この棟ではハエや蚊、カメムシ、ゴキブリなど何と100種類の虫を飼育している。殺虫剤などの薬を作るための飼育棟6人の1人だ。 なかでも…

爆買いが変える通貨や規制

中国の存在感がまた一段と高まりそうだ。中国の通貨である「元」が、国際主要通貨として認められるためだ。国際通貨基金(IMF)が、加盟国に配る「特別引出し権(SDR)」の構成通貨に人民元を採用、その構成比率は日・英を抜いて第三位となる。 2015年の主要…

尋常でないフランスの怒り

フランスの怒りようがすさまじい。パリ同時多発テロに襲われたフランスは11月19日、「イスラム国」との戦いに各国が立ち上がる決意を示すよう国連安保理の理事会に決議案を提出。さらにフランス国民議会(下院)は同日、非常事態を3カ月延長する法案を可決し…

親日イスラム国カトウタキ

「加藤タキ」が中央アジア5カ国名を覚えるコツだという。カはカザフスタン、トはトルクメニスタン、ウはウズベキスタン、タはタジキスタン、キはキルギス。 その中央アジア5カ国を安倍首相夫妻と関係企業、団体など約50組織が初めて訪問し、「日本もようやく…

信念と地道な努力の二人

祖母は「智、一番大事なことは人のためになること。これは心がけなさいよと、繰り返し言われ続けました」。 ノーベル医学生理学賞を受賞した大村智さん(80)は決して世にいうエリートではない。地方の山梨大学学芸学部を卒業後は都立墨田工業高校の定時制の…

TPP決着で勝つ道探れ

TPP(環太平洋経済連携協定)がやっと大筋合意に達した。これにより国内総生産(GDP)で世界の4割近くを占める大経済圏がアジア太平洋地域に生まれる可能性ができた。中国もTPPとは別に東南アジア、日本、韓国などを含む経済協定をもくろんでいるが、TPPはギ…

ラグビー対南ア戦の興奮

久しぶりに興奮し涙した。ラグビー・ワールドカップ初戦の日本対南アフリカ戦だ。南アフリカは世界ランク3位、日本は12位。その体格の相違と精悍な面魂に「これはやはり勝てないな」と思ってしまう。 スタートは五郎丸のキックでリードして始まった。だがす…

地に落ちた東京五輪評判

2020年・東京オリンピックのイメージが日毎に低落している。新国立競技場建設が白紙に戻っただけでなく、オリンピックのエンブレム(紋章)デザインも盗作疑惑で、再公募することになった。「オモテナシ」のキーワードでお祭り騒ぎとなった東京五輪の招致が…

アスリート・ファーストのいかがわしさ

アスリート・ファースト──なかなか耳障りの良い言葉だ。新国立競技場建設を巡る巨額の予算オーバーでゴタゴタ騒ぎとなり、建設プランは白紙撤回となった。もう一度最初からやり直すきっかけの一つとなったキーワードが、一部のスポーツ選手が語ったとされる…

黄信号灯った安倍政権?

”安倍一極”といわれてきた政局に変動の兆しが見え隠れしてきた。そもそもは、11本の安保法制をひとまとめにして通そうとした手軽な発想がいけなかったのだろう。ふつうなら1本ずつ通すにも2、3ヵ月かかるといわれた国の基本、しかも憲法9条を拡大解釈し、法…

安倍政局は転換点に? 声なき声が支持率下げる

「国会周辺は騒がしいが、銀座や野球場、映画館は満員だ。私には声なき声が聞こえる」──1960年春、国会周辺は連日、学生や労働組合による数十万人のデモ隊が国会をとり囲み〝安保反対〟のデモが繰り返された。その頃、安倍首相の祖父だった故岸信介首相が、…

物価目標2%は もう不必要!?

日本の消費者物価(CPI)を2%まで上昇させる──この目標は、いまもはたして正しいのだろうか。黒田東彦氏が日銀総裁に就任(2013年3月)すると、低金利・ゼロ金利、金融の巨額な量的緩和政策を実施した。この結果、一時、1㌦70円台まで円高に推移していた円…

強くなってきた日本ラグビー  エディー監督の言葉の魔術

ラグビーが面白くなってきた。世界的名将といわれるエディー・ジョーンズ氏が日本代表の監督に就任してから日本ラグビーが急成長しているからだ。まだなでしこジャパン、男子サッカーの方が注目されているが、2019年に日本で開催されるワールドカップで、世…

影薄いサミット メンバー替え改革も

いつの間にかサミットの季節がやってきて、いつの間にか終わっていた。90年代まではサミットといえば、世界最大の政治イベントだった。開催前には各国首脳の横顔、主要テーマの解説と行方、共同声明の予測、サミットの会場の場所や特色、雰囲気、各国記者団…

時価総額は最高だが…

東証の時価総額が5月下旬に591兆円に達し、バブル経済期のピーク(1989年12月)の590兆9000億円を上回った。金融不安の真っ盛りだった2003年3月には200兆円台に落ち込んでいたから、一見すると日本経済はこの10年余りで急成長したように見える。 しかしその…

〝天網行動〟の裏には?

天網恢々、疎にして漏らさず──ということなのだろうか。天網とは老子の言葉。天が張りめぐらした網は、どんな小さな悪事も逃げることはできないという意味だ。習近平政権は、いま腐敗共産党幹部を国外まで追跡する〝天網行動〟を展開し始めた。汚職摘発を逃…