時代を読む

ジャーナリスト嶌信彦のコラムやお知らせを掲載しています。皆様よろしくお願いいたします。

コラム(財界)

内閣改造に興奮なし ―政権は末期症状へ― 

安倍首相は、10月の総裁選で連続3選を果たし内閣改造を行なった。普通、内閣の顔ぶれが変わると多少の期待や興味もあって支持率が上昇するものだが、今回の改造ではほとんど変わらなかった。重要ポストの顔が改造前とあまり変化がなく新鮮味がなかった上、何…

トランプ大統領はアメリカの変化の象徴か?

トランプ大統領は、歴代の大統領と比べると明らかに特異な人物だ。ただ、これまでのアメリカの価値観を平気で否定するトランプ氏の登場は、アメリカの国自体の有り様、変化を表しているとすれば話は違ってくる。その意味で上下両院の議員、州知事、地方議員…

インド洋で反中国政権が続々

インド洋に浮かぶ人口約40万人の独立共和国の島・モルディブは日本人にも新婚旅行先として人気のある観光地だ。〝地上の楽園〟ともいわれ、年間約130万人が世界中からやってくる。そのモルディブで9月下旬に大統領選挙が行なわれ、野党の統一候補モハメド・…

5Gの登場で変わる業界図

2019年から移動通信システムがいよいよ第5世代(5G=ジェネレーション)に突入する。移動通信システムは1980年代に商用化された第1世代(1G)から、90年代には音声とショートメールが送れる2G、2000年代に音声とデータ通信が可能となった3G、10年代には大容…

中国・インドとどう向き合うか

中国の海洋戦略は、太平洋、南シナ海からインド洋にまで拡大してきている。中国の「一帯一路」構想からすると、西アフリカからインド洋を通って東南アジアへ抜ける"海のシルクロード"も重要な戦略で、それにはインド洋の覇権掌握が欠かせないのだ。 すでにパ…

日本を抜いた中国のIT化

バイドゥ、アリババ、テンセント──といった名前を聞いてすぐに「それは中国のIT企業」と答えられる人は、かなりの中国IT通だ。しかも世界のトップIT企業のうち2社は中国企業なのである。いまや中国のIT企業は世界の最先端で活躍しているのだ。 企業価値が10…

移民受け入れも視野に

日本もいよいよ移民受け入れへの第一歩を踏み出すようだ。政府は今年6月、外国人受け入れの転換となる促進策を取入れたからだ。 これまで日本では単純労働分野での外国人就労を禁止してきた。ただ医師や弁護士といった高度な専門性を持つ人材は積極的に受け…

ポスト平成社会を考えよう

平成時代が間もなく終わる。平成が発足するとき、平成の意義を問われた当時の小渕恵三官房長官は、「平成」と書かれた新しい元号を前に「平らかに成る」と答えた。人々が忙しく立ち働いた高度成長期とは違って、もう少し穏やかに生きて”平らかに成る”時代を…

ハブの座目指す中央アジア

中国の"一帯一路"構想がだんだん熱を帯びてきた。構想が打ち上げられた時は、中国式の”大風呂敷”とみられ、その実現に耳を貸す国は少なかった。日本も当初は、中国を利するだけとみて反応は鈍かった。しかし、構想から10年経ったいま、一帯一路は着々と実を…

地場産業から世界へ

キッコーマンがアメリカでしょうゆの現地生産を始めてから45周年を迎えたという。実は10周年の時、私は毎日新聞のワシントン特派員として働いていた縁からウィスコンシン州にあったしょうゆ工場の10周年式典を取材に行った経験がある。 キッコーマンは、いま…

中国強国路線の波紋

中国が着々と強国路線を歩み始めている。今年の全国人民代表大会(全人代)で国防予算を前年実績比8.1%増の18兆4000億円とし、4年ぶりに伸び率が前年を上回った。狙いは単に軍事費を増やし強国化をアピールすることより、軍の近代化などにより質の強化を推進…

二人三脚の相方だった岸井記者の早すぎた死

友人で毎日新聞に同期入社した岸井成格(しげただ)氏が5月15日に亡くなってしまった。肺腺がんだった。一時は回復していたが、今年に入り再び体調を崩し遂に還らぬ人となってしまった。まだ73歳。政治記者としてこれからさらに円熟味を出してゆく個性派記者…

アメリカ第一の綻びも?

トランプ大統領は頑固で、一度言い出したら滅多に自説を引っ込めない。安倍首相は4月下旬、アメリカのTPP(環太平洋パートナーシップ協定)への復帰を促したが、トランプ大統領の返事は案の定「NO」だった。安倍首相はゴルフ外交で気分を解きほぐしてからと…

なぜすぐ公開されなかったシベリア抑留者名簿 

第二次大戦後に旧ソ連に抑留され、収容所などで亡くなった元日本兵捕虜557人分の名簿が先日、厚生労働省のホームページに公開された。今回公表されたのは、厚生省が平成28年度にロシア側から入手した11件の名簿を翻訳・整理したものだという。 日本人抑留者…

米中摩擦に日本の出番は?

私が毎日新聞のワシントン特派員だった1980年代前半は、日米経済摩擦問題で明け暮れる日々だった。連日アメリカの上院・下院では日米摩擦の公聴会、議員提案が行なわれ、私は連日議会に張り付いた。当初の繊維摩擦に始まり、機械、テレビ、自動車、半導体ま…

中国化に染まるアジア

約2週間にわたって開かれていた中国の全国人民代表大会(全人代)=国会が閉幕し、習近平主席の一強支配が今後5年間は続く布石が打たれた。2期目の目標として「2020年までに小康社会(いくらかゆとりのある社会)」を実現するとともに、"中華民族の偉大な復…

日銀の新陣営は自信ありや?

人事配置は、政治と政策の最大のシグナルだ。政策を大きく変えたければ、これまでのトップと違う人物をもってくることで世間に政策変更を発信することになる。従来の路線を継承するなら前と同じ考えをもつ人物を登用することになるわけだ。 難しい局面に立た…

【ラジオ再放送あり】金子兜太さん逝く 人間くさく大らかな俳人

水脈(みお)の果て 炎天の墓碑を 置きて去る 戦後の現代俳句界をリードしてきた金子兜太さん(98)が亡くなった。旧制水戸高校時代から俳句を始め、東大経済学部を卒業後に日本銀行へ就職。戦争中は海軍主計中尉として西太平洋のトラック島に派遣され九死に…

AIは新産業革命をおこせるか

将棋の人工知能「ポナンザ」が昨年の第二期電王戦で佐藤天彦名人に2連勝して、一挙に人工知能(AI)が大きな話題となった。ポナンザを作った山本一成氏は東大先端科学技術研究センターの研究員で(株)HEROZの開発技術者でもある。 山本氏自身、将棋を指しアマ…

「孤独省」を作った英国は?

イギリスのメイ首相が「孤独担当大臣」を新設した。内閣の中に孤独問題を担当する省庁を新設するという発想は、日本人にもハッとさせられる問題提起として受け止められたのではなかろうか。 イギリスの人口は約6600万人だが、英国赤十字社によると「常に」、…

覇権の交代に必要な理念

2018年は帝国の交代が始まる年になるかもしれない。第二次大戦後の米・ソ冷戦時代にあってアメリカは1990年代初頭にソ連・中国の社会主義国との競争を制して一強時代を築いた。しかし21世紀に入るとイスラム、中国が台頭、アメリカがイスラムのテロ活動に力…

2018年は世界の構造変化に備える年に

2017年は"動乱の年"だった。では、2018年は動乱から安定・躍進の年に成り得るのだろうか。現状を見る限り、動乱状況はまだ2ー3年は続き、各国は自ら自国の行き方を模索しなければならない年になりそうだ。 動乱を引き起こした要因の第一はトランプ米大統領の…

社会主義現代化強国への道とは?

習近平政権二期目に入る中国共産党大会が終えてほぼ2ヵ月。集団指導体制時代だった江沢民、胡錦濤政権時代に比べ、習近平氏の一強体制を強くうかがわせる大会だったようだ。演説時間は3時間半に及び、30年以上かけて「社会主義現代化強国」になると宣言した…

出口の見つからない日本

アジアの市場、お金の流れが大きく変化してきているようだ。流通分野ではネット通販が大膨張し、人々のライフスタイルや既存の小売、百貨店などが伸び悩んだり、駆逐されている。 中国のアリババ集団は、11月11日の「独身の日」セールで一日の取引額が2兆800…

対立に向かう? 米中のモデル

今年の共産党大会が開催された人民英雄紀念碑と人民大会堂 中国は10月18日から開いた5年に一度の共産党大会で「21年までに小康(ややゆとりのある)社会を完成させ、今世紀半ばに富強民主の強国を建設する」と宣言。さらに建国100年(2049年)に向けた国家目…

”中国の夢”をどう実現?

ロシア対独戦勝70周年を記念する式典・軍事パレード まもなく中国・習近平政権の二期目がスタートする。「中華民族の偉大な復興」の目標通り強国ぶりをいよいよ内外に示す時代になるのだろうか。習近平政治は、時々スローガンが掲げられその方向性が示される…

覇道の解散 動乱の兆しも 

衆議院の総選挙が面白くなってきた。安倍首相が解散宣言した時は、野党がバラバラで勝負にならないとみる向きが多かった。 しかし小池百合子氏が「希望の党」の代表となって戦うと宣言した途端、野党勢力がまとまり始めた。東京都議選で自民党を惨敗に追い込…

―総選挙で日本の政治は変えよう― パッとしなかった安倍政権の5年

総選挙の時期と“ポスト安倍”の議論が段々熱を帯びてきた。 総選挙については、衆院現議員の任期切れとなる2018年12月末までのいずれかの時期になる。ただ、これまでの“安倍一強時代”とは違い、都議選の大敗と内閣支持率の急落、そしてその後の支持率上昇が必…

調査では景気回復あおるが・・・

このところ活字メディアで、アベノミクスの成果を伝える記事が目立つ。安倍政権は安保・外交には熱心だが“経済対策は超金融緩和と財政の刺激策だけで目新しいものがない。景気も曇り空続きで元気がなく市場からも評価されていない”という声が目立っていた。…

緊迫する米朝に日本は傍観か

アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長による威嚇の応酬はまだ終わりそうにない。軍事力でも国力でも圧倒的に劣る北朝鮮がなぜここまで突っ張るのか。 北朝鮮は、正恩氏が命令を出せばグアム沖30~40キロメートルの公海上に中距離弾道…